- 小林 裕美子
- ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
イタリア人の明るさ、優しさは彼らの家族関係から来ている気がします。
イタリア人は両親(特に母親!)や祖父母、子供たちを本当に大切にして、
いつも暖かい愛情を注いでいます。たとえ離れて暮らしていても、週末には
実家へ帰って親や兄弟たちと暮らし、夏休みも一緒に過ごします。
家はこの家族愛のベースになる大切な場所です。
母親は時々帰ってくる子供のために好物料理の他に、夏はトマトを煮て
1年分のトマトペーストを瓶詰めにしておいたり、秋には田舎の出来たての
ワインをダミジャーノと言う50リットル瓶で用意したり、冬は暖炉で焼いた
赤ピーマンのオイル漬けをたっぷり作っておきます。
家にはこうしたものを低めの常温でストックしておく食品庫が必ずあります。
イタリア料理が美味しいのは、あふれる愛情がレシピのベースになっている
からでしょう。
食べる事が大好きなイタリア人にはキッチンはとても重要な場所です。
キッチンは所謂ダイニングキッチンで、普通は家族でキッチンで食事を取ります。
だからキッチンは機能的で汚れにくく、インテリアも美しいのです。
お客様との食事や、お祝い事の食事はダイニングルームで取ります。
狭い家ではリビングルームの片隅にダイニングテーブルを置いたりも
します。 ダイニングルームもリビングルームも、アートや自慢の装飾で
美しく居心地良くしつらえられています。そこはいつも綺麗に整理されていて、
読みかけの新聞やビタミン剤の瓶のような、日本の家にありがちな
ごたごたは絶対にありません。
ではこのごたごたは何処にあるのでしょうか?
このお話しはまたこの次に。
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