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丹下健三の写真・虚構と現実

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ものづくりの現場から


チェックしていた展覧会。やっと訪れることができた。

建築家・丹下健三自ら撮影した写真(白黒35ミリフィルム)を展示。
主に氏が30~40代の頃に撮影したもの。私も生まれる前の時代だ。
まさに、氏がどんな風景にピントを合わせていたのか、興味深い。

TVの特集番組で紹介されていた、建設中の広島平和記念館の前に広がる
墓地の写真は印象的であったのだが、この写真、丹下自らのトリミング
指定の赤い囲みが描かれている。思い入れがあった写真の一枚なのだな。
東京都庁舎(有楽町にあったかつてものの。)やイタリア旅行でのもの
など、同じカットを何枚も撮っているところは、興奮していたのだろう。
写真とは、被写体とともに、自らも写し込んでしまうところが面白い。

知らなかった事実もあった。
当時、劇団民芸の『法隆寺』という舞台装置の仕事をしている。
演劇の舞台とは、いはばバーチャル。建築というリアルとは真逆のはず。
この仕事を引き受けたのは、学生時代は映画監督志望であったので‥と。
ウ~む。
黒澤明ならぬ 丹下健三監督の『七人の侍』なんて、観てみたかったな。

ただ、写真の中の建築を単純に リアル とすることもできない。
写真の構造は、完全な光学的パースペクティブで構成されているもので
人間の視覚はもっと複雑で曖昧なものでもある。また、空間というのは
視覚だけではない、五感で感じ取るものでもあるはずだ。

そうなると、バーチャルとリアルの境界は、いったいどこにあるのかという
哲学的な迷路にはまってしまう。

昼飯は 六本木に来ると必ず立ち寄る 穴場のラーメン店。
カウンターに撮影禁止のサインがある。SNSにUPする輩がいたのだろう。
‥そうか。 味覚は 正真正銘 リアル ということね。

SOCIUS/TakashiIwama



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