おお～いいね！・・・適度な距離感と空気感でますます私をとりこにする三鷹の珈琲や

「先ほどはお席を移動して頂いて、ありがとうございました。とても助かりました。」

この店は、私が週に1回は利用している三鷹駅南口から3分の自家焙煎珈琲のお店「珈琲や」。

私は、三鷹の北口でランチをした後、珈琲でも飲もうと、少し歩いて南口側のこの店まで足を伸ばしました。
しかし、時間は、13時半。
この日も、22席10テーブルほどしかないしか無い狭い客席は、美味しい珈琲を楽しんでいるお客様でいっぱいでした。

「あらま、いっぱいだな～残念」

ちょっと中を覗いて、空席が無いことがわかった私は、しょぼんとして、あきらめて帰ろうとしました。
すると、中から若い男性スタッフが出てきて、「もうすぐ席が空くと思いますので、少しだけテラスでお待ち頂けませんか？空いたらすぐにご案内します」と、爽やかな笑顔で言うのです。

まあ、飲食業をしていたら、こう言う行動は当たり前のはずなんですけどね。でも、最近は、あきらめかけたお客様を店内からすっ飛んできて、引き止めるカフェや喫茶店なんて、なかなか遭遇しなかったので、ちょっとビックリしました。

「じゃあ、少し待つか・・・」

私は彼の熱心さにほだされ、寒さも和らいでいたこともあって、しばらく外のテラスで待つことにしました。
その後、程なくして、席が空き、私はその席に移動し、美味しいハンドドリップ珈琲と甘みを抑えたティラミスを注文したのでした。

「うん、イイ香りだ～」

この店での珈琲タイムは私にとっては、至福の時間。
読書をしながら、まったりとした時間を楽しんでいました。

さて、そろそろ時間は14時過ぎ。
ランチ客が減り、店内が少し空き始めたとき、先ほどの彼が済まなさそうな表情で私に声を掛けてきました。

「申し訳ございません。4人様をご案内したいのですが、ひとつ横のお席に移動して頂くことは出来ませんでしょうか？」

私の左右に、ふたり席がひとつずつ空いていたので、私が横に移動すると、4人席を作ることが出来るということです。
これもまた、最近のカフェや喫茶店ではなかなか聴けないお願いです。
最近の店では、こう言うお願いを面倒がってしないのです。
と言うか、丁寧にお客様にお願いをし、それをお客様が気持ちよく聴くことに出来る様な雰囲気を作っていない店が多いのです。

これは、お客様と店との距離感の問題なのです。
もちろん、この店の距離感は、非常に気持ちのイイ距離感です。
私は、「おお～もちろんです。どうぞどうぞ～」と言って席を移動しました。
しばらくすると、彼が整えた4人席には、4人のグループ客が案内されてきました。

お客様と店との適度な距離感。
お客様も店のために、なにか役に立とうとする一体感。
これって、さほどむずかしく考えなくても出来そうな空気感だと思いませんか？

満席を見てあきらめかけたお客様への対応や、先日も紹介した、ちょっとしたひと言で、ケーキを注文させてしまうさわやかで屈託のない接客。
彼らは、そんな気持ちのイイ空間作りをすることで、いつも満席のカフェ・自家焙煎珈琲専門店を創り上げているのです。

最近、ブルーボトルコーヒーの上陸をキッカケに、手作り感のあるオシャレなカフェや珈琲専門店が流行って来つつあります。
しかし、この「珈琲や」のような、適度な距離感や空気感を持った店創りをしていかないと、イメージや表面の作りだけを真似しても、長続きはしないと思うのです。

そこのところを深く理解した店がたくさんできたら良いなあ～
と思う今日この頃です。

※珈琲や　の公式ホームページはこちら
http://coffeeya.co.jp/

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