日経記事;『車部品,ドイツ勢が主導運転支援や環境分野 ZF、大型買収/ボッシュは燃費向上』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『車部品,ドイツ勢が主導運転支援や環境分野 ZF、大型買収/ボッシュは燃費向上』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月17日付の日経新聞に、『車部品,ドイツ勢が主導運転支援や環境分野 ZF、大型買収/ボッシュは燃費向上』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『世界中で様々な自動車部品を供給するメガサプライヤーをめざす動きが広がっている。燃費向上に加え、運転支援など車のIT(情報技術)化が進むなか、欧州企業が業界再編などをしかける。

独ZFは米TRWオートモーティブの大型買収に動き、最大手の独ボッシュなどは事業領域を拡大している。新たな分野の実質的な「業界標準」づくりが始まっており、日本勢にも影響は大きい。

■あらゆる技術提供可能 「環境規制が厳しくなるなか、車の燃費向上に対応したあらゆる技術を提供できる」。ボッシュのフォルクマル・デナー社長はこう自負する。

代表がエンジンを小型にし出力をターボチャージャー(過給器)で補い燃費を高める「ダウンサイジング」だ。過給器と燃料を効率よく噴射する技術などをセットで収められる。独フォルクスワーゲン(VW)などドイツ車が先行するが、陰の主役はボッシュだ。

近年はIT分野に注力する。2月中旬、ベルリンで開いたイベントでボッシュ開発の情報端末「マイ・スピン」を初めて搭載した英高級車「ジャガー」の最新モデルを展示した。

スマートフォン(スマホ)で主流の2つの基本ソフト(OS)に対応、カーナビゲーションになり、音声入力でホテルやレストランの予約もできる。

こうした商品も自前で開発できるのがボッシュの強みだ。運転支援に必要なセンサーや機械、電子回路を組み込んだ「触角」に当たる微細デバイスにも強く、自動車関連の技術者の3分の1をソフトウエア関連が占める。デナー社長は「あらゆるものがネット接続される時代は商機」という。

ボッシュを追う独コンチネンタルは、2007年に独シーメンス子会社を買収しセンサー技術などを取り込んだ。ブレーキシステムやカメラなどと一体で提案、トラックの燃費を遠隔監視し効率的な運転方法を助言するサービスも手がける。

自動運転分野でも「データ管理やネットワークに強い米IT企業との提携が不可欠」(フランク・ヨーダン取締役)とIBMやシスコシステムズなどと組む。昨年は日本で公道実験も始めた。

そうした中、ZFはTRW買収に135億ドル(約1兆7400億円)を投じる。「ドイツの2強にどう追い付くかを考えた」とシュテファン・ゾンマー社長は語る。調査会社によると、13年度の自動車部品メーカーの売上高でZFは9位、TRWは10位だが、買収で一気に3位に浮上する。

ZFは祖業の歯車から発展した変速機や車の骨格となるシャシーの大手だ。自動変速機はセンサーで車外の情報を取り込み、効率的な走り方を支援し燃費を高める技術でも先行する。

車載用電池の開発など新分野も開拓してきたが運転支援は手薄だった。「自社開発では時間がかかる。中核のシャシーのシェアが下がる恐れがある」(ゾンマー社長)とエアバッグやブレーキ、危険検知のセンサーなど安全技術に強いTRWの買収を決めた。先行2社同様、多様な技術をセット提案する体制が整う。

■トヨタ系も再編で対抗 グループに部品メーカーを抱えるトヨタ自動車も欧州系部品メーカーの攻勢に神経をとがらせている。14年11月にデンソーとアイシン精機がグループ事業の統合を決めた背景に「ボッシュへの対抗」(幹部)があった。シートや変速機の統合もグローバルで勝てる部品メーカーを傘下につくる狙いがある。

トヨタが恐れるのは安全やエコカー技術で外部の部品メーカーに開発の主導権を握られることだ。車づくりの自由度を奪われるほか調達価格も高止まりしかねない。「グループ全体の競争力がトヨタの強み」(同)と、今後も資本関係のある部品メーカーの再編強化を進める可能性がある。

独部品大手に対抗すべく最近はグループの部品メーカーにトヨタ外への販売を促している。自動変速機ではアイシンの子会社がVWとの取引を拡大している。ライバルからも必要とされる部品メーカーづくりが目標だ。

