日経記事;『NTTデータ、ダイムラーのシステム受注』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『NTTデータ、ダイムラーのシステム受注』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月19日付の日経新聞に、『NTTデータ、ダイムラーのシステム受注』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NTTデータは欧州自動車大手の独ダイムラーの業務システムを世界規模で運用する。新車の販売データや物流などの情報を一元管理する。ダイムラーからシステムの開発と運用を受注した。

受注額は追加契約を含めると100億円を超えるもよう。欧米などでIT(情報技術)企業を買収し海外でシステム運用できる体制を整えてきた初の成果となる。

ダイムラーは、ドイツに集約していたシステム開発拠点を新興国のインドとトルコ、メキシコにも分散する計画。人件費を減らし、各地域のニーズに合ったシステムを整備する計画という。グローバルで事業展開するIT企業10社を対象にした入札をNTTデータが勝ち抜いた。

同社が運用するのはダイムラーの新車の販売・物流のほか倉庫管理、部品の調達、会計など多岐にわたる。

NTTデータは世界展開では米IBMなどの世界大手に比べ出遅れてきた。1月にスペインのIT大手エヴェリスを500億円で買収するなど巻き返しに動いている。

ダイムラーからの受注を足掛かりに海外事業を伸ばしていく。買収効果などで2014年度の海外売上高は前年度比35.9%増になると見ている。』


本日の記事は、NTTデータが世界市場で事業展開している独自動車大手のダイムラーから、販売データや物流などの情報を管理するシステムの開発・実用化・運用を受注しました。

一般的にこのようなシステムは、日本語では企業内の資源を最適に使えるように管理する仕組みのことを指し、一般的にERPと呼ばれています。

ERPは、Enterprise Resource Planning の略称となっています。

ERPが一般的に扱うものは、企業の経営における、製造・物流・販売・調達・人事・財務会計と多岐にわたります。

ERPをビジネス用に開発・実用化したのは、独SAP社でサービス名はSAPと呼ばれています。独SAPは、大手企業に対するERPの世界市場で、2/3のシェアをもっているとされます。

一般的に世界のERP市場では、独SAP以外にオラクル社やマイクロソフトなどの欧米企業が大半のシェアを取っています。

このようなERP市場で、NTTデータがIT企業10社との競合で打ち勝った意義は大きいものがあります。

NTTデータをはじめとする国内大手ITベンダーは、積極的に欧米およびASEANに進出しています。しかし、多くの場合、国内大手ITベンダーの主要顧客は、日系企業になっています。

これは、大手ITベンダーと言えども、現地企業入り込むことが難しいことによります。一般的に欧米企業は、「一見さん」お断りの状態であり、日本国内で事業実績がある大手ITベンダーも直接面談することも容易ではありません。

海外ITベンダーと企業の間には、システムインテグレーター(System Integrator:SIer)やビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing;BPO)などの事業者がいます。

一部の大手ITベンダーは、企業に直接ソフトウエアパッケージや各種ITサービスを売り込んでいますが、多くの中堅や中小ITベンダーは、SIerやBPO事業者などを通じて、ソフトウエアを販売しています。

日系ITベンダーの場合、多くの企業は欧米ITベンダーと同じように、SIerやBPO事業者などに食い込もうとしていますが、なかなか思うように実現できていません。

これは、すでに海外のIT市場で強固に築かれた岩盤のような仕組みになっていることによります。
もともと、ITは欧米から生まれたものであり、欧米企業や、SIer、BPO事業者などにはなんで今さら日系ITベンダーと新規に取引を行う必要があるのかという考えがあることも影響しています。

そのため、多くの日系ITベンダーは、海外市場で日系企業を主要顧客にせざるを得ないのが実状です。

その視点からみますと、今回、NTTデータが公開入札を勝って、独ダイムラーに直接売り込むことができたのは、画期的なことです。

これを契機に多くの日系ITベンダーが、欧米やASEAN市場開拓することを期待します。

現在、多くのベンチャーや中小のITベンダーが、欧米やASEAN市場開拓を目指しています。しかし、知名度や海外実績がない企業が単独で海外市場開拓することは、極めて困難な状況になっています。

一番の近道は、上記、SIerやBPO事業者などに食い込んで、彼らの販売チャネルを通じて企業に紹介・提案をしてもらうことです。

そのための方法は幾つかありますが、その前に前提条件があります。当該ベンチャーや中小ITベンダーのソフトウエア商品やサービス内容が、徹底的な差別化・差異化をもつものであり、優位性をもっている必要があります。

既存の欧米ITベンダーがもっていない優位性が必要になります。

IT業界は、日々迅速に変化しています。その事業環境下で、徹底的な差別化・差異化をもつものでなければ、世界市場では通用しません。

徹底的な差別化・差異化をもつソフトウエアやサービス内容であれば、代理店を活用したり、海外展示会への出展などにより、潜在顧客企業やSIerやBPO事業者などに知ってもらえる可能性があります。

今回のNTTデータの海外受注は、海外市場開拓を目指す国内ITベンダーに大きな刺激を勇気を与えます。

今後、国内ITベンダーが欧米やASEAN市場開拓を積極的に行うことを期待しつつ、同時に、用意周到に行わないと実現が難しいことも理解・認識していただきたいと考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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