- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
この家の場合、表通りからそのボリュームが小さく見える様にするため屋根勾配をぎりぎりまで抑えている。
大きな家に見えると泥棒に狙われやすいので、できるだけ小さな家に見えるデザインにして欲しいという建て主の要望である。
勾配が緩いので金属板の瓦棒葺きとなった。
ガルバはそれほど高くはないながら耐候性がよい。
さて、このように屋根が下屋となって外壁にぶつかる場合、納まり上、屋根の通気がここで止まってしまうことになる。
この場合、皆、屋根の通気を諦めてしまっている。
しかし、ここでは立ち上がりの外壁部分に2重の通気層を設けることでこの問題を解決している。
日本の伝統的な木造技術は木を腐らせないために空気が流れる<隙間>を作る技術だった。
高気密・高断熱工法はそれとは真っ向から対立するものととらえ拒否反応を示す設計者も未だに多いが、
きちんと「通気」を計画する、ということはそれ以前の木造住宅の基本なのである。