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日経記事;『車部品,欧州大手を傘下にパナソニック,新分野加速 自動運転視野、車/IT融合進む』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月25日付の日経新聞に、『車部品,欧州大手を傘下にパナソニック,新分野加速 自動運転視野、車/IT融合進む』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックはスペインの自動車部品大手フィコサ・インターナショナルを傘下に収める。来年3月までに株式の5割弱を200億~300億円で取得、成長戦略の柱とする自動車分野で初の大型M&A(合併・買収)になる。

フィコサは画像認識技術を持ち、自動運転関連技術の共同開発も視野に入れる。業種を越え、自動車とIT(情報技術)の融合に対応する動きが世界で加速する。

パナソニックとフィコサは株式の取得額などを年内に詰める。出資比率を引き上げて子会社にする可能性もある。

フィコサは自動車ミラーで約2割の世界シェアを握り、2013年12月期の売上高は約1300億円。独フォルクスワーゲンや仏ルノーなど欧州勢を中心に世界の自動車大手に納入している。カメラを使って車両周辺の障害物を認識する技術の開発も手掛けている。

カメラでとらえた側方や後方の様子をミラーに映すなど、ミラーは自動運転など運転支援システムでも中核部品の一つになる。パナソニックは車載用センサーに強く、フィコサと連携して新技術開発を急ぐ。

高度な運転支援機能や車内でインターネットなどを楽しむための情報端末など、ITが自動車の性能や機能を大きく左右するようになっている。需要増を見据え、自動車部品会社とエレクトロニクス会社の間で提携や買収が相次いでいる。

変速機などを手掛ける自動車部品世界9位の独ZFは今月、センサー技術に強い米TRWオートモーティブの買収を決めた。

特に従来の自動車の概念を変える自動運転技術には自動車メーカーだけでなく、米グーグルなど異業種企業も参入している。今後の競争軸になるとみて、パナソニックは同分野でも戦える体制を構築する。

パナソニックは19年3月期に連結売上高を前期比約3割増の10兆円にする計画を掲げる。自動車分野では同5割増の2兆円をめざし、海外でM&Aを狙っていた。フィコサを通じ、カーナビゲーションシステムなど既存の自社製品でも、手薄だった欧州自動車大手向けの販路を手に入れる。

パナソニックは13年3月期までの2年間で計1兆5千億円の連結最終赤字を計上し、プラズマテレビからの撤退など構造改革を進めてきた。前期の連結営業利益は前の期から9割増の3千億円になるなど業績が回復し、成長戦略を加速する。』


自動車の電子化・IT対応は、急速に普及していく状況にあります。たとえば、グーグルが米国カリフォルニア州で開発・実用化のための自動運転の実証試験を本格化しています。

身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる「Internet of Things」(IoT)がいろいろな場面で拡大しつつあります。

自動車の自動運転を実現するためには、このIoT実装が必要不可欠なものになっています。グーグルが行っている自動運転車は、パソコンやスマホ以外の分野では、IoTの典型例の一つになります。

現在の自動車は、すでに走る・曲がる・止まるなどの基本動作をスムースかつ、安全に行うために多くのセンサーデバイスを実装しています。

さらに、自動運転を行うためには、眼となる高性能なセンサーデバイスを実装する必要があります。

自動運転を実現するには、多くのセンサーデバイスからインターネットを通じて収集した多くのデータを瞬時に解析・分析して最適な運転方法を決め・実行する仕組み作りが必要です。

グーグルの自動運転実証試験は、まさにこの仕組み作りのノウハウ・スキル構築にあります。壮大な自動車のIoT化実現のための動きになります。

私は、法規制変更や安全確保のためのインフラ整備などの事前措置が必要なため、すぐに自動運転が実用化されるとは考えていません。

しかしながら、自動車のIoT化は、安全走行や渋滞解消などのより現実的な解決法を実現するための手段として急速普及するとみています。

グーグルは、2014年6月に開いた開発者向けのイベント「Google I/O」で、スマートフォン(スマホ)向けに開発した基本ソフト(OS)「Android」を自動車向け情報通信技術に拡張するプラットフォーム「Android Auto」を発表しました。

自動車ユーザーがもっているAndroid OSスマホをAndroid Autoに対応した自動車に接続すると、自動車自身のメーンディスプレーとスマホの協調動作が可能になります。

ユーザーが音声で目的地を話しかけるだけで、ネットワーク側と連携して地図や近隣情報へのアクセスをはじめとする高度な情報サービスが利用可能になるとされます。

さらに、スマホ側の音声認識・音声合成機能によって、ハンドルから手を離すことなくメールの送受信を行ったり、ストリーミングによる音楽視聴サービスやインターネットラジオなどのサービスも、スマホ感覚で手軽に利用できるようになるとされます。

アップルは、2013年に「iOS in the car」という「Android Auto」と似た計画を発表しています。

自動車業界では、米電気自動車(EV)ベンチャーのテスラ・モーターズが今後5~6年で実用化されるとの見通しを示し、約3年後に生産、3万5千ドル(約367万円)程度での販売を目指す新型車に、開発した技術の一部を採用すると明らかにています。(9月9日付の日経新聞「テスラ、自動運転を採用 360万円で電気自動車 一部技術、3年後に」から抜粋)

国内自動車メーカーは、上記グーグルおよびアップルの動きに連携して、様子見も含めて情報収集や実証試験への協力などで対応しています。

いずれにせよ、自動車の安全走行と快適運転の実現を目指して、IoT実装が進むことは確実な情勢です。


パナソニックは、バッテリーを含む自動車関連事業の強化を新規事業方針の一つとして打ち出しています。たとえば、上記テスラ・モーターズには、バッテリーを供給するだけでなく、EV用バッテリーの共同開発や製造工場建設も積極的に行っています。

本日の記事は、パナソニックが自動車のIoT化を実現するプラットフォーム事業を強化する施策として、自動車ミラーを供給し、画像認識技術をもつスペインの自動車部品大手フィコサ・インターナショナルを買収するしています。

自動車のIoT化は、既存自動車メーカーと、グーグルやアップルなどの大手ITベンダーとの事業境界があいまいになる可能性があります。

製造企業でないアップルがパソコン、あるいはスマホやタブレット端末を提供していることが事例の一つになります。

将来、パソコンやスマホなどの電子機器と同じように、各機能がモジュール化・水平分業化されて、自動車の製造方法が大きく変わる可能性があります。

そうなっても、IoT化された自動車を実現するプラットフォームは不変です。たとえば、センサーデバイスは、もっと自動車で使われるようになります。特に自動車の目としてのセンサーは、高機能・高性能が求められます。

パナソニックの今回の動きは、上記状況認識に基づいて行われたとみています。どの世界企業がIoT化された自動車市場で勝者になっても、プラットフォーム事業で確実に勝ち組になるための施策です。

今後のパナソニックの自動車用途市場への対応について注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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