「数字がモチベーションにつながる」と断言することに感じる危うさ
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あるお店でのことですが、まったく知らない隣の人の会話がやけに気になってしまいました。
たぶん、どこかの会社の経営者の方と、その管理職か社外ブレーンという感じの方の会話で、「やっぱり数字はモチベーションにつながりますからね!」とお互いに確認し合っていました。
確かに結果が数字で見えると、目標を達成したのかしないのかはわかりやすいですし、もし未達成だとしても、あとどのくらいで達成できたのかという距離感を測ることができます。結果が目に見えるということが、モチベーションにつながることはあると思います。
でも、本当にそう言い切ってしまって良いのでしょうか・・・。
数字はできた時の達成感にはつながるかもしれませんが、逆に達成できなかった時はより残酷に結果を示します。はっきり見えるがゆえに、ノルマとして強制されやすい面もあります。
また、いくら数字で測ると言っても、やはり数字で見えない環境、努力、巡り合わせ、その他のプロセスがあります。偶然の目標達成と人一倍努力しての未達成は、ビジネス的には結果がすべてでしょうが、組織として人の扱いを考えると、一概にそれでは難があります。
何よりも最近の傾向として、「数字には必ずしもモチベーションを感じない」という価値観があります。それよりも他人の喜びとか感謝とか、社会貢献といったことにやりがいを見出します。非常に主観的な部分なので、感じ方は本当に人それぞれです。
今のモチベーションというのは、どんどん多様化してきています。かつてのように上昇志向をあおるだけでは、なかなかうまくいきません。
モチベーションに関することを、自分の経験や価値観だけで言い切ってしまうのは、今の環境の中では少々危険ではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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