PCT国際出願のすすめ~使い勝手の良さを見直し~ - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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PCT国際出願のすすめ~使い勝手の良さを見直し~

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PCT国際出願のすすめ

~使い勝手の良さを見直し~

2014.10.10 大竹 康友

 我が国における特許出願のうち特許協力条約に基づくPCT国際出願の件数は、2012年に全出願の22.5%に相当する4万3千件まで伸びており、今後もPCT国際出願が利用されるケースが増大すると見込まれます。以下、PCT国際出願のメリットについて最近のトピックスを交えて説明します。

1. PCT国際出願の主なメリット
(1)日本国特許庁を受理官庁とし、日本語にて最少の初期費用で多数の国に出願することができます。
(2)PCT国際出願の出願日が148のPCT締約国における出願日となります。
(3)各国の国内移行手続きを行うまでに、優先日(基礎出願の日)から30ヶ月の猶予期間があります。その間に特許性の判断、市場動向の分析、マーケティング、ライセンス交渉等を行えば権利化すべき範囲及び対象国の明確化が促進され、無駄な翻訳作業も回避できます。一方、パリ条約による優先権を主張して各国に個別に出願する場合は、第一国出願の日から1年以内に出願して各国別に翻訳文を提出する必要があります。
(4)国毎に移行時期を調整して、業務及び発生費用の平準化を図ることができます。
(5)国際公開される前に提供される国際調査報告及び国際調査見解書により、先行技術調査が困難な分野でも特許性の判断が可能となり、その後の手続きを断念したり国際出願を取り下げて秘密を担保したりできます。
(6)国際調査見解書等にて「特許性あり」の見解が示された場合、特許審査ハイウェイ(PCT-PPH)を利用して審査期間の短縮及び応答費用の削減が可能となります。対象となる国又は地域は、米国、欧州、中国、韓国をはじめ、既に20近くに及んでいます。

2. PCT国際出願の付随的なメリット

(1)優先権を主張して指定国に日本を含むPCT国際出願を行う場合、日本に国内移行した出願の存続期間は、(基礎出願ではなく)PCT国際出願の出願日から20年となります。
(2)国内出願に先んじてPCT国際出願を行った場合、先に国内出願を行った場合と比較して、国際調査報告及び国際調査見解書が早期に(概ね出願から半年以内)提供されるため、国際公開(優先日から18ヶ月経過後)までに行うべき取下げ等の検討期間及び権利化に要する期間が1年程度確保されます。
(3)国際調査報告が日本の特許庁でなされた場合、日本に国内移行した出願の審査請求料が40%減額されます。

3. 最近のトピックス

(1)優先期間(基礎出願から12ヶ月)内に、「故意ではなく」且つ「相当な注意」を払ったにも関わらずPCT国際出願ができなかった場合、優先期間の満了後2ヶ月以内に国際事務局に優先権の回復を請求してPCT国際出願した結果、優先権の回復が認められたときは、各指定官庁が原則として国際事務局の決定に従います(平成26年改正特許法における優先権の回復に相当)。
(2)他国の特許庁等に対する手数料を、日本の特許庁に対して一括納付できるようになります(5月14日に公布されており、1年以内に施行されます)。

◆ PCT国際出願について質問・相談がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。

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