日経記事;『GLOBAL EYEIBM、巨象は再び踊るか 新事業モデルが握る未来』に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;『GLOBAL EYEIBM、巨象は再び踊るか 新事業モデルが握る未来』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月3日付の日経新聞に、『GLOBAL EYEIBM、巨象は再び踊るか 新事業モデルが握る未来』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『「オーケー、今日はIBMの将来の姿を明快に提示しましょう」。2月26日の投資家説明会。米IBMのロメッティ最高経営責任者(CEO)はさっそうと壇上に登場するなり、早口で猛然と話し始めた。

力が入ったのも無理もない。足元の業績は3期連続減収で純利益も2期連続の減益。前任者パルミサーノ氏が掲げた1株営業利益目標の20ドルの旗も降ろし、成長不安が高まっていた。

CEO就任から3年。世界のIT(情報技術)業界をリードしてきた名門企業の経営者としての力量に疑問符がつきかねない状況だった。

そこで、ロメッティ氏は大胆な目標を打ち出した。クラウド、データ分析、携帯・ソーシャル、セキュリティーの4分野の売上高を2018年までに400億ドル(約4兆7900億円)と今後4年間で150億ドルも積み増す計画だ。

全体の売上高も引き上げながら、重点4分野の全売上高に占める割合を40%超(14年は27%)にまで高める。そのために40億ドルを新たに投資する。

しかし、26日のIBM株価は1.2%安で引けた。実は今回の経営説明会に向け、関心を集めていたリストラ策にロメッティ氏が特にコメントしなかったためだ。

従業員の26%に相当する人員を削減する計画がIBMで進んでいる――。米誌フォーブスが1月22日に報じたのを契機に、にわかにIBMが大規模な組織見直しに踏み切るとの見方が米国で広がった。13年末の従業員数(約43万人)をベースにすると約11万人がIBMを去る計算になる。

同社は即、「ばかげた根拠のない噂にはコメントしない」と否定した。だが、大規模な人員削減の報道がそれなりの信ぴょう性を持って受け止められる素地はあった。

IBMが直面する試練の背景にはクラウド・コンピューティングの普及がある。顧客はネットワークを経由して安い価格でハード機器やソフトウエアの機能を利用することができるようになり、IBMの高額なハードやコンサルティングなどのサービスが不要となる。成長分野のクラウドはIBMにとってもろ刃の剣で、従来ビジネスのスリム化を迫るものだ。

IBMは過去にも新しいビジネスモデルに移行するため、一度はリストラに踏み切り、再生を果たした歴史を持つ。

巨額赤字に見舞われ崩壊寸前のIBMを復活に導いたガースナー氏は1993年のCEO就任直後に3万5千人の人員削減を発表。メーンフレーム(汎用機)中心からサービス主導のビジネスモデルへの転換を急いだ。従業員数は就任前の30万人から一時、22万人に減るが、退任時には31万人と就任前を上回った。

リストラはしないにこしたことはない。ただ、IBMという「巨象」を身軽にせずとも迅速に改革できるのか。ロメッティ氏の真価は新しいビジネスモデルで稼ぐIBMの姿を見せるまで定まらない。』


私は、ブログ・コラムで何度かIBMを取り上げています。これは、IBMのビジネスのやり方が国内企業(特に中小企業)にとって良い参考事例になることによります。

IBMは、かって米国の東部エスタブリッシュメントによる経営される代表企業の一つでした。IBMは、もともとタイプライターなどの事務機器メーカーから出発しています。

米国や世界市場の事業環境変化に伴って、IBMは柔軟に主力事業を整理・拡大してきました。IBMは、現在、世界市場をリードするIT企業の一つになっています。

IBMは、主に、コンピュータ関連のサービスおよびコンサルティングの提供と、ソフトウェア、ハードウェアの開発・製造・販売・保守、および関連するファイナンシングなどを主力事業としています。

昔のIBMは、コンピュータや半導体などに代表されるハードウエアのメーカーの色合いが強い時期がありました。

IBMは、現在のパソコンの基礎を作った企業として知られています。IBMのパソコンがベースとなって、オペレーティングシステム(OS)、ハードディスク、フロッピーディスク、RISCプロセッサ、RDBとSQL言語などを開発・実用化しました。

その後、1970年代以降、米国カリフォルニア州のサンノゼなどで起業したマイクロソフト、デル、コンパックコンピュータ、インテルなどのベンチャー企業に、パソコン事業の主役を奪われました。

片一方、IBMの主力収益源であったメインフレーム(汎用機を含む大規模コンピュータ)は、サンノゼの新興ITベンダーが打ち出したダウンサイジングの動きに抗しきれず、1990年代には「過去の遺物(レガシー)や滅び行く恐竜」と呼ばれ、IBMの業績は、急速に悪化しました。

当時のIBMは、アップルや韓国勢に後れをとったソニーやパナソニックなどの大手国内家電メーカーと同じでした。

このIBMの苦境を救ったのが、1993年にナビスコ社から引き抜かれたルイス・ガースナー新CEOでした。

ガースナーは、不採用事業のリストラ、独自システムと独自OSによる顧客の囲い込みのやり方からオープンシステムを採用したシステムインテグレーター事業への変換などの再建策を迅速に実行しました。

また、IBMはソフトウエア事業自体も見直して、アプリケーションソフトウエアを開発せず、ミドルウェアまでに集中して、外部のアプリケーション・ベンダーとアライアンス・連携を組んで、ユーザーにソリューションを提供するやり方に変えました。

その後も、IBMは、事業環境の変化に合わせて、集中と選択を行っています。例えば、2004年にIBMは、PC事業部を「Think」ブランドと共に、中国のレノボグループに売却しました。

当時、IBMはパソコン事業から収益確保していましたが、当該事業は汎用化して競争力を失うとして、高ブランドであった「Think}ブランドも含めて整理しました。

現在のIBMが直面している課題の一つは、事業基盤の一つであるサーバー機器の販売不振です。理由は明確です。

米大手ITベンダーであるアマゾン、セールスフォースドット・コム、グーグル、マイクロソフトなどが事業拡大していますクラウドサービスにより、IBMの顧客がサーバーを購入しなくなっていることによります。

IBMは、自らクラウドサービス事業を手掛けることにより、ソフトウエア事業やコンサルティング事業との複合技で、勝ち残ろうとしています。

IBMは、データセンター設置数を増やすことを重点的に行っています。2月26日に、クラウドサービス事業に40億ドル(約4700億円)の投資を実施すると発表しました。

また、人工知能であるワトソンを活用して、データ分析や各種サービス事業の新規立上げも行いつつあります。


このように、IBMと他の大手ITベンダーとの競争は、国内企業がIT事業環境下で変化が激しい時代に、競合他社に立ち向かう考え方ややり方について、大きなヒントを提供してくれます。

この視点から、今後もIBMの事業展開のやり方について、注視し分析していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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