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日経記事;『ヤマハ発が四輪車 19年めど、欧州で生産・販売 2人乗り、二輪技術生かす』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月27日付の日経新聞に、 『ヤマハ発が四輪車 19年めど、欧州で生産・販売 2人乗り、二輪技術生かす』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『二輪車世界2位のヤマハ発動機は2019年をメドに欧州で四輪車事業を始める。数百億円を投じて専用工場を建て、2人乗りの車を製造・販売する。

低燃費の小型車は生活の足として世界で需要が高まっており、二輪車の開発ノウハウが生かせる。小型車の普及が進んでいる欧州市場で参入する。日本企業で9社目の乗用車メーカーが誕生する。

柳弘之社長が26日、日本経済新聞の取材で表明した。かねて四輪車への参入方針を示していたが、具体的な事業計画を明らかにしたのは初めて。エンジンから四輪車を一貫生産する日本のメーカーは、同じく二輪車から1963年に参入したホンダ以来になる。

ヤマハ発が欧州で製造・販売するのは市街地での近距離利用などを想定した小型車。エンジンの排気量が1000ccのガソリン車と電気自動車をそろえる。

小回りが利き、運転手との一体感がある二輪車の設計ノウハウを取り入れる。「小型車に合った街づくりが進んでいる」とみて、まず欧州で発売する。

エンジンは自社で開発・製造し、電気自動車の動力源であるモーターや電池は外部から調達する考えだ。今後、工場の建設地や生産規模などの検討に入る。

ヤマハ発は四輪車用エンジンの開発・生産で1964年からトヨタ自動車と協力関係にあり、エンジンの製造技術を持っている。これまでに300万基以上をトヨタなどに供給した実績があり、現在もトヨタの高級車ブランド「レクサス」に納入している。トヨタはヤマハ発に3.6%を出資している。

調査会社のIHSオートモーティブは21年までに世界の自動車生産が年2100万台増えるとの予測の中で、小型車はその4割強を占め、新興国の需要も合わせて全体の伸びをけん引するとみている。

欧州の主要18カ国では13年の新車販売台数の4割をすでに小型車が占めている。2人乗りでは独ダイムラーが「スマート」(独での税込み価格は約1万2000ユーロ=約160万円)を販売中だ。』


ヤマハ発動機は、ホンダと並んで世界のオートバイ市場で勝ち組になっています。現在、ヤマハ発のオートバイは、アセアン域内を中心に、インドたブラジルなどで売れています。

今後、今までのオートバイビジネスの売れ方から、アセアン域内の中間所得層の収入が増えてくると、自動車への需要シフトが起こります。

日本、中国などの市場でも国民が豊かになると、庶民の足としての輸送手段は、二輪車(オートバイ)から四輪車(自動車)にシフトしていきます。

もちろん、二輪車需要をアセアン外のアジアやアフリカ地域に求めて、新規市場開拓を行うやり方で事業拡大することはできます。

ヤマハ発が自動車関連事業で、二輪車に大きく依存し続けることは、将来の発展を阻害することになるリスクがあります。

一般的に、移動手段の方法としての乗物でみた場合、二輪車より四輪車の方が安全であり、快適に運転を楽しめます。

上記のように国民が豊かになると、乗物需要が二輪車から四輪車にシフトすることは確実に起こりますので、将来的には二輪車需要が先細りになるのは明確です。

このようにみると、ホンダが約50年前に自動車市場に参入したことは、理にかなっており、現在のビジネス状況は、その経営判断が間違っていなかったことを証明しています。

ヤマハ発は、今まで自動車事業への参入も何度か検討され、市場開拓を行う話が具体的に出されたこともありました。

今回、本日の記事によると、ヤマハ発は、欧州市場へ小型乗用車で参入することを公式に発表したことになります。

ヤマハ発自身は、すでにトヨタ自動車やフォードにガソリンエンジンを供給していますし、過去に四輪モータースポーツに参加した経験をもっています。ガソリンエンジン車については、ヤマハ発は開発・実用化のノウハウをもっているとみます。

ヤマハ発が後発企業として四輪車市場に参入する場合、成功するためには、徹底的な差別化・差異化を可能にするものを顧客に提示する必要があります。

四輪車市場には、すでに多くのノウハウを蓄積し強力な競争力をもつ競合他社が数多く存在します。

自動車は、移動手段の道具であるのと同時に、趣味性を求められます。自動車のデザイン、エンジンの先進性や燃費、乗り心地(居住性)、運転のしやすさなど数多くの視点から優位性を出さないと市場では勝ち残れません。

アップルのように徹底的に洗練されたデザインと使い勝手を研ぎ澄ませられれば、既存競合他社から市場・顧客を奪い取ることが可能になります。

ヤマハ発は、欧州市場で市街地での近距離利用などを想定した小型ガソリンエンジン車で、排気量が1000㏄クラスにするとのことです。

若者や女性層に受け入れられれば、一定の需要獲得が見込めます。ヤマハ発は、とんがった(エッジのきいた)小型乗用車を出せるかどうかがポイントになります。

また、ヤマハ発は、小型の電気自動車も同じ商品コンセプトで開発・実用化するようです。電気自動車のバッテリーやモーターなどの主要部品は、外部から調達するとのこと。

欧州市場では、今後より徹底したCO2排出の削減などの環境対応が自動車メーカーに要求されますので、ヤマハ発は、電気自動車かハイブリッド車のラインナップをもつことが求められます。

ヤマハ発は、電気自動車を選ぶようですが、これについてもガソリン車と同じように強い商品力が必要になります。

今まで何度かブログ・コラムで書きましたように、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーが自動運転を引っさげて自動車市場に参入する可能性があります。

さらに、米テスラモーターズの動きに刺激を受けた企業が、電気自動車で新規に市場参入する可能性があります。

このように、今後の自動車市場は、既存メーカーに加えて、新規参入企業も入ってくることから、激戦状態になるとみています。

ヤマハ発の独自性や新規性が四輪車でどうのように発揮されるか注目していきます。また、ヤマハ発にとって新規事業となる四輪車ビジネスが、どのように展開させていくのか大きな関心をもって観察し続けます。

ヤマハ発が四輪車ビジネスを新規事業として成功すれば、中小企業にとって良い事例の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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