日経記事;『グーグル、拡大路線重荷に 7~9月減益 競争激化で投資増』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『グーグル、拡大路線重荷に 7~9月減益 競争激化で投資増』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月18日付の日経新聞に、『グーグル、拡大路線重荷に 7~9月減益 競争激化で投資増』のタイトルで記事が掲載されました。


本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『インターネット検索最大手、米グーグルの拡大路線が収益の重荷になってきた。16日に発表した2014年7~9月期決算は、データセンターの新設や人員の増強など積極的な投資がかさみ、2年ぶりの減益となった。事業基盤の拡充を急ぐ背景には、激しさを増す競争環境がある。

「(データセンターは)グーグルのあらゆるサービスを支えるインフラ。必要になってからでは遅い」。パトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)は16日のアナリスト向け電話会見で、世界中でデータセンターへの投資を拡大していることについて、理解を求めた。

7~9月期の設備投資額は24億1700万ドル(約2570億円)と、5四半期連続で20億ドルを超えた。

このペースが続けば、15年には年間で100億ドルの大台を超えるのは確実とみられる。12年の3倍の規模だ。

技術者を中心に採用も急増している。9月末時点の従業員数は5万5030人と、6月末から3000人近く増えた。米国の新卒の入社時期という季節要因もあるが、1年前のほぼ2倍。ピシェット氏も「今年は採用の当たり年だった」と認める。

もともと短期的な収益より長期的な成長への投資を優先すると公言してきたグーグルだが、これまでにないペースでインフラや人材への投資を増やすのは、新たな競争や事業領域の拡大に対応するためだ。

「検索の最大のライバルはアマゾン」。エリック・シュミット会長は13日、訪問先のベルリンでこう語った。

検索市場で圧倒的なシェアを握るグーグルだが、ネットでの買い物に限れば、「ググる」よりアマゾン・ドット・コムのサイトに直接行って欲しいものを探す消費者が増えている。

グーグルはアマゾンに対抗して食品や日用品の宅配事業にも進出したが、ネット通販の拡大という成長機会を十分に生かしているとは言いがたい。

同じ構図はスマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)を使ったモバイル検索にも当てはまる。グーグルはスマホ向け基本ソフト(OS)で8割超のシェアを持つが、ブラウザー(閲覧ソフト)の検索窓にキーワードを入力するより、フェイスブックのアプリで「友人」から情報を入手するというユーザーが増加。14年のモバイル広告市場におけるフェイスブックのシェアは22%と、5割を握るグーグルを猛追している。

「広告事業や新規事業の成長には引き続きわくわくしている」。ピシェット氏はこう述べたが、16日の米株式市場の時間外取引でグーグルの株価は一時、同日の終値より3%超下落した。』


本日の記事は、スーグルがデータセンターの拡充やIT技術者獲得などに投資を積極的に行うため、短期間な収益悪化に直面することについて書いています。

現在、米大手ITベンダー間の競争は、激化しています。

グーグルは、検索分野ではシュミット会長が指摘しているように、アマゾンが当面の最大の競争相手になります。

アマゾンは、ネット通販事業で積極的な投資を行っており、物流インフラやデータセンターに少々過剰なほどの投資を行っています。

当然、アマゾンの短期的な収益は良くありませんが、ネット通販事業のプラットフォームを徹底的な投資で押えるやり方にいささかの迷いもありません。

アマゾンが、当初余剰感があったデータセンターを安い料金で提供し始めたクラウド事業「「アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)」が非常な勢いで伸びています。

アマゾンは、AWSの売上を公表していませんが、2013年11月14日付のウオールストリート・ジャーナル誌によると、アナリストは年間40億ドルの売り上げがあると推測しているとのことです。

また、同記事によると、「アマゾンは多くのテクノロジー関連新興企業から米中央情報局(CIA)など政府機関まで、多くの組織がAWSのサーバーをレンタルしている。CIAは最近、AWSと6億ドル(約600億円)でデータ保存契約を結んだ。」としています。

ご存知のように、米大手ITベンダーでは、データセンター事業に対してIBM、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどの大手が激しい競争を行っています。

