戦略レベルのすれ違い - コーチング全般 - 専門家プロファイル

黒木 昭洋
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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戦略レベルのすれ違い

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マネジメント・リーダーシップ コミュニケーション

先日読んだ本の紹介をさせてください。

戦略の本質 ~戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ~ 

という本です。


20世紀に起こった戦争のうち、逆転の要素のあったものを6例引き出し、紹介しています。

その中で朝鮮戦争の事例も出てきています。


大統領トルーマンと現場責任者マッカーサーの関係が、現在の組織でも起こりうる象徴的な事だと思いましたので、そこにフォーカスしてお話しさせていただきます。


朝鮮戦争とは?

ウィキペディアからそのまま引用させていただきます。

1950年6月25日 - 1953年7月27日休戦)は、1948年に成立したばかりの

朝鮮民族の分断国家である大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の間で、

朝鮮半島の主権を巡り北朝鮮が、国境線と化していた38度線を越えて侵攻したことによって勃発した国際紛争


俯瞰的にみると、アメリカ合衆国を盟主とする資本主義・自由主義陣営と、

ソビエト連邦を盟主とする共産主義・社会主義陣営との代理戦争というべきもので、

北朝鮮は、ソビエト(現ロシア)からの武器支援などの後ろ盾を、

アメリカは国連軍として実際に参戦しています。


開戦当初は、北朝鮮の奇襲攻撃もあり、一方的な展開となります。

韓国軍はわずか1カ月~2カ月で38度線から、南端の釜山まで追いつめられています。

直線距離にして400~500kmほど押し込まれています。

※東京大阪間の直線距離が約500kmです。


その劣勢を打開するために、38度線にも近く首都ソウルにも近い、

「仁川」にアメリカを中心とする国連軍の奇襲部隊を上陸させて、釜山に引きつけている

北朝鮮軍を挟撃しようという作戦が取られました。(1950年9月15日)


結果劣勢を挽回し、国連軍は38度線をこえ、北朝鮮軍を北端に追い詰めますが、

中国軍の参戦(社会主義陣営、序列で言うと当時ソ連の次に当たるといっていい大国です)

を生み、泥沼化していきます。


アメリカ軍の指揮官は「マッカーサー」、劣勢を挽回する仁川作戦を周囲の反対をおしきり

実行し、成功させた功績者の一人です。


そんな功績者が、戦争の真っただ中の1951年4月に、大統領トルーマンの移行を受けて

解任されています。


これはなぜだったのでしょうか?


大局をどう見るか?

現場指揮官であるマッカーサーは、中国軍の参戦により、止まった国連軍の勢いを、

中国本土の攻撃によって挽回しようという主張をして、実際に実行に向けて動いていたといわれています。


これを非常に憂慮していたのが、大統領トルーマンです。

中国攻撃に踏み切ると、その背後にいるソ連との全面衝突になる可能性が高く、

第三次世界大戦が勃発するというリスクがあったからです。


朝鮮戦争に勝つという局地戦で見ると、中国攻撃といったことは決して間違いとはいえないのですが

新たな大戦争を起こさない、第二次世界大戦(1945年終戦)からようやく復興が始まった世界を

新たに荒廃させないといった大局的な視点から見ると、マッカーサーの方針は非常に危険です。


つまり膠着させたまま、ソ連を刺激しない落としところを探るが大局的にみると必要だったわけです。


個人的に合わない、コミュニケーション手段が限られていた(トルーマンは本国、マッカーサーは極東)といった

事情もありますが、こういったマッカーサーの大局観の欠如が解任劇につながったと考えられています。


このことは現在の会社組織においても同じだと思います。

経営陣は大局的に見ているのにもかかわらず、一時の成果を追い、暴走してしまう現場、

こういったことも起こりうると思います。


特に現場の指揮官が優秀であればあるほど、こういったリスクは起きがちです。

※ちなみにその当時の、マッカーサーは、太平洋戦争の大功労者であり、仁川作戦を成功させた「大成功者」です。


このリスクを減らすためには、現場の大局観の欠如は、その上層である経営陣の「戦略」伝達を

徹底する、現場指揮官はその「戦略」を常に確認し、大局的な動きを正しく理解する、

そういった相互理解が必要だと学びました。


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