日経記事;『中国スマホ向け 部品増産 ジャパンディスプレイ/TDK,脱アップル依存供給先シフト』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『中国スマホ向け 部品増産 ジャパンディスプレイ/TDK,脱アップル依存供給先シフト』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月5日付の日経新聞に、『中国スマホ向け 部品増産 ジャパンディスプレイ/TDK,脱アップル依存供給先シフト』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ジャパンディスプレイ、TDK、ソニーなど電子部品大手がスマートフォン(スマホ)向け部品を一斉増産する。華為技術(ファーウェイ)や北京小米科技(シャオミ)など中国メーカーの高機能部品ニーズに対応する。

伸びが高い中国勢の需要を取り込み、韓国サムスン電子、米アップルのスマホ2強への依存を抑える。主に国内拠点で生産能力を高め、貿易黒字が続く電子部品の輸出拡大につなげる。

2013年に約10億台だった世界のスマホ市場は14年に12億5千万台と成長が続く見通し。米調査会社ストラテジー・アナリティクスによるとファーウェイ、レノボ、シャオミの中国大手3社は14年4~6月期に世界シェアが17%で米アップルを上回った。第4世代(4G)携帯サービス「TD―LTE」が始まり、日本製の高機能部品への需要も高まっている。

中小型液晶のジャパンディスプレイはシャオミの最新モデルに高精細液晶が採用されるなど、中国メーカーから受注が拡大した。主力の茂原工場(千葉県茂原市)で生産能力を4割多い月5万枚(ガラス基板ベース)に増やす。

15年3月期の中国のスマホ向け売上高は前期の2.7倍の約1800億円になる見通し。今期は24%を見込む中国向け売上高比率を早期に5割超にする計画だ。

TDKは4~6月に中国企業からの受注が前年同期の5割増となった。4Gサービス用に電波をきれいにより分ける部品が伸び、秋田県の工場などをフル稼働している。生産能力を1~2割高めることも検討する。

ソニーは中国勢の引き合いが多く、14年度に画像センサー売上高で前年度比約2割増の3900億円を見込む。長崎県と熊本県の工場に350億円を投じて生産能力を1割増の月約6万8千枚とし、需要増に備える。

ミツミ電機はカメラの焦点を自動で合わせる高機能部品を年内にも中国メーカーに出荷する。同製品の生産量を前年度の3倍にしたが、さらに数割高める見通しだ。

コンデンサー最大手の村田製作所は100億円を投じ、福井県の生産子会社で身につけて使うウエアラブル機器にも使える超小型の「積層セラミックコンデンサー(MLCC)」を増産する。

部品増産は輸出増にもつながる。貿易統計によると、1~8月の輸出額は民生用電子機器が前年同期比13.7%減だったが、電子部品は3.6%増の1兆570億円と伸びている。

コンデンサーなどの分野は7%増の3891億円と、中国スマホメーカー向けの貢献もあって健闘している。電子部品の貿易黒字額は7月に933億円と、前年同月から4%増えた。

中国メーカーの端末は機能向上が進むが、価格は300ドル程度とアップルなどに比べ安い。ドイツ証券の中根康夫シニアアナリストは「販売が増え好影響の半面、中長期では汎用部品の単価下落による収益悪化の懸念もある」と指摘する。』


私は、ほぼ2カ月に1回の割合でASEANを訪問しています。何度か本ブログ・コラムで書きましたように、行くたびにスマホの急速普及を実感しています。

スマホの急速普及は、シンガポールを除くASEAN諸国が日本のような光ケーブルによるブロードバンド環境構築の前に、インタネット使用環境を作りつつあることを意味します。

スマホの急速普及の原動力は、中国やインド製の廉価版の出荷台数の急増にあります。これらの廉価版の販売価格は、数千円台です。

ASEAN市場でのスマホメーカーの主役は、中国やインドなどのメーカーになります。アップルサムスンなどの大手メーカー商品の人気は、高くない状況になっています。

本日の記事に、アップルやサムスンの世界シェアが減少している調査結果が掲載されています。ASEAN域内では、その数字を上記しましたように、実感できます。

スマホは、ASEAN域内の人たちには、私生活やビジネスの領域で、日常を過ごすのに欠かせない商品になりつつあります。

今後、ASEANを含む新興国市場で、スマホを使ってもらうには、現在の主要な普及価格帯になっている数千円台で販売することが必要になります。

スマホは、完全にテレビ機器と同じように、汎用化が進んでいきます。

さらに、この汎用化に拍車をかけるのが、米大手ITベンダーであるグーグルやアマゾンなどです。グーグルやアマゾンにとって、スマホは、インターネットの出口端末に当たります。

