日経記事;『独シーメンス家電撤退 エネ関連に重点 米社買収、GEを追撃』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『独シーメンス家電撤退 エネ関連に重点 米社買収、GEを追撃』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月23日付の日経新聞に、『独シーメンス家電撤退 エネ関連に重点 米社買収、GEを追撃』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『欧州の重電・インフラ業界の再編が一段と加速してきた。独シーメンスは22日、合弁で展開する家電事業からの撤退と、シェールガス生産などに使われるコンプレッサー(圧縮機)の世界大手の大型買収を発表した。

先行して家電撤退を決めた米ゼネラル・エレクトリック(GE)に追随し、エネルギー関連など成長分野へ経営資源の集中を進める。

「エネルギー部門は戦略分野。米国こそ我々が攻める市場だ」。シーメンスのジョー・ケーザー社長はかねて、仏アルストムのエネ部門争奪戦で敗れたGEへの対抗心をむき出しにしてきた。

今回の2件のM&A(合併・買収)は有言実行の一手だ。家電事業では、独ボッシュと折半出資の欧州家電大手、独ボッシュ・シーメンス・ハウスゲレーテ(BSH)の持ち分をボッシュに30億ユーロ(約4200億円)で売却する。

同時にコンプレッサーの世界大手、米ドレッサー・ランドとは、76億ドル(約8300億円)で全株を取得することで合意した。ともに来年夏までに手続きを終える見通しだ。

洗濯機や冷蔵庫などシーメンスブランドの家電事業は100年もの歴史を持ち、欧州では高級家電として根強い人気を持つ。量販店での売り場も広く、BSH自体も黒字経営だ。

それでも撤退を決めたのはライバルの背中を追うためだ。GEは今月上旬、家電事業をエレクトロラックス(スウェーデン)に売却すると発表済み。シーメンスも伝統の部門から手を引き、エネルギー分野へのシフトを明確にする。

米国ではシェール革命で天然ガス生産などに使うコンプレッサーやポンプの受注が拡大し、ガスを燃料に発電するタービン需要も増える。買収するドレッサーは13年の売上高は約30億ドルで、北米ではコンプレッサーやタービンでGEとシェアを争う。機器の保守・点検など、利益率の高いサービス収入が5割を占める優良企業だ。

シーメンスはこの大型買収でGEと互角の勝負に持ち込む体制が整う。ドレッサー買収で、コンプレッサーの世界シェアが3割強とGEとほぼ並ぶ見通しだ。8月には英航空エンジン大手ロールス・ロイスからの航空機用タービンとコンプレッサー事業の買収に当局の承認が下りている。

ケーザー社長にとって今回の買収は、因縁の相手に競り勝ったという意味で感慨深いだろう。

英紙フィナンシャル・タイムズは先週末、GEがドレッサーに関心を持っていると報じていた。それに先立ち、ポンプ世界大手のスイスのスルザーも17日に、ドレッサーと合併交渉をしていると発表していた。

GEはアルストム争奪戦でシーメンスが敗れた相手であり、スルザーは昨夏、シーメンス社長を事実上解任されたペーター・レッシャー氏が会長を務める会社だ。元上司とGE会長のジェフ・イメルト氏を出し抜く形で一気に勝負を決めた格好となる。

M&Aを生かす戦略的な準備は整っている。シーメンスは今年から石油・天然ガス生産に使う機器や発電、送電設備などを手がける「エネルギー本部」を米国に移し、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル幹部を部門トップに据えた。同社にとって異例の体制で「需要家に近い北米で意思決定をしやすくする」(ケーザー社長)狙いだ。

欧州では、攻勢を強めるGEやアジア勢に対抗するため、重電・インフラ各社が得意分野を絞る動きが鮮明だ。

ロールス・ロイスは、独ダイムラーとの産業用エンジン合弁で、ダイムラー保有の全株を24億3千万ユーロで買収した。今回のシーメンスのM&Aを起点にさらに玉突きのような再編の波が広がりそうだ。』


欧米市場では、重電・エネルギー事業分野の世界企業である米GEと独シーメンスが、積極的な集中と選択に動いています。

GEの場合、9月9日付の日経新聞に掲載されましたように、冷蔵庫や洗濯機など家電部門をスウェーデンの欧州家電最大手エレクトロラックスに33億ドル(約3470億円)で売却すると発表しました。

