日経記事;『自動運転車、技術を共通化 トヨタ・ホンダ・東大など 安全確保に重点』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『自動運転車、技術を共通化 トヨタ・ホンダ・東大など 安全確保に重点』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月26日付の日経新聞に、『自動運転車、技術を共通化 トヨタ・ホンダ・東大など 安全確保に重点 政府、国際標準へ後押し』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車やホンダなど自動車メーカーは自動運転車の安全走行のカギを握る技術や部品を共同開発する検討を始める。

走行中に危険を察知するセンサーの技術や運転を制御するソフトの一部を共通化し、開発コストを下げる。米グーグルや独ダイムラーとの開発競争をにらみ、政府も東大などを巻き込んで共同研究拠点を新設し、競争力強化と国際標準づくりを後押しする方針だ。

経済産業省や国土交通省が月内に開く検討会に日産自動車などの自動車大手やパナソニックや日立製作所などの部品メーカーが集まり、検討を始める。政府は具体策を固め、6月をメドにまとめる成長戦略の柱とする。

日米欧の自動車メーカーは2020年をメドに自動運転車の実用化を目指し、開発競争を加速している。開発のカギとなるのは、センサーや制御ソフトの技術を確立し、量産体制を築くことだ。

自動車部品最大手の独ボッシュがセンサーを日米欧の自動車メーカーに納入するなど、技術や部品の量産で国内メーカーが劣っている面もある。

特に自動運転車を制御するIT(情報技術)では、地図や走行情報など各社が共通化できる分野が多い。デンソーや日立などの部品メーカーが系列を超えて納入できれば、車両の値段を抑えることも可能になる。

外部と通信でつながる自動運転車の制御装置には外部から不正な侵入も予想されるため、事故につながる侵入を防ぐ技術も共通化の対象となる。

自動運転の普及には道路などのインフラ整備も課題となる。渋滞や事故の情報をクルマに伝えるための道路上のシステムも官民で開発していく。

東大や名古屋大も共同研究に加わる。自動運転を可能にするには、過去の膨大な走行データを解析してシステムを築く必要がある。研究機関が解析などを担い、次世代技術の確立につなげる。

メーカーや大学による共同研究拠点には、高速道を模したテストコースなど実験施設の設置も検討する。高速道での走行が開発競争の焦点となっており、頻繁に試走できるコースがないと開発で後れを取る恐れがあるからだ。拠点の整備に向け、官民で100億円規模の出資も検討する。

自動運転車を取り巻く国際ルールの整備も課題だ。ドイツでは自国メーカーに有利な部品の安全基準を作る動きもある。

今後できあがる国際標準が欧米主導となると、国内メーカーが不利になる恐れもある。検討会ではメーカーが部品の仕様の統一を検討するほか、車の安全やITの法規制の国際標準化も議論する。』


自動車の自動運転は、米ITベンダー大手のグーグルが積極的に開発・実用化を行っています。カリフォルニア州は、グーグルの開発・実用化を支援するため、グーグルによる公道での実証試験を許可しています。

また、グーグルと競合する米大手ITベンダーのアップルも、自動運転の実現に向けて本格的に動き出そうとしています。

グーグルやアップルがなぜ自動車の自動運転事業を行おうとしているのか、現時点では不明な点があります。

しかし、過去にグーグルやアップル、あるいはアマゾン、マイクロソフトなどの米大手ITベンダーが国内家電AV機器メーカーの牙城であった領域に、デジタル化・IT化のやり方で、より高性能・より低価格化されたスマートフォンやタブレット端末などの電子機器を開発・実用化して、市場を奪い取りました。

これらの大手ITベンダーは、開発と商品企画、および販売を自社で行い、製造はEMS(Electronics Manufacturing Service。電子機器の受託生産を行うサービス提供者)に委託して行うやり方で事業拡大してきました。

もし、米大手ITベンダーが同じやり方を自動車業界に適用しますと、将来、多くの自動運転機能付自動車がこれらの企業から提供されるようになる可能性があります。

もしトヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーが米大手ITベンダーとの競争に負けると、トヨタでさえITベンダーの下請け企業(EMS事業者)になるリスクがあります。

ITは、今まで既存事業のやり方や仕組みを根本から破壊、あるいは変えてきました。上記家電AV製品の状況、インターネット通販の急拡大、インターネット広告費の急拡大など多くの事例があります。

グーグルやアップルは、スマートフォンやタブレット端末機器事業で成功したビジネスモデルを自動車に持ち込もうとしているとみます。

グーグルやアップルは、自動車をフルIT化して、一つのインターネット出口端末と考えている印象をもっています。自動車に搭載されるOSが重要なプラットフォームの一つになりますので、両社はこれをおさえうようとして、今後さまざまな実証試験を積極的に行っていくとみます。

OSを抑えれば、そのプラットフォーム上で動くアプリケーションソフトの提供、検索機能と連動した広告事業などを通じて収益拡大が図れます。

今までトヨタは、安全走行に対する担保などを考慮して、自動運転に対して消極的でしたが、最近、自動ブレーキの実装を含めて積極的姿勢に変更しています。

これは、米大手ITベンダーに先行されると、自動運転で先を越されて、事業の主導権をすべて米国勢に取られてしまうリスクが非常に高くなることによります。

さらに、自動運転は、ドイツ政府や大手自動車メーカーであるダイムラーなどが積極的に対応しつつあります。

ドイツは、現在、政府が主導して「インダストリー4.0;第4次産業革命」を製造分野に導入しようとしています。インダストリー4.0は、インターネットを介して工場内外のモノやサービスがつながり、今までにない価値を生み出したち、新しいビジネスモデルを構築したりすることを目的とするとされます。

インダストリー4.0は、IoTを工場に導入し、作る現場から変えて、インターネットですべてつなぐことで、付加価値を高めていこうとするものです。

自動運転機能付自動車は、当然のごとくインダストリー4.0の格好の対象になります。

このようなビジネス環境下で、国内自動車メーカーが国内関連企業と共に、自動運転の実現に向けて、部品、装置のレベルから、共同で開発・実用化の作業を行うことは、重要になります。

自動運転の実現は、安全走行の担保という非常に重要かつ、難しいハードルを超える必要があります。

部品や装置、あるいは搭載されたソフトウエアのバグやミス、インターネットの安定した接続性の担保、道路状況による負の影響の排除など、多くの課題を解決・実用化する作業が発生します。

1社単独で自動運転の開発・実用化を行うことは、不可能です。その視点からみますと、トヨタやホンダが中核となって、関連技術やノウハウを持ち寄って、共同作業で開発・実用化を進めながら、世界市場で勝ち組になるために、米欧の関連企業と協力して、国際標準化を進めることは
大きな意義があります。

米欧と協力して、国際標準を作るには、私の標準化作業の経験を含めていいますと、国内企業が自術開発を先行して行い、情報やノウハウ提供しながら、仲間作りを行っていく必要があります。
また、国際標準化作業は日本政府の強力な支援も必要になります。

国内の自動車関連企業は、今まで業界共通の課題に対して、柔軟に連携・提携を行ってきました。
主要部品の一つであるセンサーデバイスなどの部品メーカーも加わる必要があり、本日の記事では、日立製作所やパナソニックの名前が出ています。

この連合体には、最近、CMOSセンサーの自動車用途への応用を表明したソニーも加わると考えています。

今後の米欧企業との開発・実用化競争は熾烈になりますが、国際標準化を上手く絡めて国内企業が主導権を取って、自動運転の実現に向けて動くことを期待しています。

自動運転については、今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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