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日経記事;『東南ア経済 底堅く 昨年、4ヵ国が5%超成長 原油安で消費が支え』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月18日付の日経新聞に、『東南ア経済 底堅く 昨年、4ヵ国が5%超成長 原油安で消費が支え』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東南アジア経済が全般に底堅い成長を続けている。主要6カ国の2014年の実質国内総生産(GDP)の増加率が17日に出そろい、このうち4カ国は5%を超える高い水準となった。

中国の成長鈍化などによる輸出の減速や政情混乱に伴う投資受け入れの伸び悩みで景気は調整局面を迎えたが、14年半ばからの原油安を背景に堅調な消費が下支えした格好だ。

14年の成長率は、市民を巻き込んだ政治勢力間の衝突や軍事クーデターの影響で投資が滞ったタイ、外需低迷で製造業が伸び悩んだシンガポールで大きく落ち込んだ。

人口の多いインドネシアやフィリピンでも前年の成長率を下回ったが、水準は5%を超えた。ロシア、ブラジルをはじめとするほかの主要な新興国が低迷する一方、東南アジアの底堅さが際立つ。

東南アジア経済を支えたのは堅調な消費だ。14年の成長率が前年を上回った2国のうち、5.98%だったベトナムは、韓国のサムスン電子など外資系製造業による輸出が好調。

さらに国内では前年比43%増の販売台数の新車など高額品の消費が支えた。マレーシアも主に公務員の堅調な消費が成長率を押し上げた。

フィリピンは14年通年で成長が鈍化したが、同年後半に持ち直した。前半はインフレの進行で消費がやや鈍った。しかし、後半には原油安で輸入インフレの圧力が弱まり、消費意欲が回復した。フィリピンは海外で働く家族などからの年3兆円近い送金が個人消費主導の成長を支えている。

インドネシア、タイでは政情混乱が投資減速を招き、成長率を押し下げた。インドネシアは14年に5%超の成長を保ったが、投資の伸び率は4.12%で前年の5.28%を下回った。

14年7月の大統領選挙前後に外資が様子見の機運を高めたためだ。タイでも前政権下で投資が滞り、成長は急減速した。その後、インドネシアはインフラ投資予算を積み増し、タイも最悪期を脱しつつある。

東南アジア主要国の当局は15年も堅調な経済成長が続くと予測する。原油安の恩恵で物価上昇ペースが鈍り、消費が勢いを増すとの見立てだ。

シンガポール当局は物価安定を受け、1月に金融政策を緩和方向に見直した。原油安で景気刺激策を打ち出す余裕が生じたことも好材料だ。

消費主導の成長にはリスクもある。産油国マレーシアは原油安による歳入減で財政悪化が憂慮されている。通貨リンギの下落が物価上昇につながる可能性もある。4月には税率6%の消費税を導入する予定で、消費の腰折れを招くことも考えられる。

インドネシアも財政収支、経常収支の双子の赤字で通貨安が続いており、不意の物価上昇に見舞われる懸念は残る。』


本日の記事は、東南アジアの最新の経済状況について書いています。東南アジアというよりは、アセアン域内国である、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンの経済状況なっています。

最近、特に中小企業がアセアン域内でのビジネス展開について大きな関心をもっています。当該地域の経済状況やビジネス展開に関する課題や対応、工場建設や販売体制の構築などについて、質問を受けたり、支援要請があったりしています。

何故これほど多くの中小企業がアセアンに大きな関心をもっているかと言いますと、国内市場中心に事業継続しても、今後、収益拡大の実現が困難になるとみていることによります。

国内市場は、短期的には需要拡大しても、長期的には、中間所得層のベースとなる15歳から64歳までの生産年齢人口が減少し続けることで、一般消費者市場および業務用途市場が縮小していくことは、残念ながら確実です。

中小企業が中堅や大手企業との競争を避けて、勝ち残っていくには、中小企業以外の企業が参入しても収益を取れないニッチ市場でオンリーワンの立場を構築する必要があります。オンリーワンは、競合する他の中小企業にも圧倒的な差をつけることで実現できます。

