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丹多 弘一
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山本 雅暁
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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日経記事;『企業秘密漏洩 未遂も刑罰 海外流出防止に重点』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月24日付の日経新聞に、『企業秘密漏洩 未遂も刑罰 海外流出防止に重点』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『経済産業省は企業の営業秘密の漏洩を防止するため「不正競争防止法を見直す。情報の取得に失敗した未遂罪も刑事罰の対象にするほか、海外に情報を流した場合は「15年以下」の懲役とし、現行の「10年以下」より厳しくするなど罰則を強化する。

日本企業の情報が外国企業に不正流出する事例が増えていることに対応し、日本企業の競争力確保を法制面から後押しする。

来年の通常国会に改正法案を提出し、2016年度の実施を目指す。

「未遂罪」を導入し、抑止力を高めるのが最大の特徴だ。刑事罰を科すには今は秘密を不正利用した証拠が必要だが、今後は情報取得に失敗しても盗もうとした痕跡があれば対象とする。

情報を不正取得するウイルスを添付したメールを送った場合や情報を管理するパソコンに不正アクセスした場合も対象になる。

罰則も強化する。個人の罰金の上限を1000万円から5000万円に引き上げる。懲役は原則10年以下のままだが、海外に情報漏洩した場合は1.5倍に重くする。企業の罰金の上限も3億円を2倍の6億円に引き上げる方針だ。

罰則の対象者も広げる。秘密を持ち出した人物やその人物から直接情報をもらった2次取得者だけでなく、3次取得者、4次取得者も罰則の対象にする。たとえば、ベネッセの顧客の個人情報が漏洩した事件では、顧客情報は6次取得者まで渡っていた。新日鉄住金が特殊鋼板の製造方法の漏洩で裁判をしている例でも、情報は3次取得者まで渡っていたという。

海外の現地法人や業務委託先からの流出も想定し、情報が海外で不正取得された場合にも網をかける。さらに政府の関与も強める。不正に得た情報をもとに外国企業が生産した製品の輸入を差し止める制度を導入する。

新日鉄住金や東芝が韓国企業と係争するなど日本企業の機密情報の流出が問題化している。政府は6月にまとめた成長戦略で企業の営業秘密や知的財産の保護を徹底する方針を打ち出していた。』


日経記事によると、不正競争防止法や営業秘密の侵害など規制の趣旨は、以下の通りです。
「企業どうしが公正に競争することをうながす法律。営業秘密を侵害したり、製品内容を偽装販売したりすることを規制している。営業秘密には顧客名簿や製造装置の図面などのほか、技術ノウハウや販売マニュアルも含まれる。」

言うまでもなく、各企業の強みの源泉である技術力、ノウハウなどは、最重要な機密情報であり、絶対に外部に持ち出すことを厳しく制限する必要があります。

外部からコンピュータなどに不正アクセスしたり、退職者が機密情報を持ち出して競合他社に売るようなことは、合理的な競争を妨げるので、断じて阻止する必要があります。

政府が機密情報の漏洩に対して罰則強化することは、必要であり大いに期待します。

同時に、企業特にベンチャーや中小企業は、機密情報保持や流出防止にもっと関心をもって、ガードを固くする必要があります。

国内では、まだ性善説を前提とした企業間関係が維持できている面が多少あります。しかし、競合他社や中堅・大手企業は、隙があればいつでもベンチャーや中小企業の虎の子の技術やノウハウを違法であっても入手しようとする傾向があります。

海外企業との関係では、徹底的な性悪説前提で機密情報保護を行う必要があります。性悪説では、基本的にだまされる方が悪いのです。

ベンチャーや中小企業は、外部からの不正アクセスに対して対応するため、パソコンやインターネット環境に対して、より一層のセキュリティ対策を行うことが必要です。これは、日本の内外でビジネスしていくときの必要コストと考える必要があります。

また、外部への機密情報漏えいについては、内部での機密情報保持の仕方を見直して、徹底化することが重要になります。

今までに何度か本ブログ・コラムで、企業の機密情報漏洩に関して記事を書いています。ブログですと、下記Webサイトに「NDAの扱い」のカテゴリーに記事が記載されています。

http://bzsupport.blog.so-net.ne.jp/archive/c357062-1

また、企業が機密情報保持を契約の観点から縛りを入れるために、機密保持契約(NDA;Non-disclosure Agreement)を一般的に結びます。

このNDAのポイントや対象となる機密情報の管理の仕方についても、上記「NDAの扱い」のカテゴリーに記事として書いています。

今まで多くの製造事業者やITベンダーに対して、海外企業とのNDA締結や機密情報保持・開示のやり方について、支援やアドバイスをしてきました。

私の基本的な考え、あるいはやり方は、「NDAの扱い」のカテゴリーに記事に書いてあります。
ご関心のある方は、お読みください。

機密情報保持を行うためには、性悪説に基づいて合理的な対応をすることが重要であり、必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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