日経記事;『医 出づる国「2025年」に挑む(4)医療・介護ロボ、日本技術が道 3900億円市場へ』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『医 出づる国「2025年」に挑む(4)医療・介護ロボ、日本技術が道 3900億円市場へ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月31日付の日経新聞に、『医 出づる国「2025年」に挑む(4)医療・介護ロボ、日本技術が道 3900億円市場へ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『「体調はよさそうですね」。耳元で優しい声が響く。目を開けると、ベッドサイドからのぞき込むロボットのモニターに、主治医の顔が映っていた。

腕にはめた腕時計型センサーが、寝ているうちに血圧や体温を病院に送ったらしい。「シャワーでも浴びるか」。不自由な脚にスーツを装着すると、さっと階段を駆け下りた――。

SFの話ではない。すべて研究中や実証試験中の技術。10年後の先進国ではほぼ確実に実現可能だ。

厚生労働省によると、70~74歳で介護が必要な人の割合は6.3%。80~84歳は26.9%、90歳超では70%近くに跳ね上がる。超高齢化社会は超介護社会でもある。若い世代に代わり介護の担い手として注目されるのが、ロボットやIT(情報通信)技術だ。

一般社団法人「日本医工ものづくりコモンズ」(東京)の谷下一夫常任理事は「日本にはこの分野で世界のけん引役となることが期待されている」という。

「新たな産業革命」

6月に公表された政府の「日本再興戦略」は「ロボットによる新たな産業革命の実現」をうたい、医療・介護サービス現場での活用を描いた。経済産業省の推計では、国内の介護ロボット市場は2015年の191億円から25年には3910億円へと膨らむ。

「両肩をグッと持ち上げて。はい、ストン」。10月上旬、富士ソフトが神奈川県藤沢市の病院で行った実証実験。身長40センチのヒト型ロボット「パルロ」が高齢者に体操の実演を見せた。

参加した女性(69)は「動作が人間そっくりで驚いた」。同社の上竹淳二・ロボット事業部フィールドセールス室長は「いずれは高齢者の運動指導を任せられる」と自信をみせる。

神奈川県は昨年、国の地域活性化総合特区の指定を受けた。パルロのほか、リハビリを支援する小型機器やマイクロ波による見守りシステムの開発が進む。「企業と大学、医療機関が連携するロボット開発の集積地にしたい。雇用創出も期待できる」(県産業振興課)

トヨタ自動車は歩行リハビリ用ロボットを藤田保健衛生大と開発し、年内にも臨床研究を始める。自動車製造ラインで使う産業ロボットや制御技術も生かした。玉置章文・パートナーロボット部長は「将来を見据え、有力なビジネスの一つにしたい」と意気込む。

「日本のロボットの基礎技術は世界の先頭を進んでいる」。パナソニックロボット事業推進センター所長を務めた本田幸夫教授は太鼓判を押す。一方でこう付け加えることも忘れない。「このままでは実用化で後れをとる恐れもある」

ルール整備課題

課題は人材育成とルールの整備だ。08年に参入した大和ハウス工業のロボット事業推進室の坂口康人課長は「医療・介護の現場で操作に習熟したスタッフが少ない」。

同社のロボット事業は赤字が続き、営業部署を強化して現場への指導に力を入れる。公的保険の適用や、事故が起きた際の補償などのルール作りもこれからだ。

日本のお家芸であるものづくりの技術は、のしかかる高齢化や介護の負担を和らげ、未来を明るく照らせるか。この先の10年が試金石となる。』


本日の記事は、介護現場でロボットを使用するための実証試験の動きや状況について書いています。

現在、ロボットは、多くの国内企業が手掛け始めています。福島原発事故で必要性が再確認された災害対策用途、本日の記事にあります介護補助、家庭内で使いますエンターテインメント目的、企業の宣伝広告目的などさまざまな分野でのロボットの有効活用が想定されつつあります。

日本は、ロボットを支える基礎技術や素材、部品、装置、アルゴリズムを含めた基本的なソフトウエアなどで世界最先端のものをもっています。

しかし、国内企業は、これらの最先端技術やノウハウを活用して、世界市場で事業展開するところまでは行けていません。

このような状況になっている原因の一つが、国内で施行されている各種規制です。例えば、本日の記事にあります介護支援用途では、介護サービスロボットを普及させるための素地ができていません。

介護サービスロボットに高い安全性・正確性・信頼性を求めることは、当然です。例えば、CYBERDYNE株式会社の生活支援ロボットである、ロボットスーツHAL福祉用下肢タイプは、当該ロボットの安全性に関する唯一の国際規格原案ISO/DIS 13482に適合し認証を取得しました。

このISO/DIS 13482取得が安全性の担保となって、ロボットスーツHAL福祉用下肢タイプは日本国内の福祉施設で使用されるようになりました。

また、このロボットスーツHAL福祉用下肢タイプは、CE Marking[CE 0197]を取得し、EU全域で医療機器指令(MDD:Medical Devices Directives)への適合を認証されました。

但し、日本では未承認医療機器です。従って、国内用途では、福祉用途であり、医療機器ではないことを明確化するため、いつも「NON-MEDICAL」の注釈を付けています。

日本の薬事法とEUのCEマークでは、規制内容に異なる点があるので、一概に単純比較できませんが、ロボットスーツHAL福祉用下肢タイプが、国内で医療機器扱いとされる可能性があります。(もちろん、サイバーダイン社が、国内で医療用途としての申請を行う前提条件です。)

HALR下肢用(MEDICAL)は、CEマーク取得後にドイツの医療現場で使用されています。アメリカのFDA承認が認められれば、この市場でも医療現場で使用され始めます。

日本のロボット産業は、国内で実証試験を行い、実用化の目処がたてば、世界市場で事業展開しないと収益拡大が見込めません。国内市場だけでは、小さいことによります。


さて、規制緩和の事例で言いますと、政府は、2013年12月24日に「産業用ロボットに係る労働安全衛生規則第150条の4の施行通達の一部改正」を通知しました。

それまでは、日本国内では労働安全衛生規則が適用されており、製造ラインでは産業用ロボットを安全柵などを設けて作業者と分離して使用する必要があり、作業者との共存・協調作業が認められていませんでした。

上記の改正は、国際規格と歩調を合わせるものであり、一定の条件下で製造ラインでの、人とロボットの共存・協調作業を認めています。

この規制緩和を受けて、川田工業株式会社が開発したロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」は、ヒト型ロボットの一つであると共に、人が並ぶ製造ラインに入り込む形で導入されつつあります。

日本は、少子高齢化で間違いなく製造ラインでの作業者数が減少していきますので、「NEXTAGE(ネクステージ)」のようなヒト型ロボットの需要は拡大します。

このような製造ラインで働くヒト型ロボットの需要は、少子高齢化が進む中国やタイなどの海外市場でも必要性が増しますので、世界市場で高い需要が見込まれます。

介護・医療用途でも規制緩和が進んで、より低コストで当該目的用ロボットが、導入できるようになるとさまざまな分野での開発・実用化が進みます。

さまざまな分野でのロボットの開発・実用化が進みますと、多くの関連するベンチャーや中小企業にも新規事業機会が生まれます。

ロボット産業は、自動車と同じように、メカ機構などの基礎技術や素材、部品、装置、アルゴリズムを含めた基本的なソフトウエアなどの多岐にわたり、すそ野が広いのが特徴です。しかも、多くの国内企業が強みをもっています。

国内で開発・実用化した技術や商品を世界市場で販売して、大きな新規事業機会を作ることが重要です。

この視点から、政府による規制緩和と関連する企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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