- 牛田 雅志
- ブレインリンク・コンサルティング株式会社
- 税理士
対象:会計・経理
「品格経営」のヒント
世界中に喜びの種をまくために、「経営者の人格を高め、正しい経営を実践し、その事業を永続的に存続させる」品格経営と黒字経営を推進します。
品格経営のゴールは果てしなく遠いですが、「継続は力なり」を信じて、
「ワンミリアクション」で歩みます。
アゲアゲで
某月某日
北京オリンピックの出場が決まった後のバレーボール女子のインタビューを聞いていました。ライバル韓国を打ち破り館内は歓喜の渦につつまれています・・・。
アナウンサー 「Sさん。おめでとうございます! Sさんは2セット目スタメンから外されました。でも、3セット目以降の活躍は素晴らしかったですね。」
Sさん 「・・・・。ハ、ハイ。3セット目頑張りました。(後略)」
場面が変わって、
アナウンサー 「Aさん。おめでとうございます! Aさんは前回アテネ五輪では代表をはずされました。でも、今回北京の座は掴めました。」
Aさん 「・・・・。ハ、ハイ。頑張りました。(後略)」
なんだか、インタビューが盛り上がりません。
オリンピックの出場が決まったのだから否定的なことは言わないで、
「あのスパイクは良かったですね!」や「あのサーブが決めてでしたね!」と
選手にとって良かったシーンだけを言ってあげればいいのにと、アナウンサーさんに突っ込んでみたくなりました。
この話を昼食をしながらスタッフ皆にしていたら、Xさんが、
「僕も時々牛田さんに褒められているか、けなされているか、わからなくなる時がありますよ」
「牛田さんは、前は悪かったけど、今は最高に良い、という言い方をされます。言われた方としては、プラス・マイナスゼロで褒められた気にならないんです」
別のYさんも、
「そういえば、牛田さんはけなしてから褒めることが多い!」
「牛田さんは、褒め方が下手ですね!」
と続けざまに言われました。
ガ・ガ〜ン。
人から言われるまで全く気づきませんでした。
確かに私の褒め方は最初けなすことが多い。
スタッフに向かって、
「昔は仕事全然出来なかったけど、今はお客様から大絶賛だね。」とか、
「今回は、最高にグッドだね。」という表現を使っています。
相手の立場で考えれば、「昔、全然出来なかった」は必要なく(言って欲しくない)、「昔もお客様から喜ばれていたけど、ますますお客様から絶賛されるようになったね。」と言われたほうが嬉しい。
「今回は最高」と言われるよりも、「今回も最高」と言われたほうが嬉しい。
「は」と「も」の違いだけですが、相手の感じる印象は全く逆のものになります。
言葉には個人の感情が込められています。思わず口が滑ったという表現があるように、日頃考えている思考がそのまま言葉に表れます。
私の場合、「オレは、スタッフよりも高い地位にいるんだぞ」という潜在的な「権利意識」が相手をけなすという表現になっていたのかもしれません。尊敬する師匠に向かって「今まではダメでしたが、今回は成功でしたね」なんて生意気な言葉は口にしませんから。
私は、自分の立場を高いところに置いて、相手を見下し発言している嫌な上司の典型です。自分では、善意で賞賛していたつもりでしたが、実は相手には伝わっていなかった。全くもってお恥ずかしい。凹みました。
世の中には、「褒めてからけなすよりも、けなしてから褒めた方が効果的」などというテクニックが蔓延しています。私は、このテクニックにはまって、褒めるということの本質を見失っていました。
今までの褒め方は、相手に対する愛がない行動だったと猛省しています。
これから相手を褒めるときは、上げてから下げたり、下げてから上げたりしないで、
「アゲアゲ」で行きますよ!