日経記事;『ビジネスTODAY自動車へ日立走る 自動走行公開、部品IT化 グーグルもライバルに』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ビジネスTODAY自動車へ日立走る 自動走行公開、部品IT化 グーグルもライバルに』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月11日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY自動車へ日立走る 自動走行公開、部品IT化 グーグルもライバルに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所が自動車分野で攻勢をかける。自動走行などに必要な新技術を10日に初公開し、関連する自動車部品を世界の自動車メーカーに売り込み始めた。

自動車のIT(情報技術)化が急速に進むのを好機ととらえ、自動車部品を早期に2兆円事業に育て収益の柱にする。米グーグルなど強豪がひしめくなか、日立は快走できるか。

「カーブでもブレーキを踏まずに勝手に減速するのか」。東京ドーム10個分の広さを持つ日立オートモティブシステムズの十勝テストコース(北海道帯広市)。トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車大手約15社の技術者ら100人以上が招かれ、新技術に驚きの声を上げた。

日産と同じ源流

テスト車両は約20台。全地球測位システム(GPS)の地図情報とカメラで撮影した道路上の白線を連動させて自動走行する技術や、自動で駐車スペースを見つけ、運転者がハンドルに触れることなく駐車する技術などを披露した。カメラやセンサーなどの部品を自動車メーカーに販売していく。

2013年度の自動車部品の売上高は8921億円、営業利益率は5%。13年度の設備投資は5年前の5倍、研究開発投資は6割増に積み増すなど強化を急ぐ。目標の売上高2兆円は13年度に最も売り上げが多かった情報通信に並ぶ規模。日立は自動車部品を新たな成長エンジンと位置づける。

日立の自動車部品事業の歴史は長い。そもそも日立は1910年、日産自動車と同じ源流を持つ企業の修理部門として創業。30年に自動車部品に進出し、日産を支えてきた。日産のカルロス・ゴーン社長が系列解体を進めたときにはエンジン部品のユニシアジェックスなどを本体に吸収した。

現在は日立オートモティブとカーナビのクラリオンが中核。品ぞろえは幅広く、エンジン制御からステアリング、ブレーキまでそろえる。エコカーでもモーター、バッテリー、インバーターの3点セットを手がけ世界大手に供給実績がある。

日立が攻勢をかける背景には、自動車の急速なIT化がある。「走るIT」とも呼ばれるほど、自動車はいまハイテクの塊だ。コンピューターや家電などで培った電機のノウハウを武器にすれば商機が広がる。

富士重工業の自動ブレーキ「アイサイト」にカメラを供給。日産の電気自動車(EV)「リーフ」向けにはインターネット経由で充電状態を管理するシステムを供給するなど成果を出しつつある。

ただ競争は激しい。デンソーや独ボッシュなど伝統的な部品メーカーに加え、パナソニックやソニーなど電機のライバルも自動車部品市場になだれ込む。グーグルやアップルなど米IT大手も自動車分野に手をのばす。過去の蓄積だけでは通用しない大競争。それが日立の直面する現実だ。

「リコール減少」

日立に勝ち目はあるのか。日立オートモティブの川端敦・最高技術責任者(CTO)は「日立が持つインフラ技術に車が近づいてきた。クラウドコンピューティングとの融合で強みを発揮できる」と訴える。クラリオンの泉龍彦会長も「IT企業と違って自動車大手との長いつきあいから得たノウハウがある」と胸を張る。

報道機関向けには公開されていないが、日立にはとっておきの技術がある。車部品にセンサーをつけて稼働状況を常時把握。不良部品があれば素早く察知し、交換を促すしくみだ。ある自動車大手の幹部は「この技術が実現すれば、リコール車両を減らすことができる」と打ち明ける。日立が得意とするビッグデータ分析やクラウドが新たな需要を掘り起こす。

日立の自動車部品事業は存続の危機もあった。リーマン・ショックで日産向け販売が低迷し、08年度に国内製造業で過去最大の7800億円の最終赤字を計上する主因となった。事業の売却さえささやかれた。しかし川村隆会長兼社長(当時)は巨額の負債を本社に残し、子会社として独立させる手法で事業を温存した。

80年に及ぶ経験と最先端のITを融合し、他社にない独自性を打ち出す――。そんな難しいハンドルさばきを日立は問われる。』


自動車は、確実に電子化・IT化が進んでいます。日立製作所、パナソニック、ソニーなどの大手電気機器メーカーが自動車用途の部品・装置などの提供事業に大きな関心をもって、対応しようとしていることはこの点から合理的です。