グーグルの場合、最新の日経記事では、以下のような動きをかけています。

・2015年に販売価格がUS$50くらいのスマホ用部品(「レゴ」のように大小様々な四角い部品)を発売する。顧客は、この部品をインターネット通販で購入し、3Dプリンターを使って自ら生産する方式になります。

グーグルは、インターネットを通じて、顧客が3Dプリンターによる生産を発注して、受け取る仕組みを提供するとされます。

グーグルは、現時点では、当然のごとくUS$50の部品から収益を出せませんが、Webサイト上の広告収入で収益拡大をはかります。

US$50の格安スマホ部品が、インターネットの出口を増やすことに貢献すれば、グーグルのビジネスモデルは成り立ちます。

・グーグルは、インドで2014年9月15日に製品発表イベントを開催しました。100ドル未満の新興国向けスマホ;「Android(アンドロイド) One」の販売を発表しました。

「Android(アンドロイド) One」は、グーグルが特定メーカーと協業して商品化する発売するAndroid搭載端末のOEMブランドを意味します。インドやフィリピン、インドネシアなどの新興国市場に提供されます。

ウィキペディアによりますと、「Android Oneの製造メーカーは、MicromaxやKarbonn、Spiceなど中東やアジアを中心とし、Nexusと同様に様々である。パートナー企業は前述の3つの加えて、エイサー、Alcatel Onetouch、ASUS、HTC、Intex、Lava、レノボ、パナソニック、Xolo、クアルコムも参加している[3]。ハードウェア設計から部品の調達までGoogleが行っており、各メーカーから販売されるAndroid Oneは、全て同等の性能を有している。」となります。


一方、アマゾンは、9月9日付の日経新聞によると、「米アマゾン・ドット・コムは8日、自社で開発したスマートフォン(スマホ)「ファイアフォン」を99セント(100円強)に値下げしたと発表した。従来価格(199ドル)から約2万円の値下げとなる。足元の売れ行きが想定を下回っているもようで、注目を集める米アップルの新製品発売を前にテコ入れ策を打ち出したようだ。
」とされています。

グーグルやアマゾンの動きは、彼らの主戦場となるインターネット出口端末の稼働台数を増やして、プラットフォームを拡大・強化することで、広告やネット通販の事業拡大につなげるやり方です。

グーグルは、アップル以外のスマホ機器に使用されているOSで圧倒的なシェアをもつAndroidを提供している強みがあります。

スマホ機器単体でみますと、世界で市場規模は大きくなっていきますが、急速に汎用化・低価格化が進むことは確実です。

本日の記事は、中国スマホに国内部品メーカーの主要部品が採用されていることについて書いています。

国内部品メーカーの主要部品は、主に中級から上級クラスのスマホに採用されていくとみています。このレンジの商品帯では、どこが世界市場でシェアを取っても、スマホ機器を構成するプラットフォームとして、主要な地位を維持できます。

低価格スマホでは、徹底的に汎用化が進んだ部品が使われますので、国内部品メーカーは、収益確保ができるかどうかで、当該市場への参入の是非を決めることになります。


スマホのようなAV家電は、世界市場で汎用化が進んでいます。国内家電メーカーは、汎用化が進んでいる業界への対応で、収益力が問われます。

パナソニックは、10月上旬に、大阪府門真市の本社地区にあるAV(音響・映像)機器事業の本拠地を売却する方針を発表しました。一般的には、パナソニックがAV家電事業から自動車・住宅関連分野へ事業構造の転換を加速する象徴的な動きととらえられています。

日立製作所もAV家電事業の整理を加速しています。

ソニーは、スマホをエレクトロニクス分野での主要事業としていますが、市場の低価格化に直面し、収益悪化の課題をもっています。

アップルは、スマホ機器の世界企業であると同時に、インターネット市場でもコンテンツ配信事業などで大きな存在感をもっています。

今後、家電メーカーは、スマホのような単体機器のみで収益確保・拡大していくのは、汎用化の動きな中で競争が激化することにより困難さが高まる可能性があります。

ソニーは、例えば、8月15日に自動車が走行中に周囲の状況を確認する「目」に当たるカメラ用の画像センサーに参入すると発表しました。2015年に量産を始め、自動車大手が16年に発売する新車から搭載される見通しとされます。

ソニーは、低消費電力で高画質なCMOSセンサーで世界ナンバーワンのシェアをもっており、アップルや中国のスマホ機器にも数多く搭載されています。

ソニーがCMOSを武器に、部品メーカーとしてスマホ・ロボット・医療機器などのような電子機器、あるいは、上記自動車の目を支えるプラットフォーム事業を主要事業の一つにするやり方があります。勝ち組となる世界市場で事業すれば、価格競争には巻き込まれません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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