ああ～もったいない・・・夕方にもう暗くなっているのに看板の電気が付いていない店

「なんだか、今日は夕方からのお客様の入りが悪いなあ～。世間は不況なんだなあ～」

そう言いながら、キッチンの中で肩をすぼめたのは、このファーストフードチェーンのオーナーでした。

この店は、ある街の駅から少し離れた通りに面して営業しています。
駅からは300m程度離れてはいますが、人通りもあり、さほど悪い立地ではありません。
住宅街も有り、事業所も学校もあるなかなかいい商圏です。
しかし、この冬になってから、徐々に売上が下がり始め、前年比をずっと割っているという状態が続いています。

そんな店が、ある日の夕方、まったくお客様が来てくれない、閑古鳥が鳴いている状態になったのです。
この日は、雨が降っているわけでも無く、冷たい風が強く吹いているわけでもありません。
通り向かいに見えるコンビニには、お客様はけっこう出入りしている様子です。
しかし、なぜだかこの店にはお客様が入ってこないのです。
最近、不調が続いていたとは言え、ここまでお客様が来ないことはなかったので、オーナーは、しょぼんとしていました。

そんな時、ようやくひとりのお客様が入ってこられました。
この店の常連のお客様です。
彼は開口一番・・・

「なんだよ、やってたのかよ！今日は休みなのかな、と思ったよ～」

え？と思ったオーナーは、入り口から外に出て店の方を振り返って愕然としました。
なんと、外は陽が沈んで、すっかり暗くなっていたにもかかわらず、看板の照明が付いていなかったのです。
そりゃあ、お客様は来ませんよね。店が閉まっていると思って、最初からあきらめるひともいますからね。

店にとって看板とその照明は非常に大切です。看板は、売上に大きな影響を与えるからなのです。
その為、ファーストフードやコンビニなどのチェーン店では、自社の統一した看板を出来るだけ大きく設計し設置しています。そして、夜になると、その街の中での存在感を強くアピールするために、看板の中にはぎっしりと蛍光灯を敷き詰めて出来るだけ目立つようにと工夫されているのです。

その看板の照明が付いていない・・・
いつもは、明々と付いている看板が消えていると、逆に「今日は営業していません」というメッセージすら感じてしまうくらい、大きなマイナス効果を発揮してしまいます。

この店のオーナーは、常連さんに指摘されるまで、ずっと気がつかないままで時間を過ごしていたのです。
失った売上は、かなり大きな金額だったでしょうね。

実は、こんな店はたくさんあるのです。大手のチェーン店では、それを防ぐ為に、タイマーで看板照明のオンオフをコントロールしているところが増えています。しかし、タイマーで管理するようになると、ひとの関心はその気はなかなか向けられなくなるのです。そして季節の変わり目・・・日が暮れるのが早くなったにもかかわらず、タイマーの設定がそのままだと、看板に灯がともるのは、すっかり暗くなってから・・・と言うことになってしまいます。

さて、こう言う問題を解決するには、どうすれば良いのでしょうか？
簡単です。

定期的に店舗前に出る事です。

店長やオーナーがシフトインしているときに、店の外に出ない習慣が付いていると、その店にはこのようなトラブルが起きてしまいます。そう言う店は、冬になって寒くなると、ますます店頭に出なくなります。スタッフにもそう言う悪しき習慣は伝染します。

オーナーや店長から積極的に、店の前に出る習慣を付けること・・・これが一番ですね。
そうすることで「もったいない」ことは事前に防ぐことが出来るのです。
あなたの店の不振は、案外こういうところが原因かも知れませんよ。

※冒頭の写真はイメージです

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