米大手ITベンダーがデータセンター拡充に積極的に投資するのは、スマホの急速普及によるインターネットの出口端末数の増加です。

世界中の人びとが、スマホを通じてインターネットに接続して、Webサイトなどから情報収集や各種サービス提供を得ようとします。

必然的に、スマホユーザーに対して、商材やサービスを提供する事業者数が急増します。アマゾンのAWSはそのような需要を取り込んで事業を伸ばしてきました。

スマホというプラットフォームを使用する事業者は、データセンター;クラウドサービスを活用すれば、多額の投資や多くのIT管理者の雇用なしに、事業自体に注力できます。

データ消滅やウイルスによる情報流出などのリスクがありますが、多くの事業者、特にベンチャーや中小企業にとって、データセンター;クラウドサービス活用は合理的な選択になります。


グーグルにとって、もう一つの競合相手は、フェースブックです。グーグルが一般的なWebサイトからの検索行為から広告につなげるビジネスモデルであるのに対して、グーグルは、実名公表を前提とするクローズなWebサイト環境下での広告につなげるやり方をとります。

10月17日付の日経新聞に、『フェイスブック、実名フル活用 新戦略に「精度高い広告」「安否確認」 プライバシーどう守る』のタイトルで記事が掲載されました。

この中で、世界市場のネット広告シェアが記載されており、グーグルが31.45%、フェースブックが7.79%、マイクロソフトが2.54%、ヤフー2.52%などとなっています。

数字上では、グーグルが圧倒的なシェアをもっていますが、同記事によると、フェースブックはモバイルを活用する顧客に対して、狙った属性の個人に広告が届く割合は従来のネット広告が4割、フェイスブックは9割と高くなるとしています。

当然のごとく、広告を提供する企業は、より効果的なネットインフラを活用することになりますので、フェースブックの世界シェアは、グーグルの牙城を脅かす存在になります。

上記のように、グーグルは、アマゾンおよびフェースブックなどとの激しい競争に勝ち抜くため
、データセンターだけでなく、自動車の自動運転などの分野に積極的な投資をして、将来の事業基盤の強化につなげようとしています。


一方、このようなインターネット世界の出口端末となるスマホは、中国やインド製の安価な商品が市場を席巻しつつあります。

ASEAN域内では、スマホの主役は、アップルやサムスンではありません。安価な中国やインド製の商品が急速に普及しています。

10月18日付の日経新聞に、『アップル人気揺らぐ中国 iPhone6発売も反応薄 苦肉の旧機種値下げ」のタイトルで記事が掲載されました。

その中で、サムスンのシェアが、2014年4~6月期の売上で、前年同期比で18.6%から15.4%に下がっていることと、iPhone6人気が盛り上がらないことについて書いています。


このような世界市場環境下で、国内企業の動き方が重要になります。

例えば、ソニーは国内企業の中で唯一スマホ事業について海外市場を含めて提供しています。スマホは、確実にテレビと同じように汎用化が進んでいきますので、ソニーが当該事業を主力の一つとして行うならば、ウエラブルなどの新分野でソニーらしいワクワクさせる商品やサービスを提供できないと赤字状態を続けるだけのことになります。

国内部品メーカーは、スマホ事業者に対して多くの主要部品を提供しており、そのプラットフォームを支えています。

ソニーもカメラ機能用のCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーデバイスを提供しており、事業の柱の一つになっています。

国内企業は、スマホを支える部品提供者に徹底するやり方もあります。部品という観点では、ソニーは、10月16日に車載カメラ専用の星明かりよりも暗い闇夜の環境下でも高画質なカラー映像を撮影できるCMOSセンサーを商品化すると発表しました。

このような高画質CMOSセンサーは車載カメラに搭載され、トヨタ自動車やグーグルなどが積極的に行っている自動運転車を支える重要部品となり、将来の市場拡大を見込めます。


中小企業にとって、国内外でインターネットの出口が広がることは、商品やサービスをネットを通じて世界市場に提供できる機会が生まれます。

残念ながら、現時点では、世界市場で活躍する大手国内ITベンダーはいませんが、米ITベンダーが作るプラットフォームをフル活用することで、新規事業機会を立上、拡大する動きが中小企業で活発化しています。

私も国内で競争力をもつ中小企業が更なる収益拡大のために、ネットを活用して海外事業展開する支援や相談を受ける機会が急増しています。

中小企業は、今後の米大手ITベンダーの動きに注目して情報収集し、海外市場での事業展開に彼らのプラットフォームをどう活用するか考え、実施することが重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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