日経記事;『米流通再編 アマゾン震源 家電量販2位ラジオシャック破綻 ネット、実店舗のむ』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米流通再編 アマゾン震源 家電量販2位ラジオシャック破綻 ネット、実店舗のむ』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月7日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY 米流通再編 アマゾン震源 家電量販2位ラジオシャック破綻 ネット、実店舗のむ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『米流通業界に再編・淘汰の新たな波が押し寄せた。家電量販2位のラジオシャックが5日、経営破綻し、残る家電量販大手はベストバイだけとなった。

1990年代の米流通再編の火付け役は、圧倒的な安さで業容を拡大したウォルマート・ストアーズ。その役割は今やネット通販で急成長するアマゾン・ドット・コムに移った。米流通再編のうねりは日本の未来も暗示している。

ラジオシャックは流通再編の波にのみ込まれた。

「もう店じまいだ。たたき売り? そう思ってもらってかまわない」。ニューヨーク・マンハッタンのラジオシャック店の店員はあきらめ顔だ。

ラジオシャックは5日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請した。全米の店舗網は4000店余り。

日本のコンビニほどの広さしかないが、知識豊富な店員を集めて人気を誇った。77年にはパソコン、86年にはモバイル機器の販売を真っ先に開始。マニア層を囲い込み、大手の量販店に対抗してきた。

米家電量販に淘汰の波が訪れたのは2000年代後半。コンプUSAなどが07年、サーキット・シティが08年に相次ぎ破綻に追い込まれた。

当時のライバルは、米デルと組んでパソコンや家電販売を始めたウォルマートだった。固定客を武器に米家電再編第1波を生き延びたラジオシャックだが、その裏で第2波が忍び寄っていた。今度の震源はアマゾンだ。

アマゾンは1999年に家電に参入。徐々に勢力を伸ばし「家電・雑貨」は売上高の68%を占めるまでに成長した。ラジオシャックなど実店舗は近年、顧客が店頭で実物を確認し、ネットで購入する「ショールーミング」にも手を焼いていた。

全米小売業協会(NRF)によると、14年の米年末商戦期(11、12月合計)の小売売上高は前年同期と比べ4%増の6161億ドル(約72兆円)。ネット通販だけなら7%増の1019億ドル。初めて1000億ドルを突破し、全体の17%を占めた。

ネット通販の覇者アマゾンの脅威にさらされるのは家電だけではない。

総合小売り大手シアーズとKマートはかつて、ウォルマートに追い詰められ05年に合併した。立て直しに出たのもつかの間、ネットに顧客を奪われて再び業績が悪化。米国内では破綻懸念もくすぶっている。

米文具最大手ステープルズは同2位オフィス・デポを買収する。発端は、これ以上ネットの勢力と戦えないとみた両社の大株主であるヘッジファンドの提案だ。想定する統合効果は3年以内に10億ドル。浮いた資金をネット対策につぎ込む考え。

安売りのウォルマートに挑んだ激安店も、ネットの脅威から逃れられない。金融危機以降の景気後退局面で急成長し、日本の100円ショップに当たる米「1ドル店」だ。業界2位ファミリー・ダラーと同3位ダラー・ツリーは1月、合併で合意した。

合併費用は85億ドル(1兆円)。「庶民の味方」というイメージもかすむ巨額合併だ。アマゾンなどが配達費用を削減して雑貨の販売を伸ばしていることに対抗する。

再編第1波の仕掛け人であるウォルマートもアマゾンの脅威に身構える。シリコンバレーに大型の研究施設を設置し、2千人以上のIT(情報技術)技術者を集めた。アプリ開発などネット対策に力を入れる。

本社近くのアーカンソー州ベントンビルにはIT戦略の司令塔「イノベーションズ・ラボ」を置いた。アマゾンを軸に、関連業界の戦略や勢力図が様変わりしようとしている。』


インターネット通販事業の拡大が続いています。米国では、アマゾンが仕掛けたネット通販事業が最も活発化しています。

米国の小売市場は、2011年~2012年の時点で、実店舗の売上が年6~8%の成長率であるのに対して、小売業におけるオンライン販売(ネット通販;旅行、金融商品、チケット販売を除く。)の売上が年12~17%増で成長していました。この時点でのネット通販の売上構成比率は、全売上の5~6%でした。

この数字を最近の2014年末の年末商戦の状況と比較しますと、全米小売業協会(NRF)がまとめた昨年11~12月の小売売上高(飲食、自動車、ガソリン除く)は、前年同期比4%増の6161億ドル(約72兆円)であるのに対して、ネット通販売上は1019億ドルとなりましたので、ネットの売上構成比率は、全体の16%強となります。

