「稼げる税理士」になる方法(田中弘・本郷孔洋) - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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「稼げる税理士」になる方法(田中弘・本郷孔洋)

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雑感 書評
今日は、業界のノウハウ本を紹介します。

今年の7月に出た本で、田中弘・本郷孔洋共著
「他人より年収10倍「稼げる税理士」になる方法」
(すばる舎リンケージ)です。

賛否両論ありそうな本ですが、
多くの税理士に足りない点の指摘が多く、
私も「ヤバイ」と気付かされる点が結構ありましたね。
(特に178ページ「天丼とカツ丼は食うな」は、
痛いところをつかれましたね。)
ただ、書いてあることの大半は、当たり前のことなんですよね。
当たり前のことが当たり前に出来ていないから、
こういう本がノウハウ本で出るのかなあ。

以下で紹介する文章は、私も教え子や後輩たちに
よく言っていることですが、業界ではほとんど聞かない言葉です。

例えば、「最短距離で1人前になろう」(56−7ページ)では、
「資格というものは早く取ったほうがいいに決まっています。
なぜならそれはひとつの通過点に過ぎないから。
本当の目標は1人前の税理士になること、そして稼げる
税理士になることです。ならば資格はできるだけ早めに取る。」
と書いています。
税理士業界では、「免除は使えない」は定説となっていますが、
近年、大学院補佐人講座の研修を受講した先生を中心に、
見直されつつあります。
大学院は楽だ、とか、試験を逃げた免除虫、だとか言われていますが、
税理士資格はゴールではないはずです。
スタートラインに辿り着けなければ意味がないのです。
税理士という商売は、税理士になってからが勝負なんですよね。
私はダブルマスターであることを公言していますし、
さすがにこれは支部長から怒られましたが、
「免除をお嫌いな方は私の研修に来て頂かなくて結構です」
とまで公言したこともありました。

また、「修行時代に“決め球”を手に入れよう」(62−3ページ)では、
野村監督が井川投手について評価していることを紹介し、
「特徴のある事務所作りに専念せよ」(116−7ページ)では、
「とくに特徴もないということになると、結局差別化の方法は料金ということ
になります。そうなると値下げ競争になり、どんどん単価が下がります。」
という厳しい指摘をしています。
稼げる税理士になりたいのであれば、他の税理士があまりやらないことを
やるべきですし、後輩たちには、「稼ぎたければ相続を武器にしろ」
と言い続けています。
武器がなければ、他の税理士と差別化できないのですから、クライアント
からの値下げ要求に応じなければ顧問契約を切られるだけですよね。

特にOB税理士を中心に、プロフェッショナルの意識もなく、
特徴もない方が多すぎるように感じています。
この業界を知ってもらう意味でも、クライアントだけではなく、
銀行や保険会社等にも読んでもらいたいですね。