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日経記事;『台湾半導体メディアテック スマホの次へ中台連合 ネットと家電融合「IoT」に照準』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月10日付の日経新聞に、『台湾半導体メディアテック スマホの次へ中台連合 ネットと家電融合「IoT」に照準 小米と市場開拓/車載向けも参入』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『低価格スマートフォン(スマホ)向けLSI(大規模集積回路)で急成長してきた台湾の半導体大手、聯発科技(メディアテック)が、あらゆるモノがネットでつながる「インターネット・オブ・シングス」(IoT)分野で中国スマホ大手の北京小米科技と組む。

世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」(CES)のため訪米した謝清江総経理に「ポスト・スマホ」戦略を聞いた。

謝清江総経理は中国政府との関係にも自信を見せる。

「小米とはIoT分野での協力も広がっていくと考えている。小米との仕事はとても円滑だ。担当者を増やして対応スピードを上げる」

創業から5年で世界3位のスマホメーカーに浮上した小米。スマホだけでなくタブレット(多機能携帯端末)やテレビ、空気清浄機など家電にも領域を広げる。有望市場のIoTにも熱心だ。スピーカーやウエアラブル端末など多くのIoT商品を開発。ネットでつなぐ構想を描く。

メディアテックはLSIの供給で小米の成長を支えたが、謝総経理はIoTでも小米とタッグを組んで市場を開拓する考えを示した。小米のIoT商品が広がるほど、メディアテックも自社の半導体が搭載される商品の領域が広がる。

「自動車分野を開拓する子会社を昨年立ち上げた。詳細はいえないが、少なくとも1社の採用が内定している。営業戦略としては、自動車メーカーと提携する米グーグルと組むこともあれば、単独の場合もある」

新事業の柱として参入の機会をうかがってきた自動車分野だが、具体化は着々と進んでいるようだ。まずは米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した車載機器向けLSIを手掛けるとみられる。インターネットにつながり、音楽の視聴や道案内などができる情報端末だ。

当面は車の基本機能には関わらない。ただ、自動運転が実現すれば、カメラやセンサーの情報を処理して車を制御するなど、IT(情報技術)の役割は一層増す。IT機器向けLSIは車づくりに欠かせない基幹部品となり、自動車産業に食い込む一里塚となる。

「我々の強みは黒物家電で経験を積んできた音楽や映像などマルチメディアの情報処理だ。我々のチップを使い機能が充実した中国メーカーと、世界シェア首位の韓国サムスン電子との技術レベルの差はかなり縮んだ。それがサムスン失速の原因になっている」

ライバルの米クアルコムと比べた優位性を尋ねたところ、強い自負を見せたのがマルチメディアの処理技術だ。DVDプレーヤーなどに搭載するLSIはスマホ向けと並ぶ主力商品。通信に強いクアルコムと戦う武器となると強調した。

「ソニー、グーグルとの関係は長く特別だ。ソニーが新分野のIoT商品を開発するならいつでも協力したい」

ソニーがCESで発表した「アンドロイド」搭載の4Kテレビは、半導体の設計をメディアテックに委ねてコストを削減した。中国メーカー向けの供給が多い同社だが、グローバル企業との取引も増えている。

「我々と、大口顧客の中国メーカーを育成したい中国政府との関係はウィンウィン。政治的な問題はない」

中国当局はクアルコムを独禁法違反の疑いで調査している。中国では同業の展訊通信(スプレッドトラム)が中国政府の支援を受けて猛追するが、中国政府との関係は良好だと強調した。』


現在、アメリカのラスベガスで世界最大の家電商品関連の見本市である「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されています。

昨年度のCESから明確になった動きの一つが、電気電子機器メーカーやITベンダーによるIoT化への対応強化です。また、自動車の電子化・IT化への加速です。

自動車メーカーは、新規需要を開拓するため、ネット通信機能など急拡大したスマホやタブレット端末を活用して消費者のニーズをとりこみたい意図をもっています。

さらに、米大手ITベンダーであるグーグルは、自動車の自動運転の実用を目指して、すでにカリフォルニア州で走行試験を行っています。これは、自動車をインターネットの出口端末の一つとしてとらえており、新規需要の創出を目指していることによります。

