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日経記事;『新エコカー、燃費40キロ トヨタ、年内に投入 マツダも開発』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月21日付の日経新聞に、『新エコカー、燃費40キロ トヨタ、年内に投入 マツダも開発』のタイトルで記事が掲載されました。
 
本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車はガソリン1リットルで40キロメートル超を走るハイブリッド車(HV)の新型「プリウス」を年内に発売する。10年前と比べて燃費を3割超改善する。マツダも新型ガソリンエンジンの搭載車を2020年にも投入し、同40キロを目指す。

欧州など世界各地で自動車の環境規制が強化されるのに備える。すでに最高水準にある燃費技術を一段と高め、海外大手とのエコカー開発競争で優位に立つ考えだ。

米調査会社のIHSによれば15年の世界の自動車市場は8860万台。このうち約9割(台数ベース)がエンジン車とされ、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)が占める比率は小さい。

今後成長する新興国で高いシェアを確保するにも低燃費技術が欠かせない。海外勢は独フォルクスワーゲン(VW)の「アップ」の現行車種が1リットルで23.1キロメートルと、日本メーカーとは差が大きい。

トヨタが今冬に発売する4代目プリウスは現行車(32.6キロメートル)より走行距離を2割以上伸ばして40キロメートル超とする。03年発売の2代目プリウスと比べれば3割超の改善だ。小型HV「アクア」(37キロメートル)や軽自動車を超え世界最高水準となる。

ハイブリッドシステムには現在のニッケル水素電池に加えて小型で高出力のリチウムイオン電池も採用する。価格は現行車と同水準(約223万~約343万円)を目指す。

家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)でもバッテリーだけで走る電動走行距離を現行の2倍以上となる60キロメートルにする。

マツダは高温高圧でガソリンを効率よく燃やし、燃料消費を抑える新エンジン技術を導入して現行車よりも燃費を3割以上改善し、有害物質の排出も減らす。同社は高出力・低燃費の独自の環境技術「スカイアクティブ」を小型車「デミオ」などに採用している。この次の技術と位置付け、20年の実用化を狙う。

ホンダもエンジンの手前であらかじめ空気と燃料を混ぜて点火プラグで燃焼効率を高める技術の実用化を急ぐ。日産自動車も電気自動車「リーフ」で培ったバッテリー技術を生かした小型HVの開発を進めている。スズキとダイハツ工業も軽自動車で40キロメートルの燃費を目指している。

今後、環境規制が厳しくなるなか、世界の自動車メーカーはガソリン車やHV、EV、FCVなどに全方位で経営資源を投入するのは難しい。

トヨタと独BMWは11年に環境技術で提携した。日本勢が燃費や排ガス規制への対応で先行すれば次世代環境技術を軸に海外大手との提携が進む可能性がある。』


技術革新は、競合他社間の激しい競争や、市場や社会の強い要求・需要を満たすため起こります。一般的には、無競争や社会ニーズがないところに技術革新は起こりません。技術革新がなくても企業が一定規模の収益確保ができることによります。

地球の環境問題、特に二酸化炭素排出量増加による温暖化対策は、まったなしの状況になりつつあります。

今まで地球規模で行う環境対策に消極的であった米国、中国、インドなどの二酸化炭素排出を大量に行っている国々でさえ、二酸化炭素排出量削減のために燃費性能向上を数値目標し始めています。

本日の記事によると、世界で燃費などの環境規制が強化されます。例えば、以下の通りです。

・日本;2020年に1リットルあたり20.3キロメートルの燃費
・EU;2020年に走行1キロメートルあたりCO2排出量95グラム以下
・米国;2025年に1ガロンあたり54,5マイル
・中国;2020年に1リットルあたり20キロメートル
インド;2021年に走行1キロメートルあたりCO2排出量113グラム以下

自動車の世界市場では、今後、中国やインドの重要性が増します。これらの巨大市場で、シェアを獲得するには、上記目標を意識した次世代環境対応車の開発・実用化が不可欠です。

国内自動車メーカーは、環境対応車で世界最先端を走っています。本日の記事は、トヨタは、ハイブリッド車を武器に、更なる燃費性能改善を目指して、次世代プリウスを2015年から販売します。

また、ガソリン車の燃費性能改善も当然進めていきます。ホンダ、日産自動車、マツダ、富士重工業などの他の国内自動車メーカーも同じ動きをかけています。

国内自動車メーカーが、更なる環境対応車の開発・実用化で世界市場で勝ち組になることを期待しています。


さて、米国の場合、シェールオイルの産出や石油の販売価格下落で、短期間には燃費性能の低い大型車に人気が出ています。しかし、中期的には米国市場でも上記規制の達成のために、環境対応車の開発・実用化が進みます。

例えば、米国内では、同時にカリフォルニア州やニューヨーク州などでは自動車の排ガス規制強化を明確に打ち出しています。

特に急先鋒のカリフォルニア州は、2040~2050年には、完全なZero Emissionn Vehicle(ZEV)がほぼ100%にすることを目標にしています。

最新状況では、2018年から市場で販売される自動車に関して、ZEVの定義を変える指針を出しました。これは、ZEVの定義を変えることです。

新ZEVの定義は、以下の通りです。

(1)ZEV;バッテリーのみで駆動されるBEV(Battery EV::電気自動車)とFCEV(燃料電池車)
(2)TZEV(Transient ZEV::プラグインハイブリッド車)
(3)今までZEVとして認められてきたハイブリッド車は、ZEVから外される。

この新ZEVは、今までZEVの適用企業であったLVM(Large volume manufacturers::大手自動車メーカー;トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、クライスラー、フォード、GM)に適用されます。

また、カリフォルニア州が販売台数制限値を下げたために、今まで規制対象メーカーでなかったBMW、現代自動車、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲンなども対象になります。

トヨタ自動車の場合、プリウスがZEVから外れることになります。プラグインハイブリッド車か燃料電池車が対象になります。

トヨタは、米国市場への対応として、短期間にはプラグインハイブリッド車の技術革新を進めると共に、中期的には燃料電池車の販売台数を増やすための施策(水素ステーション設置数の拡大など)を進めることになります。

ホンダや日産自動車も同じ状況になります。

電気自動車では、カリフォルニア州の地元メーカーであるテスラモーターズが電気自動車に特化して、技術革新を進めており、ZEV対応車としての優位性を確保する動きをしています。

国内自動車メーカーにとって、米国市場は最重要であることは確実です。上記カリフォルニア州の動きは、ニューヨーク州やニュージャージー州などでも同じように起こります、

より厳格な環境規制は、今まで各種の規制をクリヤーしてきた国内自動車メーカーには、大きな新規事業機会獲得になります。

本日の記事にありますように、トヨタが「プラグインハイブリッド車(PHV)でもバッテリーだけで走る電動走行距離を現行の2倍以上となる60キロメートルにする。」ことは、その対策の一つになるとみています。

このように、世界市場で環境対応が求められていることは、自動車に搭載されます部品、装置などに大きな技術革新のトリガーをかけることになります。

実際、部材、部品、装置、組み込み用ソフトウエアなどの事業分野で大きな技術革新が起こりつつあり、多くのベンチャーや中小企業にも新規事業機会獲得の可能性が高まっています。

自動車産業はすそ野が広く、この事業分野で環境対応関連の大きな技術革新が生まれることは、大きな経済的インパクトがあります。

今後の自動車メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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