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日経記事;『人工光合成で世界最高 東芝、効率1.5% 20年めど実用化』に関する考察 [新規事業開拓・立上]

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月21日付の日経新聞に、『人工光合成で世界最高 東芝、効率1.5% 20年めど実用化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝は太陽光と二酸化炭素(CO2)などから燃料をつくる次世代技術「人工光合成」で、世界最高の変換効率を達成する材料を開発した。変換効率は1.5%で、実用化に近づいた。

火力発電所などが大量に排出するCO2をそのまま利用して、工場や自動車などの燃料が生産できる。同社は2020年をメドに実用化を目指す。

表面を加工した金の触媒で光合成を進める。

光合成は太陽光で水から酸素を作ったうえ、CO2から糖などのエネルギーを得る植物の働き。温暖化ガスであるCO2を原料にして人工的に燃料が得られる。

東芝が開発した技術は、半導体と金の触媒を組み合わせた。半導体に太陽光を当てて水から酸素と水素イオンをつくり、触媒でCO2と水素イオンから一酸化炭素(CO)を得る。

COを処理すればメタノールなどの燃料が作れるという。太陽光エネルギーを燃料エネルギーに変換する効率は1.5%で植物の藻類に匹敵する。これまではパナソニックの電子材料が0.3%で最高だった。

実用化には10%の変換効率が必要だが、東芝は改良を進めれば実現できるという。長期間使っても効率を保つよう耐久性も克服する。成果は24~28日に兵庫県淡路市で開く人工光合成の国際学会で発表する。』


人工光合成については、日経新聞が2014年9月15日に『光合成、植物超す効率で燃料生成 パナソニックが実証実験へ 』のタイトルで記事を掲載したときに、ブログ・コラムで取り上げました。

このときにパナソニックが達成した変換効率は、0.3%と発表されました。この0.3%は自然界の光合成より高い水準を達成したとのことで話題になりました。

記事によりますと、パナソニックが開発したのは、窒化ガリウムなどの半導体にレアメタルのインジウムを混ぜた特殊素子。この素子で太陽光と水を電気エネルギーに変換し、銅の触媒を使いCO2からメタンやエタノールをつくるやり方です。

今回東芝が開発した技術は、半導体と金の触媒を組み合わせた。半導体に太陽光を当てて水から酸素と水素イオンをつくり、触媒でCO2と水素イオンから一酸化炭素(CO)を得る、とされます。

東芝が開発した技術で注目される点は、変換効率を1.5%とパナソニックに比べて5倍上げたことです。

人工光合成を実用化するには、変換効率を10倍程度にする必要があると言われています。東芝によると、改良を進めれば10%の変換効率を達成できるとのことです。

東芝は、耐久性の実現も含めて、2020年ころには実用化の目処をつけるとしています。東芝が10%程度の人工光合成を実現しますと、日本のエネルギー環境は大きく変化します。

人工光合成が実用化されますと、太陽エネルギーを利用して水から水素と酸素を作り、さらに水素と二酸化炭素から有機化合物を作ることが可能になります。

水素は、現時点では人工的な石油、天然ガスなどのプラントプロセスの中で大量に生まれています。現時点では、水素はこのプラントプロセスから安価にかつ容易に生成されています。

トヨタ自動車は、今年12月に水素自動車「Mirai」を発売開始します。水素自動車が普及するには、当該自動車の量産効果で販売価格が安くなることと、水素ステーションなどの水素供給のインフラ整備が不可欠になります。

水素供給のインフラ整備が進むと、水素を燃料にした発電事業も可能になります。水素供給インフラの要である水素ステーションの普及には、水素を大量に消費する需要が必要になります。

水素発電事業は、当面、水素自動車以上の需要を生み出します。水素ステーションの普及は、水素自動車の普及を後押ししますので、量産効果で販売価格も安くなります。

水素は、現時点では上記しましたように、石油、天然ガスなどのプラントプロセスの中で大量に発生しますので、供給自体に問題はないと考えます。

しかし、日本は石油や天然ガスを輸入に頼っています。日本は輸入に頼らないでエネルギーの供給を可能にする必要があります。

その解の一つが人工光合成です。

政府(経済産業省)は、2014年8月にエネルギーに関する技術開発の将来計画(ロードマップ)を発表しました。

このロードマップでは、2050年を目標に「高効率石炭火力発電」から「メタンハイドレート」まで19分野の施策を集約しています。

注目すべきことは。太陽エネルギーで水素を製造する「人工光合成」で、実用化に向けた実証試験を2022年に始める計画を具体的に示していることです。恐らく、パナソニックや東芝などの国内メーカーの最新の開発・実用化プロジェクトの動きをもとに、この2022年という時間軸を明示したと考えます。

現在、安定的に化学プラントから供給されている水素を活用して、水素自動車の普及促進や水素発電事業の拡大を行うことで、水素の活用・消費の基本的な需要を作ることができます。

2020年ころに実用化された人工光合成から、太陽エネルギーを利用して水から水素と酸素を作り、さらに水素と二酸化炭素から有機化合物を作る技術が可能になります。

石油や天然ガスを使用する化学プラントを使わなくても、自然界から水素を生産することが可能になります。

さらに、人工光合成を実用化できると、二酸化炭素を消費して地球温暖化の防止に生かすことができます。

このように人工光合成の開発・実用化は、日本のエネルギー環境の分野に大きな影響を与えます。

これを見越して、多くの国内企業が周辺事業分野で、各種の開発・実用化を進めています。当然のことながら、人工光合成による水素関連事業の立上は、国内企業に大きな新規事業機会を提供します。

材料、素材、部品、デバイス、製品、ソフトウエア・ITなどすべての関連事業者に、人工光合成による水素生成と消費は、大きな新規事業機会を与えます。

人工光合成は、日本のエネルギー問題を解決しつつ、二酸化炭素削減効果も期待できます。

人工光合成の基礎的な技術開発・実用化が、パナソニックや東芝などの競争を通じて加速化して、2010年ごろをめどに達成されて事業化されることを大いに期待します。

今後ともこれら国内メーカーの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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