日経記事;『バイエルの医療機器事業に買収提案 パナソニックヘルスケア、1000億円規模』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『バイエルの医療機器事業に買収提案 パナソニックヘルスケア、1000億円規模』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月28日付の日経新聞に、『バイエルの医療機器事業に買収提案 パナソニックヘルスケア、1000億円規模』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『医療機器大手のパナソニックヘルスケアホールディングス(東京・港)は独医薬・化学大手バイエルの医療機器事業の買収に乗り出す。血糖値の測定機器で買収額は1千億円規模の見通し。

バイエルは同分野で世界3位でパナソニックヘルスケアは機器の生産を受託してきた。買収で欧米やアジアに販路を広げ大手に対抗する。医療機器の世界再編が加速しそうだ。

パナソニックヘルスケアは昨年3月、パナソニックが保有株を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却した。現在KKRが8割を出資する。

バイエルが実施する入札にパナソニックヘルスケアが応募する。他社も応札するとみられる。買収額として1千億円程度を見込んでいるが交渉で増える可能性がある。

血糖測定器は糖尿病の患者が自ら採血して血糖値を調べる。バイエルの同事業の売上高は約1千億円。世界市場は約1兆円とみられ患者の増加に伴い年率10%程度伸びる見通し。

パナソニックヘルスケアは自社ブランドは持たずにバイエルなどにOEM(相手先ブランドによる生産)供給してきた。OEM分を含めてみるとパナソニックヘルスケアのシェアは国内が5割、世界で約2割だが販売網の拡大が課題だった。

パナソニックヘルスケアの2013年度の売上高は1149億円。血糖値測定器のほか薬用保冷庫、電子カルテなどが柱で、再生医療用の細胞培養設備も手掛ける。

バイエルは昨年、血管に管を通して血の塊を取り除くカテーテル事業を米社に約500億円で売却。重点領域の大衆薬は米メルクから約1兆7千億円で事業買収した。オランダのフィリップスも米国のカテーテルメーカーを約1400億円で買収するなど世界再編が広がっている。』


パナソニックは、ソニーと比べると一足早く集中と選択作業の効果が出始めています。現在の津賀一宏社長が3年前に「普通の会社」に戻すと宣言してから、2015年決算結果をみますと確実に
収益を出せる会社になりつつあります。

数字でみますと、パナソニックは2012年3月期、2013年3月期と2期連続で7000億円超の赤字を出しましたが、2015年3月期は連結純利益が前期比45.3%増の1750億円との見込みになっています。

現在、パナソニックは、汎用化が進む家電事業への依存度を下げて、価格競争力が強く安定した事業収益を稼げる業務用途事業の拡大を行っています。

具体的には、家庭やオフィス、自動車などのエネルギー、環境関連、あるいは医療用途の事業分野になります。

家庭やオフィスなどのエネルギー、環境関連事業では、パナソニックは3月25日に横浜市港北区の自社の工場跡地にスマートシティー(環境配慮型都市)を開発すると発表しました。隣接地には、米アップルが技術開発施設を建設します。2015年度に着工し、16年度に完成する予定とのこと。

また、パナソニックは、神奈川県の湘南(自社工場跡地)で開発を進めてきた環境配慮型都市(スマートシティー)「フジサワSST」(藤沢市)も本格稼働しています。

パナソニックは、これらの地域で発電、送電、電力消費の一連のプロセスを通じて、合理的な省電力化が行える仕組み(装置やソフトウエア、インターネット活用)の開発・実用化を行います。

これらの実証試験から、家庭やオフィスなどのエネルギーの消費抑制や環境対応の方法などについて、最適なやり方を可能にする仕組み作りを行って世界市場で事業展開することになります。

これらの領域は、パナソニックが経営の柱の一つとしてとして考えているものです。

これらの新規事業立上を短期間に行うために、パナソニックは3月26日に、通常の設備投資とは別に1兆円の投資枠を設定し、成長の柱と位置づける自動車や住宅関連事業で機動的なM&A(合併・買収)や大型の工場建設ができるようにすると発表しました。

M&Aの原資として、3月に4千億円の普通社債(SB)を発行しています。

いよいよ、パナソニックの積極的な新規事業立上のための施策実行段階に入りつつあります。本日の記事は、この一環となるものです。

パナソニックヘルスケアは、医療機器に関しては独バイエルンなどに対するOEM供給を行ってきました。

今回のバイエルンに対する買収提案は、パナソニックが世界市場で医療機器事業を本格展開する動きの一つになるとみています。

パナソニックがバイエルンの買収に成功すれば、既存医療機器と販路を自社内に取り込めることが可能になります。同時に、バイエルン従業員がもっている機器開発やビジネス展開などのノウハウも獲得することになります。

パナソニックがバイエルン買収と買収後の組織融合をうまく実行することを期待します。M&Aは短期間に新規事業立上や既存事業の強化を行うために有効な経営手法の一つです。この視点からも、パナソニックのM&A展開のやり方と効果の出し方について、大きな関心をもっています。

日立や東芝も積極的にM&Aを行っています。これらの大手電機機器メーカーのM&A活動の成果が出てくると、中小企業にとって良い参考事例になることによります。


さて、日本の大手電機機器メーカーでは、すでに日立や東芝は、集中と選択作業を終えて、環境やエネルギーなどの事業分野で結果を出しつつあります。

パナソニックは、一周分の周回遅れで集中と選択作業を行ってきましたが、2015年度から住宅・自動車・医療・関連するシステム開発などに集中投資して、業務用途事業分野を一気に強化する動きを取ります。

パナソニックの今後の動きに注目していきます。パナソニックの事業展開は、ソニーとの対比でもみていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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