マネーコラム 2008年8月号「毎日がお盆休み?」 - ライフプラン・生涯設計 - 専門家プロファイル

服部 英樹
ファイナンシャルプランナー

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伊藤 誠
伊藤 誠
(ファイナンシャルプランナー)
服部 英樹
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2016年12月05日更新

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マネーコラム 2008年8月号「毎日がお盆休み?」

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マネーコラム
「毎日がお盆休み?」

毎年のことながら、お盆休みと年末年始は、東京が閑静な街に変わる。
通常、お昼時なると事務所の近くの銀行、コンビニ等には長蛇の列ができるが
この時期だけ人が並ぶことはない。そして電車も空いている。
だが遠い将来、毎日がお盆休みのような街になる可能性もある。

2050年には日本の人口が最悪3000万人減少すると試算されている。

人口が減少すると私達の生活にどう影響するのか?

勿論良い面もある。
日本の国土面積は不変なので一人あたりの土地面積や居住面積が増えるというメリットがあるだろう。また電車の混雑も緩和されるであろう。
しかし、人口が減少すれば電車を運行する本数も減る。すると効率性が下がるので値上げの可能性もある。実際に地方のローカル線は毎年廃線となっており、今後もそういった状態が増えるであろう。
また人口流出の激しい地域は公共サービスの効率性が下がり、維持していくことが困難となってますます不便になるであろう。

では所得の面ではどうだろうか?
人口が減少しても一人当たりの所得が維持できれば問題は無いとの見方がある。
しかし経済には規模の経済性(生産規模を拡大した時に生産の効率が高くなること)が作用するので人口減少により経済効率は低下することが予想される。
所得の維持が可能であろうか?

既に人口減少の影響は日本経済の至るところに出てきている。
日本私立学校振興・共済事業団は先月末、今春の2008年度の入試で、4年生私大の47.1%に当たる266校で入学者数が定員割れだったと発表した。
ほぼ半分の私立大学で定員割れを起こし、今後も更に悪化が予想される。
大学が無くなった際の地域経済に及ぼす影響は非常に大きい。
スーパーやレストラン等での消費活動から交通インフラ、そして学生対象のアパート経営に至るまで。
大学が消えた街の様子は恐らく東京のお盆休みのように閑静な街に変わるであろう。

また都内、特に山の手線内の飲食店はフロアスタッフの募集に大変苦労をしている。
既に外国人労働者に頼っている店も多いが、以前は語学力がある水準に達していないと採用しなかったが、現在では語学力の低いレベルの人まで採用せざるを得ない状態だ。
結果、居酒屋で何度か注文を間違える場面に私は遭遇している。

人口の増減に対して海外ではどんな政策をとっているであろうか?
アメリカでは移民純増政策(様々な問題はあるが)を続けており、毎年300万人程度人口を増やしている。
またシンガポールでも毎年、3万人から4万人の外国人が永住権を取得し、1万人が新たに市民権を得ている。移民政策は国家発展の土台と考えているそうだ。
実際、シンガポールの人口はわずか440万人であるが、国際通貨基金(IMF)によると2007年の一人当たりの国内総生産(GDP)は日本よりも上である。

日本では移民政策が難しいかもしれない。犯罪防止や教育など様々な問題が出てくるであろう。
移民が難しいのであれば、年齢構成に対してどんな対策をするのであろうか?
高齢者が大半を占めるようになるこの国の社会保障制度をどのように確立し、また国の成長をどうしていくのか?人口政策の無い中で、消費税をいつ上げるか?を議論している場合ではない。

何もしないまま、人口の減少と高齢化を受け入れる覚悟がこの国と国民にあるだろうか?
人口が減少する中で今後も給与所得と年金だけに頼り続けることができるだろうか?
将来の人口や年齢構成がどうあるべきかという議論が無いこの国で、皆さんはどうしますか?