「あ、あのこちらのご先祖に橘咲さんって、いませんでしたか?」
「いましたけど」
「良かったらお話を聞かせてもらえまえせんか?お時間は取らせませんので」
「どうぞ」
平成の医者が幕末にタイプスリップし、幕末にはあり得ない
「ペニシリン」、「開腹手術」、「ビタミンB」を広めた…『仁』の最終話。
橘咲と野風が起こした奇跡の…その子孫との再会のシーンのセリフは
こんなカンジだったでしょうか?
仁が去り、仁も知らない仁友堂の「その後」。そして、仁は「その後」を100年以上も追い越してしまう。
子孫の橘美紀の弟が開く診療所に入った仁は、「その後」の仁友堂の写真を観る。
仁友堂の門の前に並ぶかつての「同僚」の写真に…仁は思わず「みんな!」と叫ぶ。
あくまでもドラマで創作なのだから、絶対にあり得ないお話だけど。
でも、仁の心境というのか、「みんな!」と叫んだ時の、その瞬間の気持ちって、
どんな「味わい」なのだろうか…と私はずっと思っていました。
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私は今日、その「味わい」を感じてしまいました。
今朝、京王電鉄の駅の掲示板に、私がかつて「勤めていた会社」のポスターが貼ってありました。ポスターの写真には営業所・車・社員が映っていました。
あの頃と、私がいた頃と、何も変わっていない
…営業所の風景・車の色カタチ・そして社員の表情と名札…。
それこそ、私も『仁』と同じように叫んでいました「みんな!」と。
ふと、思ったのが。私もかつて「勤めていた会社」を追い越したのだろうか。
100年は極端だとしても…「10年一日」という言葉があるように。
10年くらいは。いや、それは思い込みと思い上がりなのだろうか。
道路運送法の大改正、事故経費の半減、ドライブレコーダの導入と活用
一人戦っていたあの頃が、今となっては『愛しき日々』です。
そして
私も今年の12月13日で「勤めていた会社」を辞め、ちょうど10年になります。
このコラムの執筆専門家
- 大泉 稔
- (東京都 / 研究員)
- 「保険と金融」の相続総合研究所
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