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日経記事;『ミライ、受注1000台へ トヨタ燃料電池車 年販売目標の倍 きょう発売』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月15日付の日経新聞に、『ミライ、受注1000台へ トヨタ燃料電池車 年販売目標の倍 きょう発売』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車が15日、水素と酸素で走る燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を世界に先駆けて国内で発売する。走行時に水しか出さない「究極のエコカー」への関心は高く、受注台数は年間販売目標(約400台)の2倍以上の1千台に達する勢いだ。

ミライは4人乗りのセダンタイプで、価格は723万6千円(税込み)。国の補助金を活用すれば約520万円で購入できる。

トヨタ系販売会社、東京トヨタ自動車は11日までに約50台を受注した。法人と個人が半々で、個人は「50~60代を中心に、すでにハイブリッド車(HV)を保有している人が多い」(同社)。商談中や見積もり希望も40件を超えるという。

名古屋トヨペット熱田店(名古屋市)には、多い日で1日5件程度の問い合わせがあり、法人から数台を受注した。大阪トヨタ自動車にも企業経営者などから数十件の購入希望があるが、納期を案内できないため「正式な受注は待ってもらっている」状況だ。

トヨタは12月に元町工場(愛知県豊田市)でミライの生産を開始。年間の生産予定台数は700台だが、販売店の受注台数は全国で1千台弱と大きく上回る。トヨタは来年末に増産を予定しているが、販売店側では「納期は数年かかると案内している」(名古屋トヨペット)。』


トヨタ自動車やホンダなどの自動車メーカーが開発・実用化を進めて来ました水素自動車については、本ブログ・コラムで何度か取り上げています。

本日の記事によると、国内自動車メーカーの中でいち早くトヨタが、水素自動車の事業化に成功し、すでに受注を開始しています。

いよいよトヨタが発売開始しました。記事によると、現時点の受注台数が年間販売目標である400台の倍以上の1000台に達するとのことです。

この比較的順調な受注は、一般的に環境対応への関心の高さと、政府からの補助金を使えば現在主流となっている国内高級ハイブリッド車(HV)並みの520万円程度の価格で買えることによります。

トヨタは、今後水素自動車の増産体制確立に向けて急速に動き出すと考えます。また、ホンダも2016年度中には、水素自動車の販売を開始するとみています。

もっとも、水素自動車の普及の課題は、水素ステーションの設置数の急増が可能かどうかによります。水素ステーションの普及は、政府による大幅な規制緩和が必須でありますので、現在の政権に早期実現を期待しています。


さて、私が水素自動車への関心が高い理由は、この次世代自動車が最新技術やノウハウの集積により、開発・実用化が可能になることによります。

自動車は、非常に産業のすそ野が広い事業分野です。この事業分野に、現在主流となっているガソリンエンジン車に代わる本格的次世代自動車が入ってくることは、大きな産業変革となります。

ポイントは、この次世代自動車がオールジャパン体制で開発・実用化できることです。東レや帝人などの国内メーカーが長期間開発投資を続けて実用化した炭素繊維のように、トヨタやホンダも長期間開発を水素自動車に対して行ってきました。

つい数年前まで、当時の技術水準では、水素自動車の予想販売価格が1億円以上と見込まれており、水素ステーション設置も当時の安全基準をベースに考えると実現困難な状況であったため、水素自動車の開発・実用化は絵空事のように語られていました。

しかし、トヨタやホンダなどの国内メーカーは、着実に多額の開発投資を行いながら、実用化に向けて動いていました。

それは、水素自動車が究極の環境対応車であることによります。地球温暖化の最大の要因の一つがCO2排出量の急拡大にあるとされています。

ガソリン車は、どんなに高効率になってもCO2排出源の一つになりますので、水素自動車でないとCO2排出をゼロにすることができません。ここに世界市場でみると、水素自動車に大きな潜在需要が見込めるポイントがあります。

また、水素自動車の開発・実用化は、今までHVや電気自動車の実用化で蓄積した技術やノウハウをさらに進化させながら、活用することで可能にしてきました。

国内自動車産業の強みは、このように10年以上の長い開発・実用化のロードマップを描いて実現するまで、着実に実行・推進できることです。これは、資本と潜在技術力の蓄積量によります。

国内自動車メーカーの中で、少なくともトヨタやホンダは、その両方をもっています。このような大型事業の確立は、世界的な超大手の製造事業者のみができることであり、中小企業には手が出せない分野になります。

但し、トヨタやホンダといえども、水素自動車を大きく事業化させるための技術やノウハウをすべて自社内で所有したり、実用化することは、困難です。

多くの素材・部材、部品、装置、加工技術、ITなどの国内関連企業との連携・協業なしには、水素自動車の開発・実用化は、実現できません。

ここに私が水素自動車の開発・実用化に大きな新規事業機会を見出す理由があります。トヨタやホンダなどの国内メーカーが水素自動車の開発・実用化を急速に進めれば、上記関連事業分野で差別化・差異化可能な技術やノウハウをもつ中小企業にも大きな事業機会が生まれます。

例えば、以下のような分野が対象になります。耐久性については、ほぼ目処が立っていますので、大きな課題はコスト圧縮になります。

・燃料電池システムのコスト圧縮
・燃料電池スタックのコスト圧縮
・自動車本体重量の軽量化
・燃料電池車の作動温度をガソリン車と同等化
・補器類のコスト削減、など

上記の技術課題をトヨタやホンダなどの国内メーカーが主導する形でオールジャパン体制で解決・実現できれば、中小企業を含めた国内関連メーカーは、新技術の蓄積と事業拡大の効果を獲得できます。

CO2排出がない水素自動車は、将来、世界市場で主力の自動車になります。その自動車を支える素材・部材、部品、装置、加工技術、ITなどを受け持つ中小企業には、世界市場での需要に対応することで、大きな新規事業獲得につながります。

昨日のブログ・コラムで書きましたように、差別化・差異化可能な技術やノウハウをもつ中小企業は、世界市場で勝ち組になる努力をを行わないと、持続的な事業・収益拡大を維持できません。

差別化・差異化可能な技術やノウハウをもつ中小企業の部品や製品は、仮に円高になっても輸出価格を上げることで収益確保が可能になります。

すでに私が知っています関連メーカーとなっている中小企業は、水素自動車に関連する事業に関係しています。技術的なハードルは、高いようですが、乗り越えられれば大きな新規事業につながります。

今後のトヨタやホンダなどの国内メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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