「はい、ただいま参ります!〇〇さん、10番テーブルのお客様、宜しくお願い致します。」
私が、追加注文をしようとホールスタッフを探していたときです。
キッチンに向かって作業をしていたため、私の席の方には背中を向けていたホールスタッフは、私の視線には気がつきませんでした。その代わりに、私の姿が見える位置にいたキッチンスタッフが、すぐに私の視線、様子に気がつき、そのホールスタッフに指示をしてくれたのです。
この店は、私がいつも絶賛している吉祥寺のイタリアン「MOTHERS」です。
このMOTHERSは、オープンキッチンになっており、客席とキッチンの間には壁もガラスもありません。もちろん、料理をセットしたり、ホールスタッフに渡したりするためのカウンターはあります。まあ、イタリアンやピッツエリアにはよくある、さほど珍しくは無いレイアウトです。
しかし、この店のこの一体感あふれる空間は、他の店とはひと味違います。
どの店よりも、キッチンスタッフのホールへの注意力が鋭いのです。
いや、どこのレストランでもオープンキッチンのお店では、キッチンスタッフはお客様の様子をよく見ていると思います。
それが、オープンキッチンであることの意味でもあるからです。
しかし、それでもこの店のキッチンスタッフの意識レベルはやはりひと味違う、と私は感じるのです。
これは私の勝手な解釈ですが、この店のホールスタッフのきめ細かい、気配り心配りの行きどいた接客は、このキッチンスタッフの存在が大きく助けになっているのでは無いかと思うのです。
この店のキッチンスタッフが、キッチン作業をしながらも、ホールの隅々まで目を行き届かせているお陰で、ホールスタッフは、安心して今自分がしているお客様への作業に集中出来ているのだと思うのです。集中しているからこそ、目の前のお客様へのきめ細かいサービス出来るのです。
ホールスタッフは、たくさんの作業を担当しています。
ただ出来上がった料理をお客様のテーブルに届けるだけが仕事ではありません。
高い接客レベルを実現しているお店では、360度全てのお客様の様子を把握した上で、先手先手を打ってお客様のところに伺います。決して、お客様が「すみませ~ん」とは言わせないのです。
しかし、それを実現させるために、数多くのスタッフをホールに配置する訳にも行きません。
そこまで人件費を掛けてしまっては、料理の価格を上げなくてはならなくなるからです。
リーズナブルな価格で料理を提供しようとすると、必然的にホールスタッフは、ギリギリの人数でこなすことが求められます。
その為、ホールスタッフの仕事量は、とても忙しくなりお客様の視線や様子に気がつかないこともあるのです。
そんな時に、キッチンスタッフが、いつもホールの隅々まで視線と神経を張り巡らせていると、心置きなく目の前のお客様の集中出来るので、いつもの素敵な接客が提供されるのです。
この店を見ていると、(私の勝手な思い込みではあるのですが・・・)そんなスタッフ同士の素晴らしい信頼感あふれたチームワークを感じるのです。
飲食業の仕事は、「空腹を満たす」ことだけではありません。
その店の料理、空間、そして人が提供するホスピタリティを持って、そのお客様を幸せにすることが仕事なのです。
キッチンスタッフは料理を作ることだけ、ホールスタッフは、料理を運ぶだけ・・・
自分の仕事は、自分の仕事だけをしていれば良い・・・
そう思っているスタッフがいる店は、残念ながら、お客様に喜んでいただけるような幸せは提供出来ません。
だから、お客様は何度も何度も足を運んでは下さいません。
スタッフ全員で、お客様をおもてなししよう、全員でお客様の幸せを考えているからこそ、この店のような素敵な接客、美味しい料理が提供出来るんだと思うのです。
もしも、あなたの周りに「仕事が辛い」とか「自分の仕事はこれだけでいい」と言うまちがった自分軸の仲間がいたら、ぜひ、このような素敵な店があることを教えて上げて下さいね。
きっと何か気がつくことがあるでしょう。
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