2012年から2014年にかけて、ネット通販の売上構成比率が約3倍の16%に増えたことになります。

このような事業環境になれば、小売実店舗事業が大きな影響を受けることになります。本日の記事は、米家電量販2位のラジオシャックが経営破綻したことについて書いています。

残る家電量販店は、ベストバイのみになります。

米国では、ここ2~3年で多くの業界2位の書店企業など実店舗事業者が倒産してきました。何れもアマゾンなどのネット通販事業者に顧客を奪われたことによります。

ネット通販事業は今後も伸びていきますので、ますます実店舗事業者の経営は厳しさを増していきます。

現在の米国市場の状況は、明日の日本やアセアン地域の状況になります。日本では、楽天、アマゾン、ヤフーなど数多くのネット通販事業者が積極的にビジネスを行っており、米国と同様に小売市場では、ネット通販の売上が急速に伸びています。

家電量販店の動きをみますと、例えば、ヨドバシカメラは積極的にネット通販事業を拡大しており、自前で物流センターをもったり、あるいは、家電以外の商品も取扱うなどしています。

ヨドバシカメラの場合は、実店舗とネット通販を融合化して相乗効果を上げるやり方(いわゆるオムニチャネルで、実店舗とネット通販のすべてのセールスチャネルを通じて売るやり方)で事業拡大を図っています。

日本では、小売業界のトップ企業であるセブン&アイホールディングスが、積極的にオムニチャネル事業を行っています。

アセアン地域でも、ネット通販事業は大きく伸びています。安いスマートフォンが急速に普及していることで、パソコンに加えてインターネットの出口端末が急拡大したことが後押ししています。

ネット通販事業は、BtoCタイプの事業で良く使われています。最近、活性化していますのは、国内中小企業が、アマゾン、楽天などのネット通販のプラットフォームを利用した海外(特にアセアン地域向け)市場・顧客向けネット通販事業です。私も何社か支援しました。

ネット通販事業は、企業から顧客に対する直販になります。実店舗をもたない、あるいは卸や特約店に依存しない形で販売できますので、収益率は一般的に間接販売よりも高くなります。

また、もっと良い点は、ネット通販では自社で顧客向け販売価格を決められることと、顧客の反応を直接理解できることです。

ネット通販のPOSデータから、顧客管理、販売実績、他社データとの比較なども、ほとんど手をかけずに自動化して行えることも大きな魅力です。

会社の知名度や商品ブランド名などが上がってくれば、楽天やアマゾンなどのネット通販専業事業者のプラットフォームを使わなくても、自社の通販サイトから売上を確保できるようになります。

アセアン地域などの海外展開も基本的には、国内市場と同じやり方でネット通販ができます。海外市場の場合、会社の知名度や商品ブランドが認知されるまで、アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者のプラットフォームを使った方が、顧客の信頼度を得やすくなります。

また、最近、BtoB用途のビジネスでも、ネット通販のプラットフォームが良く使われるようになってきました。

国内の中小企業がBtoB用途で海外市場開拓を行う場合、まずはアマゾンや楽天利用から始めた方が無難なようです。

これは、海外市場では無名な企業が多いこと、物流機能の確保、支払(決済)機能の確保など、始めからすべて自前で行うと負担が重くなることによります。

会社の知名度や商品ブランドが向上して、安定的な需要が見込めれば、物流会社との提携・協業や、クレジットカードなどの決済機能をもつことで、自前の通販サイトから販売できます。

ネット通販事業を始める前から、海外市場・顧客から会社知名度があり、商品ブランドも知られていれば、自前のWebサイトからネット通販事業を行うことが可能になります。

例えば、株式会社メトロールがあります。この会社は、工業センサーに特化した専業メーカーで、「精密位置決めスイッチ」などの商品で、世界のメーカーに知られています。この会社はたびたびマスコミに取り上げられています。
URL; http://www.metrol.co.jp/ 

メトロールは、海外顧客に対して自社のサイトからネット通販で売上ています。決済は、クレジットカードやPayPalなどを使っています。


このように、国内の中小企業は、もっとネット通販の仕組みを利用して、国内およびアセアンなどの海外の市場・顧客開拓を積極的に行うことが重要であり、必要になっています。

自社の状況にあわせて、BtoC・BtoBの両用途でアマゾンや楽天などのネット通販専業事業者の通販サイトを利用したり、自社のサイトから販売するやり方でビジネスを伸ばす積極姿勢が求められます。

アマゾンや楽天などのネット通販専業事業者の事業収益の動きは、ネット通販事業に対する需要やニーズを知るためのバロメーターになります。ネット通販事業は、まだまだ拡大していくことは、確実です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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