自動車需要自体は、世界の人口増加と所得増により、今後とも世界市場で伸びていきます。自動車は、安定した走行、安全・安心である基本機能に加えて、快適さや楽しさなどのエンターテインメント性が求められます。

さらに、自動車は環境・エネルギーに優しいものであることも必要不可欠になっています。

上記要求機能や性能、および、エンターテインメント性などの実現に貢献しているのが、自動車内部で使用される各種部品やソフトウエアを含むITです。

国内自動車メーカーの強みを支えているのが、周辺に存在する多くの関連素材・部品メーカーです。

自動車産業は、すそ野が広いので、自動車メーカーの競争力は日本の経済力に直結します。自動車は、上記しましたように、世界市場で要求される機能や性能が変わりつつあり、環境・エネルギーと安全・安心への対応力向上が求められています。

グーグルが自動運転にこだわるのは、自動車産業のプラットフォームを押えることにあるとみています。

自動車の自動運転を実現するために必要な、OSの提供、インターネット・通信環境の整備、映像・音声データの高速処理を実現するアーキテクチャーの実現・提供を行って、スマホと同じように、自動車産業のプラットフォームを押えることで、グーグルの地図や検索のサービスと組み合わせることで、広告などで大きな利益を生み出すビジネスモデルを作ることにあるとみています。

現在のスマホの世界市場では、アップルとアンドロイドOSを担いでいるサムスンや中国メーカーが主導権を取っています。

独自OSで事業展開していますアップルを除くと、アンドロイドOSを担いでいる家電メーカーは、汎用化が進んでいるスマホ市場で激しい競争にさらされています。

国内家電メーカーでは、ソニーのみが積極的に事業展開していますが、中国メーカーの廉価品にシェアを奪われています。

グーグルは、どのアンドロイドスマホメーカーが勝ち組になっても、スマホというインターネットの出口が増えることで、検索事業や広告収入を拡大しています。

これは、スマホのOSというプラットフォームを抑えていることによる強みによります。

残念ながら、国内企業は、アップルやグーグルのように、OSのプラットフォームを押えることはできません。

しかし、スマホを構成する部品をみますと、高周波部品(TDK、村田製作所、太陽誘電など)、カメラの手振れ補正用アクチュエーター(アルプス電気、ミツミ電機など)カメラCMOSセンサー(ソニーなど)、液晶パネル(シャープ、ジャパンディスプレイなど)数多くの日本メーカーが貢献・提供しています。

素材・部品メーカーの視点からみますと、スマホの勝ち組企業が誰であれ、経済合理性に基づいて提供することで、収益確保・拡大が図れます。

いわば、OS以外のスマホを構成するプラットフォームを押えるやり方になります。

日立製作所、パナソニック、ソニーなどの大手電気機器メーカーが自動車に対する部品提供を行うことは、スマホと同じように次世代自動車を構成するプラットフォームを押えることにあります。

従来のガソリンエンジン車は、内燃機関を中心にしたハードウエア商品主体でしたが、高性能の環境・エネルギー対応力を実現するために、多くの電気・電子部品が使われるようになっています。

さらに、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車などの次世代自動車は、電気・電子部品の固まりになりつつあります。

また、エンジン、モーター、センサーデバイスなどの主要部品がIoT化され、インターネットを通じて、多くのデータがサーバーやクラウドに送られるようになると、高速処理を行って自動車に必要な
情報を送って、最適な走行や安全・安心を担保する機能が要求されます。

必然的に各電気・電子部品に対する要求仕様も変わります。上記する国内メーカーが、当該部品提供に成功すれば、自動車メーカーが誰であれ、次世代自動車を構成するプラットフォームを押えることになります。

本日の記事にあります日立製作所は、得意なITも含めて次世代自動車を構成するプラットフォームを押える事業目標をもっていると理解します。

このやり方は合理的です。

日立製作所だけでなく、多くの国内部品・電機メーカー間で切磋琢磨して競争力を磨くことにより、世界の自動車メーカーが国内メーカーの協力なしに次世代自動車を開発・実用化できない世界を作ることを期待します。

この視点から日立、パナソニック、ソニー、各部品メーカーの次世代自動車産業に対する取組に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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