車のIT化では米アップルやグーグルなどIT界の巨人のほか、画像処理などで半導体業界も巻き込み合従連衡が進む。どこが「標準」を握るのか正念場を迎えている。』


最近、ドイツ製造事業者の動きに関する記事が数多く掲載されるようになっています。ドイツは、政府がイニシアチブをとって、いわゆる「第4次産業革命」を積極的に展開しています。

第4次産業革命は、インターネットを介して工場内外のモノやサービスをつなげて、新たな付加価値を作ったり、新しいビジネスモデルを構築して収益源とする動きを総合的に指しています。

ドイツは、日本と同じように天然資源をもたない国であり、貿易を通じて経済の維持発展を行っています。

とくに、ドイツの製造業は強く、経済発展の核となっています。一方、ドイツの労働コストは総じて日本や米国より高くなっています。

これは、ドイツの社会保障制度が他国より手厚いことや年間労働時間が短いことなどによります。
ドイツの政策は、高い労働コストをカバーするために、製造業に付加価値を付けて、価格競争力を高めることにあります。

これが、第4次産業革命の必要性になります。インターネットは、製造業を含めたあらゆる産業のプラットフォームであり、これを積極的に活用して、ドイツ産業の革新をはかることになります。

とくに、ドイツ政府は製造業でのインターネット活用を強く意識しています。現在、ITは、米国政府や米大手ITベンダーに主導権を取られていますが、第4次産業革命でドイツが世界の主導権を取ることを目標としています。

自動車産業は、非常にすそ野が広く、多くの企業や従業員のビジネスや雇用を確保できます。従って、どの国も自動車産業の育成強化に力を入れます。

また、最近、この自動車産業にグーグルやアップルなどの米大手ITベンダーが参入しようとしています。テスラモーターズのような新興メーカーが、IT対応した電気自動車を開発・実用化して売上を伸ばしています。

家電商品などの電気電子機器では、マイクロソフトやアップルなどの米大手ITベンダーが仕掛けたインターネット活用により、既存事業基盤が大きく変わりました。また、アマゾンなどのネット通販事業者も、既存の小売事業の基盤を変えています。

このように、ITが自動車産業に入ってくると、既存事業基盤が大きく変わる可能性が高くなっています。

米GEは、IoT(Internet-of-Things)化対応を積極的に取っており、例えば、ジェットエンジンやガスタービンに多数のセンサーを組み込んで、収集したデータを活用することで機器の運用効率を大幅に改善できるようしています。

このGEの動きも、第4次産業革命の一つになります。

ドイツ政府が企業と共に第4次産業革命を起こそうとしているのは、当然、米大手ITベンダーなどとの競争に打ち勝つ狙いがあります。手をこまねいていると、米大手ITベンダーなどに製造事業の主導権を取られてしまうとの危機感もあります。

本日の記事は、独自動車部品メーカーが、IT化対応を含めた技術革新を起こして、世界市場で主導権を取る動きについて書いています。

自動車部品は、自動車を支えるプラットフォームになりますので、この世界市場で勝ち組になることは、自動車の性能を左右するコアの事業基盤を固めることになります。

トヨタ、ホンダ、日産自動車などの世界的な自動車メーカーを有している日本にとって、ドイツ部品メーカーの動きは、大きな脅威となる可能性があります。

とくに、グループ内に多くの部品メーカーをかかえるトヨタは、本気になって独自動車部品メーカーと競争することになります。

環境対応、自動ブレーキ、自動運転などの実現には、IoT対応した部品の開発・実用化が必須なことによります。これらの主要部品を海外勢に牛耳られると、当然、自動車の競争力や主導権を落とすことになるためです。

国内自動車メーカーは、今まで巧みに企業間連携・協業を進めてきました。今後、ドイツや米国のメーカーの動きに応じて、国内自動車業界がオールジャパン体制で、国内電気電子部品メーカーなども加えて、次世代自動車の開発・実用化に動き出すことを期待しています。

環境対応、自動ブレーキ、自動運転などの開発・実用化で得られる技術やノウハウは、日本の産業力全体の向上につながることによります。

今後、米、ドイツ、日本の自動車関連業界の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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