- 牛田 雅志
- ブレインリンク・コンサルティング株式会社
- 税理士
対象:会計・経理
「商売繁盛」マーケティング
現在の事業を加速度的に進化させていくためマーケティング発想を加えませんか。お客様に喜ばれるものを提供するという品格経営理念の上にたてば、マーケティングの思考、ノウハウ及びテクニックは非常に効果的に活用できます。
私個人の経験ですが笑わないでちょっと聞いてください。
ショボイ携帯
某月某日
青い海と空、そして真っ白なビーチを求めてグアム島に来ました。
兄の家族と一緒に行きましたので、別行動になっても連絡が取れるようにと空港で携帯のレンタルを事前に申し込んでいました。
空港を出たすぐのカウンターで所定の書類にごそごそと記入したあと、説明書と一緒に現物をいただきました。
「なんじゃこれ〜!」
レンタルした携帯は日本で見慣れているものと違いとても安っぽい。
形にはセンスがない、デザインも悪い、誤解を恐れず申し上げると、「子供のおもちゃ」レベルの代物と感じました。
まあ、レンタルだからしょうがいないや〜、と気を取り直しバスに乗りました。
ふと、前の席に座っている若い女性(現地の方だと思われる)の手もとを見ると、なんと同じ携帯が、
「え〜。みんなこんなショボイの持っているの?」
(グアムの方には失礼ながら)日本では考えられなかったのでビックリしました。
でも、待てよ!
ショボイと思う私の感覚の方が逆におかしいのかなあ?
携帯の機能としては相手と話やメールができれば問題ないし、この本質が満たされていれば、他の要素にこだわる必要はない。だから形やデザイン等を気にしなくてもよい・・・。
待てよ、待てよ。
私だけじゃなく日本人の感覚がおかしいのか?
日本のメーカーは猛スピードで新製品を開発・発売します。日本人のニーズを先取りした結果、数々の機能や洗練されたデザインが生まれます。確かに日本人には受けが良い。
ただ、日本を出て外国に行ってみると、日本人が満足する(要求する)レベルがいかに高いかということを感じます。
日本の携帯電話のデザインと品質は抜群に良いです。ただ、そのセンスが世界の常識とは限りません。すべての外国人が品質とデザイン性が高い「携帯」を求めているわけではなく、国によって欲しいものの価値観は全く違います。
欧米の人たちから見れば日本の住宅は「うさぎ小屋」で、「あんなショボイ家によく住んでいるな」と感じるのと同じです。
自分の視点だけで物事をみると大きな誤解が生じます。
携帯メーカーが「世界で最も優れた品質とデザインをもった携帯をつくる」という目標であったなら、(自分たちにとって)ショボイ携帯をつくるのには躊躇したはずです。この判断の遅れ(違い)が取り返しのつかない機会損失につながります。
「 お客様にとって 最も優れた品質とデザインをもった携帯をつくる」という目標であったなら、相手の要求するレベルの商品をつくったでしょう。もしかしたらグアム島でレンタルした携帯は日本製のものだったのかもしれません(本音をいうと、日本製ではなくてちょっと悔しかったです。でも、この悔しい気持ちも日本製は良いのだから他国の方も使用しているはずという勘違いから生じています)。
マーケティング発想のベースは、
「自分にとって良いものをつくる」 ではなくて、
「お客様にとって良いものをつくる」 です。
良いものをつくれば売れるんや!は、「お客様にとって良いものをつくれば売れるんや!」という言葉の省略形です。
自社で取り扱っている商品・サービスは、もしかすると日本以外の国では最高に喜ばれるものかもしれません。グローバルに考えれば、商機も広がります。
日本を出て外から日本を見たとき、日本の良さも悪さも見えました。
時間をつくって外へ出て行きましょう。場所を変えると視点が変わります。一緒にお供いたします。お誘いください!