アップルもスマホ市場の成長鈍化を見越して、車載用途需要の確立を目指して動いています。

自動車の電子化・IT化を実現するには、通信、カメラ、センサー、グラフィック表示などの機能が必要になります。

今年のCESでは、上記二つの動きがさらに加速化・実用化に向けて動いています。ソニー、パナソニック、シャープなどの国内家電メーカーは、テレビなどのAV機器やパソコン、スマートフォンやタブレット端末機器などの分野で、台湾、韓国、中国などのメーカーとの競争に負けて、世界市場でシェアを落としました。

これらの商品分野では、世界市場で価格下落が起こっており、特に、中国や台湾メーカーが勝ち組になりつつあります。

国内家電メーカーは、価格競争が起こりやすい上記商品分野に見切りをつけて、事業を再編して別の事業分野を主力の収益源にしようと動いています。

新規事業の一つとして期待されているのが、業務用途(BtoB)です。その中でも巨大な市場と大きなすそ野産業をもつ自動車産業に焦点を当てて、自動車の電子化・IT化需要を取り込もうとしています。

ソニーの場合、世界市場で最大のシュアをもっているCMOSイメージセンサー(ソニーの調べによると、2013年度は世界に出荷されるスマホの44%に同社製のCOMSセンサーが搭載される見込みとのこと)を車載のカメラ用途に転用すべく積極的に動いています。

例えば、ソニーは、星明かりよりもさらに暗い、闇夜に相当する低照度0.005ルクスの環境においても高画質なカラー映像の撮影を可能とする、世界最高感度を実現した車載カメラ向けCMOSイメージセンサー『IMX224MQV』を商品化すると、2014年10月16日に発表しました。

今年のCESでは、ソニーはCMOSイメージセンサーデバイスを積極的に出展しており、関連する機能として車載用途に適した画像処理も事業化するとしています。

トヨタ自動車は、2014年11月26日に、自動ブレーキを日米欧でほぼ全車種に導入すると発表しました。欧州自動車メーカーの一部はすでに自動ブレーキ機能を採用していることも含めて、他の自動車メーカーが、トヨタの動きに追随者ことは、間違いなく、自動ブレーキは世界市場で採用されるとみています。

この自動ブレーキを安全、かつ、的確に行うには、カメラやレーダーなどのセンサー、制御を駆使した先進の安全対策が必須になります。

ソニーのCMOSイメージセンサーは、この自動車の眼となる役割を担います。もし世界の自動車メーカーの多くが、ソニーのCOMSイメージセンサーを採用すれば、ソニーにとって大きなBtoB用途の新規事業を得ることが可能になります。

一般的にBtoB用途は、家電商品のような価格下落や価格競争が起こらないと言われてきました。しかし、自動車の電子化・IT化は、この常識を覆す可能性があります。

これは、本日の記事にありますように、スマホやタブレット端末市場での価格競争を勝ち抜いてきた、台湾、中国、韓国メーカーが積極的に成長分野である自動車の電子化・IT化市場に参入することによります。

スマホ市場は、中国メーカーの台頭によりアセアン市場などで価格競争が起こっており、サムスンなどの韓国メーカーや台湾メーカーは収益低下に直面しています。

国内だけでなくアジア勢、ドイツメーカーも、家電や自動車分野のIoT化需要を取り込むべく動いています。

これらのメーカーの動きは、世界市場で激しい競争を起こします。自動車分野でも、電子化・IT化の動きと共に、価格競争が激しくなる可能性があります。

もちろん、自動車の用途には、高い安全性、信頼性、耐久性などの厳しい使用条件が課せられますので、単純に家電分野ほどの価格競争が起こるとは考えられませんが、国内メーカーは一定の価格競争を覚悟しておく必要があります。

すでに自動車の電子化は進んでおり、国内の素材、部品、装置などのメーカーは、自動車メーカーとの緊密な連携・協業により、大きな事業機会を獲得しています。

今後、自動車のIoT化をきっかけに、台湾、韓国、中国などの海外勢との競争が激しくなる可能性があります。

自動車の電子化・IT化対応が、オールジャパン体制で動いていくことを期待しますが、これを実現するには、国内の部品や装置、ソフトウエアを提供するメーカーの競争力を維持強化していく必要があります。

自動車の電子化・IT化需要には、多くのベンチャー・中小企業にとっても大きな新規事業機会の獲得につながります。水面下では、多くの動きが起こっています。

この視点から、国内自動車メーカーの電子化・IT化の対応と、国内関連メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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