しかし、中小企業が一生懸命努力して構築したニッチ市場が、国内市場全体の縮小に伴って縮んでいくと、収益確保や拡大に大きなマイナス影響を与えます。

今、多くの中小企業がこの市場縮小問題に直面しつつあったり、将来必ず直面するとの予想をもっています。このような中小企業が私にコンタクトして来ます。

国内市場でオンリーワンの立場を確立していたり、長期間厳しい国内市場で勝ち残ってきた、あるいは生き残ってきた中小企業は、必ず他社にないものをもっています。

このような何らかの形で競争力をもっている中小企業は、自社の強みを最大化できる事業領域をアセアンで見いだせれば、事業拡大できる可能性が高くなります。

製造事業者の場合、アセアンに対する事業は、国内からの輸出か域内に工場建設を行って販売するかどちらかのやり方になります。

何故上記のような中小企業がアセアン市場で成功する可能性が高くなるのでしょうか。それは、アセアン全体でみると、上記で述べた生産年齢人口が増加し続けることによります。

生産年齢人口が増加すると、消費者市場の中核を構成する中間所得層が拡大することによります。この典型的な例がタイになります。

日本の製造事業者は、自動車および電気電子機器を中心に、過去50年ほどタイに集中して投資してきました。

その結果、タイには日本と同じような産業集積が構築でき、6次下請けまでできるようになっている業態もあります。いわば、東京の大田区や墨田区などの中小企業群がバンコク周辺に集中しているような状況になっています。

この結果、タイは製造業を中心に経済発展をとげており、失業率は1%台になっており、ほぼ失業率がゼロになっています。労働者賃金も一定の上昇をしていますので、中間所得層、つまり生産年齢人口層が大きな消費者市場を作っています。

タイは、今まで行ってきた投資優遇制度(BOI)を2015年初めから見直しました。今までのBOIでは、製造事業者の場合、どの業種でも投資優遇策の対象でした。

これが2015年初めから、ハイエンドの製造事業のみがBOIの対象となっています。医療、バイオ、環境などが対象事業です。

つまり一般の製造事業に対する海外からの投資は、もう必要ないとの判断になっています。今のタイは、消費者市場としての魅力が高いのです。タイの生産年齢人口は、今後減少していきますが、2050年ころまでは消費者市場としての魅力をもち続けます。

現在、国内の製造事業者が大きな関心をもって新規投資を考えている国は、ベトナム、インドネシア、フィリピンです。特にベトナムに対する関心が非常に高くなっています。

ベトナムは、現在9千万人の人口をもち、増え続けています。将来1億人を超えると予想されていることと、労働者賃金がインドネシアやフィリピンよりも低いことにあります。また、ベトナムは親日的であることと、勤勉さである国民性も評価されています。

もちろん、ベトナムは道路・港湾・電力などの社会インフラがまだぜい弱ですので、タイと同じような事業環境になっていないことを考慮する必要があります。

ベトナムほどではありませんが、インドネシアやフィリピンも、多くの中小企業が関心をもっています。共通するのは、大きな人口と高い増加率です。労働者賃金は、ベトナムより高いですが、タイより安い状況になっています。但し、インドネシアでは、政府の支持もあって毎年二桁以上の率で賃金上昇していますので、この国への投資を考えるときに、注意する必要があります。


一方、アセアン域内での事業展開や投資を考えるときに、2015年末までに実施される予定になっています経済統合の影響をみる必要があります。

経済統合は、ヒト・カネ・モノの移動の自由化が大きな目的の一つになっています。モノでみますと、基本的にはアセアン域内での移動に関税がかからなくなります。

物流コストを除けば、アセアン域内で作った商品は、関税なしで自由に輸出入ができることになります。

今まで海外需要を獲得するには、対象市場の近くに製造拠点を行うやり方が必要であると言われてきましたが、アセアン域内では、どこで作っても対象市場の近くになります。例えば、ベトナムで作った商品をタイで売る仕組みになります。

このように、経済発展しつつあるアセアンで事業する、あるいは投資する場合、最近および今後の状況について、各国の経済・投資優遇制度・社会インフラ・政治的安定性、アセアン全体の動きなど多方面から「線」ではなく「面」のポイントから、情報収集・分析して、しっかりとした事業計画(主に行動計画)を作成して実行するが重要であり、必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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