GEは、約100年の歴史を持つ創業時からの事業を切り離し、収益性の高い重電・航空機エンジン部門などに経営資源を集中するとされます。

家電はGEの創業時からの事業ですが、日経記事によると、2013年12月期の売上高は照明を含む家電部門全体で約8750億円にとどまり、利益ベースでみると全体に占める家電の売上比率は、1.6%です。

ちなみに、GEの、2013年12月期の事業分野別売上比率は、以下の通りです。

★発電・水:20.4%
★オイル・ガス:8.9%
★航空:17.8%
★ヘルスケア:12.5%
★金融サービス:33.7%、など

GEにとって、家電分野は、アジア勢などとの競争が激しく、売上や利益で魅力的でない事業となっていたので、より成長が見込めて、自社の強みを出せる重電・航空機・エネルギー分野などに経営資源を集中させるやり方を取りました。

何度か本ブログ・コラムで書きましたように、米IBMは、黒字であったパソコン事業について、その将来性に見切りをつけて、中国メーカーに売却しました。

IBMは、本業であるソフトウエア事業に経営資源を集中する決断をしました。

本日の記事は、GEと重電・航空機・エネルギー分野などの世界市場で激しく競合する独シーメンスが、GEと同じように、低成長であり将来性がないと判断した家電事業を独ボッシュに売却することについて書いています。

シーメンスは、GEと同じように重要でない家電事業に見切りをつけて売却して、本業事業での競争力向上に動いています。具体的には、コンプレッサーの世界大手、米ドレッサー・ランドの買収です。

シーメンスの動きは、上記しました積極的な集中と選択になります。

国内企業では、東芝や日立製作所は、すでに基本的な集中と選択作業を終えて、世界市場で戦える体制になっています。

しかし、一連のGEやシーメンスの動きは、東芝や日立にとって大きな影響を与えますので、両社ともより一層、中核事業に経営資源を集中して、技術開発力の強化を行う必要があります。

国内家電事業では、パナソニックが一連の集中と選択作業が終わりつつあり、収益拡大を実現し始めました。

一方、ソニーの場合は、まだ道半ばで、相変わらず赤字状態が続いています。テレビ事業の縮小、パソコン事業からの撤退などの施策を行いましたが、中核事業と位置付けていますスマホ事業で赤字状態になっています。

これは、中国メーカーなどから大量の低価格スマホがアジア市場を中心に販売されていることから、価格競争に巻き込まれて、販売台数が当初計画より低下したことによるとされます。

ASEANを中心とするアジア市場では、1万円以下の低価格スマホが主流になっており、決してアップルやサムスンなどの高級スマホは売れ筋商品となっていません。

ソニーは、この低価格スマホの影響をまともに受けたことになります。

しかし、常識的に考えて、スマホは、テレビ、パソコンなどと同じように、汎用化が進んで価格競争状態になることは予想されていました。

しかも、グーグルやアマゾンなどの米大手ITベンダーからも、インターネットの出口台数を増やすために、低価格スマホが提供されるようになっています。

国内家電メーカーの場合、スマホのOSはグーグルが提供しますアンドロイドを採用しています。アップルは、独自OSのiOSを使っており、アップルだけが採用しています。

国内家電メーカーのスマホは、グーグルのアンドロイドOS上のプラットフォームで事業していきますので、サムスンや中国メーカーなどの競合他社との差別化・差異化を実現することは難しい状況にあります。

この状況は、スマホ事業の汎用化を加速します。

ソニーは、スマホを中核事業として継続していくのかどうか、短期間に決断して、必要な施策を実行する必要があります。

ソニーでは、PS4を中心とするゲーム事業やCMOS技術のセンサーデバイス事業では、圧倒的な競争力をもっています。

これらの事業分野での、経験を生かして、スマホに代わる新規事業分野を積極的に短期間に立ち上げる必要があります。

すでに発表しています自動車用途のセンサーデバイス事業展開は、有効な施策の一つです。ソニーが今まで得意としてきたAV商品は、汎用化が進んでいますので、この分野に固執する必要はないと考えます。

GE、シーメンス、フィリップス、IBMなどの世界企業が行った、積極的な集中と選択により、短期間での新成長事業の確立を、ソニーに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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