「英会話」「語学留学」ごっこはそろそろ止めにしませんか

「英会話」「語学留学」したら英語で学位が取れますか？

取れません。

で、終わってしまいそうな、問い合わせに回答しました。　

質問者のNaiveさ（経験・知識不足）だけの問題だけではなさそうです。

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現在、２７歳、建築関係の仕事についており、英語とは大学以来無縁です。

今から英会話を勉強、一年半後にカナダに語学留学、その後カナダで建築のプログラムを修了するというのは難しい道のりでしょうか。

そちらで教えているクラスのレベルを教えて下さい。

社会人向けの初級コースというのはありますか？

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このような問合せに回答する度に、日本のほとんどの方が持っているかも知れない「思い込み」に切り込み、いわゆる「夢」を壊さざるを得ないことに、この国の持つNaïveさを強く感じてしまいます。

Naïve: having or showing a lack of experience or knowledge

(Merriam Webster dictionary)

「経験、知識不足さを露呈する様子」

日本語が勝手に決めた「ナイーブ」とは全く異なるのが英語の”Naïve” の意味です。

では、この問合せのどこがNaïve なのかを検証してみましょう。

１． いわゆる「英会話」というものは存在しません。　従って、それを勉強することは不可能です。

日本人の英語勉強法は、恐ろしく遅れた学校英語教育に大きな影響を受けており、「単語」

フレーズ」の暗記＝英語の勉強として固定化されています。

その固定観念により、「暗記した単語やフレーズ」をオウムのように繰り返すことが、「英語」の勉強だとの間違った「思い込み」が蔓延しています。

「暗記した単語・フレーズ」を外国人相手に繰り返すことを「英会話」と定義し、「一億人英語ごっこ」を何十年も続けてきた結果、世界でも有数の英語が出来ない国になってしまいました。

「英語を話す」とは、英語の思考法に基づき「なぜ」「原因＆結果」を論理的にむすびつけ、正しい文法、発声を使い、自分の意志を伝えることです。

また、同じく相手の意志をInference, Implication（言葉に現れていないが示唆されている意味までも）理解する。

これが「英語を話す」ということです。

日本語も同じはずですよ。

日本語でコミュニケーションを取ろうと思ったら、微妙に曖昧な日本人の思考法理解は欠かせませんね。

「日本語会話」と言っても何のことかわかりませんよね。

それと同じです。

「英会話」は日本人のごっこ遊びです。

２．「語学留学」という概念も日本語にだけ存在する「留学ごっこ遊び」です。

留学とは、ある外国に滞在し、その国で得ることの出来る技能・能力を磨くために勉強すること。

ですね。

滞在し、勉強するためには、その国の言語運用能力は必須です。

その言語を使って勉強するわけですから。

日本から毎年多くの若い人たちが「語学留学」と称してカナダにもやって来ます。

実は、「留学」ではなく、言語を理解する能力ないため「留学」手前の準備を（一応）提供するところでお茶を濁して帰って行きます。

本来は、日本で「留学出来る能力の準備」をしてから渡航すべきなんですけどね。

ほとんどの人は、単に外国で楽しみたい！「留学もどき」ごっこで満足しているようです。

「語学留学」は「団体海外旅行」と同等レベルの体験だと理解してください。

２． カナダで自分の専門のプログラムを履修するための能力

大学・大学院で専門分野のプログラムに入学するためには：

 過去の成績GPAがかなり高いことが必要

 英語で授業内容を運用する能力(例えばTOEFL iBT 90~100点以上)が必要

 問合せの「建築」などのプログラムに入学するには、Prerequisite と言って、前もって履修済みの専門分野の単位が必要な場合がある。（各大学・大学院により規定は異なる）

これらが必須です。

ですから、「英会話」から「語学留学」程度の準備ではまず不可能なプランです。

もし現在の英語レベルが

「TOEFL70以上、クリティカルシンキング思考法を理解し、論理的な英語の観点から意見を述べたり、書いたり出来る」

ということでしたら、１年半後にカナダの大学キャンパスに立っている可能性は高いです。

４． 最後の「どんなクラスがありますか？」です。

社会人からの問い合わせには必ず含まれる質問です。

どうしても、型に自分を当てはめないと不安な日本人心理でしょうか。

そんなもともと学校が勝手に決めた枠の中では、自分の現在の能力から次のレベルに上がることは無理ですね。

学校のクラスの種類に自分を合わせるのではなく、上記３番で説明した能力「TOEFL70以上、クリティカルシンキング思考法を理解し、論理的な英語の観点から意見を述べたり、書いたり出来る」にどうしたら上がれるのかを考えることです。
 

そのためには、英語の論理、クリティカルシンキングを基礎から始める必要がありますし、英語思考法に基づいた文法の総復習も必要。

自分の意見を論理的・具体的に表現する訓練も必須です。

で、あなたはどこから手をつけたいですか？

残念ながら、このような回答と質問をすると、問い合わせた１０名の中、８名はす～っと音もなく消えて行きます。

「夢を壊された。。。」とすねたのかも。

私としては、「じゃ、行ってから壊れるのを見て下さい。」としか言えないですけどね。

もどかしいです。

残りの２名はまぁレッスンを始めます。

が。

あっという間に英語理解能力がつく方法があるはず、という「思い込み」に負けて1.5名はまたしても消え去ります。

そんなにちょこっとで、英語圏の大学レベルの人と同等の言語能力が付くはずがないことは、明らかなんですけどね。

さて、あなたは、最後の0.5名になる強い意志と、自分自身の未来への具体的な展望をお持ちでしょうか。

日本の若者の5% でもサポート出来たら幸いです。

Good Luck!

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 カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club（大澤眞知子、Robert McMillan）