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日経記事;『車減税、低燃費に重点 エコカー基準引き上げ 開発競争を促す』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月27日付の日経新聞に、『車減税、低燃費に重点 エコカー基準引き上げ 開発競争を促す』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府・与党は2015年度税制改正の柱の一つである自動車関連の税制の見直し案を固めた。購入時や車検時のエコカー減税の基準を引き上げ、低燃費車に減税を重点適用する。メーカー各社に低燃費車の開発競争を促す狙いがある。ただ、それでも新車の8割に減税を適用し、4月の消費増税後に低迷する自動車販売の落ち込みを防ぐ。

30日にまとめる与党の税制改正大綱に盛り込む。エコカー減税の規模は、基準見直しで縮小する見込みだ。普通車や軽自動車は購入時に消費税と自動車取得税がかかる。購入時と車検時には自動車重量税もかかる。さらに毎年、普通車は自動車税、軽は軽自動車税が課される仕組みだ。

15年度に取得税と重量税のエコカー減税の基準を見直す。現在は取得税は国土交通省が定める15年度の燃費目標を達成すれば60%減税、10%上回れば80%減税、20%上回れば非課税と3段階で減税される。重量税はそれぞれ50%、75%、非課税となる。現在の基準は12年度に初めて適用された。毎年、より低燃費の車が発売されるため14年度は新車販売の9割が減税を受けている状況だ。

来年度からは燃費目標をこれまでの15年度基準から達成が難しい20年度基準に引き上げ、減税の対象を絞る。2税とも20年度目標を20%上回った車種だけを非課税とし、最低でも15年度目標を5%上回らないと減税を受けられないようにする。取得税の場合、15年度目標を5%上回れば20%の減税が受けられる。

税収を確保したい財務省や総務省は当初、15年度目標を20%ほど上回ることを減税の最低条件として検討しており、対象車を新車販売の6割ほどに絞る考えだった。ただ日本自動車工業会などの反発で自民党税制調査会が緩めの基準にすることを決定。対象車を約8割まで広げることにした。

政府・与党は軽自動車税に新車の約9割が対象になる新たなエコカー減税も導入する。取得税と重量税のエコカー減税は軽も対象で、自動車税にもエコカー減税がある。ただ、軽自動車税にだけは低燃費車を優遇する制度がなかった。

対象車は買った翌年度の軽自動車税を燃費に応じて25~75%安くする。15年4月以降に買う新車は、毎年の支払いが1.5倍の1万800円になると決まっている。大半の車種に減税を適用し、負担を和らげる。

15年度から電気自動車は75%減税の2700円にする。ガソリン車は20年度の燃費目標を20%上回れば50%減税の5400円、単純に目標に到達するだけでも25%減税の8100円に割り引く。減税しない場合より年60億円ほど税収が減る。』

 

本日の記事によると、政府は新たなエコカー減税の実施を計画しているようです。新車購入時の取得税と重量税の「非課税適用」の条件を比較すると以下のようになります。

●取得税;非課税扱い
現行::2015年度目標を20%超過・電気自動車
今後::2020年度目標を20%超過・電気自動車

●重量税;非課税扱い
現行::2015年度目標を20%超過・電気自動車
今後::2020年度目標を20%超過・電気自動車

「総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会自動車判断基準小委員会・交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会自動車燃費基準小委員会」が2011年10月に発表した最終とりまとめ資料によると、新燃費基準による今後の燃費改善率の評価推定値は、以下のようになります。

乗用自動車については、目標年度(2020 年度)において、ガソリン乗用自動車の2009 年度実績値と比べて24.1%、現行燃費基準(2015 年度目標)の水準と比べて19.6%、燃費が改善されることになります。

<2009 年度実績値に対する燃費改善率>
自動車の種別::乗用自動車
2009 年度実績値:: 16.3(km/L)
2020 年度推定値:: 20.3(km/L)
2009 年度実績からの燃費改善率:: 24.1%

<現行燃費基準の水準に対する燃費改善率>
自動車の種別::乗用自動車
2015 年度基準相当平均値:: 17.0(km/L)
2020 年度推定値::20.3(km/L)
2015 年度基準からの燃費改善率::19.6%


いずれにせよ、2020年度の推定燃費改善率は、現行燃費基準に比べて約20%となります。自動車メーカーは、さらに、この2020年度目標を20%超過しないと、取得税と重量税が非課税扱いになりません。

自動車市場の縮小が続く国内では、非課税扱いにならない自動車メーカーの新車に対する需要は、大きなマイナス影響を受けることになります。

自動車メーカーは、高いハードルを政府から突きつけられることになります。しかし、このハードルは、今までの実績から各自動車メーカーにとっては、大きな刺激となって低燃費競争に勝ち抜くためのきっかけとなります。

日本の自動車は、現在、世界最高水準の低燃費・環境対応を実現しています。政府の施策は、さらにこの低燃費・環境対応能力を向上させようとする野心的なものです。

国内自動車メーカーがこの新目標に向けて一斉に動き出すことになります。この動きは、国内の部材、部品、装置などの事業分野に大きな新規事業機会を提供します。

何度か本ブログ・コラムで述べていますように、自動車産業は大きなすそ野をもっている事業分野です。

さらに、自動車の電装化・電子化・インターネット対応も進んでいきます。このことは、次世代環境対応車は、国内電子電機事業やIT事業分野にも大きな新規事業機会を提供することになります。

自動車の自動運転は、法規制や安全確保などの観点から早期実現は難しいとしても、関連する自動ブレーキ装置の実装などは早めに実現する見込みになりつつあります。

国内自動車メーカーが、低燃費・環境・高度安全性などを実現する次世代自動車を2020年までに開発・実用化を行えば、世界市場で勝ち組となります。

この次世代自動車は、欧州、アセアン、アメリカなどの海外市場でも、非常に高い需要が見込まれることによります。

オールジャパン体制で、上記次世代環境対応車を国内市場で、実証試験を行うことで、世界市場でも販売可能になります。この動きは、日本の産業界の底上げに寄与しますし、中小企業にも大きな新規事業機会が生まれます。

この視点から、今後の自動車メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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