日経記事;『次世代電力計、東芝が攻勢 ブラジルで大型案件獲得、新興国を開拓 』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『次世代電力計、東芝が攻勢 ブラジルで大型案件獲得、新興国を開拓 』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月13日付の日経新聞に、『次世代電力計、東芝が攻勢 ブラジルで大型案件獲得、新興国を開拓 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝が世界のスマートメーター(次世代電力計)市場で攻勢を強めている。子会社のランディス・ギア(スイス)がブラジルで約110万台を新規に受注し、9月のフランスに続く大型案件を獲得した。

スマートメーターは日本を含む世界で普及が始まっており、今後数年間は成長が続く見通し。東芝はランディスを柱に今後南米など新興国を開拓し、欧米の競合に対抗する。

ランディスは2014年からの5年間に、ブラジルの配電会社ライトに対して約110万台を供給する。受注額は約340億円。次世代電力計は、同国にあるランディスの工場などから出荷する見通しで、設置工事や保守点検まで網羅的にサービス提供する。

同社は9月にもフランス電力公社の配電子会社との間で、約100万台を供給する契約を結んだ。昨年には、英エネルギー大手ブリティッシュガス向けに20年までに1000万台強を提供する長期契約を締結するなど、相次ぎ大型受注を獲得している。

スマートメーターは、都市や地域の電力網を総合的に制御・管理する「スマートグリッド」の概念とともに生まれた。IT(情報技術)を使って電力需給を制御し、電力ロスをなくして安定的に供給するスマートグリッドを実現するには、電力需給をほぼリアルタイムで把握できる次世代電力計が欠かせない。

ランディスは、東芝が11年に政府系ファンドの産業革新機構と共同で買収した。13年度の年間売上高は約1500億円のもようだ。世界市場では3割近いシェアを持つランディスと、米アイトロンが首位を争いを演じており、これに独エルスターや米ゼネラル・エレクトリック(GE)が続く構図だ。

調査会社のテクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)によると、次世代電力計の市場規模(出荷台数ベース)は18年に8235万台と、12年実績比2割伸びる。19年ごろから伸びが頭打ちになる見通しだが、いったんメーターを納入すれば、保守や点検など安定的な収益が期待できる。

ランディスは今年6月に、スマートメーターが収集した電力消費データを解析する米ソフト会社も買収した。

東芝はグループとしてハードとソフトの両面で競争力を強化し、先進国に加えて南米やアジアなど新興国の開拓を加速する。』


東芝は、本日の記事にありますように、2011年にスイス法人であり世界最大手のスマートメーターの企業であるランディス・ギアを買収しました。買収額は23億ドル(1,863億円、81円/ドルで換算、純負債額含む)とされています。

当時、東芝は、集中と選択を積極的に行っており、汎用化が進んだAV家電の合理化と、新規事業分野としての環境・エネルギー事業に、経営資源を集中化を行っていました。

その一環として、東芝はランディス・ギアを買収しました。

スマートメーターは、携帯無線などにつないで通信機能を持たせた電力計のことであり、電力使用量のデータを電力会社に30分ごとなどに自動送信する機能をもっていますので、ほぼリアルタイムに使用電力量を把握できます。言わば、IoT化された電力計となります。

東芝は、スマートメーターを都市、地域、企業、家庭などで使用される電力量をインターネットにより双方向で把握・使用量コントロールを自動化して、最適な発電・送電網を維持・管理するスマートグリッドのコアデバイスとして位置づけています。

このため、東芝は、世界市場でスマートグリッド事業を展開するための切り札として、ランディス・ギアを買収しました。

日本でも、例えば、東京電力は2015年度には320万台のスマートメーターを導入し、20年度までに管内全域に2700万台の設置を終える計画をもっています。


さて、本日の記事は、ランディス・ギアが世界市場で相次いでスマートメーターの大型案件を受注していることについて書いています。このように、ランディス・ギアが世界市場で順調にスマートメーターの受注を継続できれば、東芝は買収金額の投資回収と共に、世界市場でスマートメーターのプラットフォームを押えることが可能になります。

世界市場では、米GEや独シーメンスなどの欧米企業がスマートグリッドの事業展開を加速しています。

東芝が世界市場で勝ち組になるには、先行しているGEやシーメンスなどとの競争を制する必要があります。

後発企業である東芝がGEやシーメンスなどと競争するには、M&Aにより、短期間にスマートグリッド事業を強化する必要がありました。

この点では、東芝がランディス・ギアを買収したのは、合理的なやり方でした。さらに、このランディス・ギアが期待したように、スマートメーター事業を拡大していることは、東芝がスマートグリッド事業のプラットフォームを強化していることを意味しています。

現在の東芝の課題は、スマートメーターをコアにして行うスマートグリッド事業の展開に移っています。本日の記事にあります、ランディスによるスマートメーターが収集した電力消費データを解析する米ソフト会社の買収もその一環とみます。

東芝が、国内および海外市場で、どのようにスマートグリッド事業を展開して、GEやシーメンスなどの欧米企業と戦って、世界市場で勝ち組になるか、注目していきます。

国内企業では、東芝以外に、日立製作所、三菱電機、パナソニックなどの大手メーカーが、環境・エネルギー対応事業を新規事業の中核に入れています。

今後、各大手企業が当該事業分野の世界市場でビジネス展開していくのか、注目していきます。
これらの大手企業の周辺には、ベンチャーや中小企業にも大きな新規事業機会が生まれることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 


 

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