- 宮原 輝夫
- 宮原建築設計室
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今日はキッチンについて書こうと思います。
いつの頃からかは忘れてしまいましたが、キッチンは家の中心に置きたいと思うようになりました。核家族化からくる家族の変容がそう思わせるのかもしれませんし、単に家族の中心は母であるという思いが、そうさせているのかもしれません。また、キッチンをオブジェとして飾っている様にも思います。結果として、私の設計した住宅の殆どはキッチンが裏に隠れる事なく、堂々と家の中で最も大きな部屋の重要な場所に位置する事となります。そんな大役を既成のシステムキッチンなどに任せられる筈も無く、いつしか、その家(家族)の為にデザインしたオリジナルキッチンを作製する事が当然のようになりました。今回は私共でデザインした7つのキッチンを集め紹介しています。皆様の家づくりの参考になれば幸いです。
#1「キッチンを家の中心に」
いくつになっても子供にとって、母の視線ほど頼もしいものはありません。In邸のキッチンからは、リビングは勿論中庭から階段まで見渡す事が出来ます。キッチン裏側の白とシルバーの扉はスライド式になっていて、リビングスペースとしてのイメージを損なわずに大収納を実現。大切な食器やグラス達、ちょっと隠したい電子レンジや冷蔵庫、ステンレスの作業台も隠れています。
#2「必要な大きさで十分」
大は小を兼ねると言いますが、キッチンは例外の一つでしょう。よくよく自分のライフスタイルを見極めて、必要な大きさ(小ささ)でつくる事が大切です。
#3「みんなが集まれる形」
みんなが集まって楽しめる場所、キッチンはそんな機能も持っています。奥行きを1mとしたK邸のキッチンは、遊びに来るお孫さんも一緒に作業出来ように、跳ね上げ式のカウンターも備えています。
#4「ほっと一息」
作業の途中でほっと一息出来るように、Nw邸ではキッチンの小窓からお隣の緑が眺められす。日常にはそんな小さな気配りが必要なのかもしれません。
#5「リビングもダイニングもキッチン」
みんなで調理、みんなで食事、みんなで後片づけ、その後は家族みんなでくつろぐ。TTN邸の6メートルのキッチンは、そんなライフスタイルの現れです。○リビングもダイニングもみんなキッチンの一部です。
#6「キッチンに光を」
住宅密集地で北側に道路、リビングを中心に考えるとキッチンは暗くなりがちです。Uc邸では大きな透明ガラスを使って、明るいキッチンが出来ました。
#7「家族の距離感」
家族とはいつでも一緒に居たいものです。Sz邸のキッチンは、2人でも作業しやすい逆L型の作業スペースとダイニングテーブルを合体させて、一辺2メートルの正方形をしています。テーブルの高さは約75cm、お気に入りのチェアーも使えて居心地も充分です。ちょっと高い作業スペースとの段差をつないだスロープで、とても印象的キッチンになりました。
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