日経記事;『画像診断、世界で攻勢 キヤノン、精度10倍に 医療機器30兆円市場 参入続々』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『画像診断、世界で攻勢 キヤノン、精度10倍に 医療機器30兆円市場 参入続々』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

9月20日付の日経新聞に、『画像診断、世界で攻勢 キヤノン、精度10倍に 医療機器30兆円市場 参入続々』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『キヤノンは世界最高性能の画像診断装置を開発する。シェア世界首位のデジタルカメラで培った光学技術を活用し、2017年をめどにまず目の難病向けに実用化する。

政府が後押しする医療機器輸出の流れに乗り、世界市場を開拓する。ロームや東芝も新型機器の開発などを進めており、がんや生活習慣病の早期発見につながれば、医療費抑制への寄与が期待される。

キヤノンは画像診断装置を京都大学と共同開発する。緑内障などの診断では直径3マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと非常に小さい眼底の視細胞の撮影が重要になる。新たに開発した光学センサーの採用やデジカメで培った手ぶれ補正の画像処理技術の向上などで撮影精度を現在の一般的な装置の10倍に高めており、細胞1つひとつを鮮明に撮影できる技術をすでに確立している。

年内にも目の難病「網膜色素変性症」で臨床研究に入り、17年までに厚生労働省から製造販売承認を得る考え。価格は1台2千万円程度を想定する。「血管も鮮明に撮影できるため、(糖尿病など)生活習慣病の診断に使える」(生駒俊明副社長)という。

年30兆円とされる世界の医療機器市場のうち、約3割を占める診断装置では米ゼネラル・エレクトリック(GE)など欧米大手が強い。日本勢は内視鏡世界首位のオリンパスなど上位に入る企業は一部に限られている。

18年には年45兆円への市場拡大が見込まれるなか、ここ数年は精密機械や電機など異業種の参入が相次ぐ。政府は経済成長戦略の一環として、医療機器の輸出などで海外での医療関連事業を20年までに現在の3倍の1兆5千億円規模にする目標を掲げている。

ロームは17年の実用化を目指す高性能カメラに使う中核部品の赤外線センサーを日本大学と開発する。感度を現在の2倍以上に高め、画像から脳血管や冠動脈の酸素量を数値化できるようにする考え。画像診断の精度が高まるとともに血管手術などにも役立つという。

コンピューター断層撮影装置(CT)で世界シェア首位を狙う東芝は瞬時に広範囲を撮影できる最高級機種の販売を新興国でも拡大。患者が浴びる放射線の量を減らす技術などをアピールし、GEなど欧米上位企業を追い上げている。

年約50兆円に達した日本の医療・介護費は高齢化の進展に伴い、25年度には83兆円に膨らむ見通し。政府は25年度までに医療・介護費の5兆円抑制に向け、がん検診の受診率の引き上げや生活習慣病を予防する保健指導の拡充を進める。異業種が独自技術を応用した診断装置を相次いで開発すれば、医療費抑制につながる可能性は大きい。

早期発見につながる装置として、シャープは電子部品「水晶振動子」の表面の薄膜の作るくぼみで菌を取り込む技術を生かし、大阪府立大学と白血病のがん細胞を検出する装置の開発を急いでいる。』

画像診断装置は、本日の日経記事では、以下のように定義されています。

「X線や超音波、近赤外線などを使い、体の外から観察するだけでは分からない体内の状態を画像化する医療機器。病変の有無の把握や治療方針の判断に使う。X線撮影やコンピューター断層撮影(CT)、超音波診断などの装置がある。英エスピコムによると、世界市場は2013年で約850億ドル(9兆2千億円)。」


日本や欧州は、高齢化が進んでおり、老齢人口の増加と共に、行政府による医療費負担の急増が財政を圧迫しています。

このため、医療費抑制の観点から、高機能・高性能の診断装置を開発・実用化して、患者の容体をより初期段階で正確かつ迅速に診断することで、病気への予防措置や健康の維持強化施策をほどこすことで、健常者数の増加を目指しています。

寝たきり状態になる前に、予防策を強化・実行することで、健常者の数を増やすやり方になります。このことが、医療・介護費用の公的支出を減少させることを狙っています。

多くの高齢者が、いわゆる「ピンピンころり」状態で長生きできれば、医療・介護費用の抑制や削減につながるとされています。

欧州では、上記しましたように、医療費抑制が重要な課題になっており、技術的な視点からは、ITと高機能・高性能電子機器の活用が注目されています。

高機能・高性能電子機器の活用は、患者体内の状況をより正確にかつ迅速に詳細な状態で見える化して、可能な限りの情報収集することが目的になります。

ITは、収集した多くの情報を早期にかつ正確に分析することと、収集した情報の蓄積やデータベース化、遠隔地を含めた形での情報共有を低コストで実現することが目的になります。

本日の記事は、高機能・高性能電子機器の視点から、画像診断装置の最新状況について書いています。

国内の電子・電気メーカーは、世界の医療機器市場では後発参入組みです。世界市場では、米GEや蘭フィリップスなどの大手企業がいち早く事業化しており、大きなシェアを取っています。

世界市場での医療機器に関して、本日の記事では、「2018年には年45兆円への市場拡大が見込まれる」とされています。

確かに、2012年~2013年で年30兆円とされる市場規模が18年に45兆円と伸びますので、毎年高成長していることになります。

ざっくり言いますと、米国は世界市場のほぼ1/3である15兆円の規模で最大になっています。欧州は、11~12兆円で世界2位の市場規模になります。日本は3兆円、中国を含むアジアは7兆円くらいです。

日本の市場規模は、人口減少と共に縮小傾向にあります。

政府は、国内企業による医療機器ビジネスを世界市場に広げることで、高成長で伸びている需要を獲得して、新規事業機会創出を狙っているのは、上記市場規模に対する認識をもっていることによります。

国内企業は、世界市場での医療機器ビジネスについては、後発参入組になります。従って、大手企業であっても、世界市場でGEやフィリップスなどとの競争では苦戦している場合があります。

特に最大の市場である米国や欧州では、すでに岩盤のように確立した事業基盤がありますので、そこに日本を含めた外国企業が新規参入することは一般的には難しい状況にあります。

この強固な事業基盤に入っていくには、国内企業(特に中小企業)は以下のような努力が必要になります。

・新規性や特徴をもち、徹底的な差別化・差異化を可能にする素材、部品、技術や製品をもつ。
・対象市場から要求される安全規格を取得する。(米国ではFDA。欧州ではCEマーク。など)
・医者が集まる学会に出展して、自社製品や技術などを紹介する。
・MEDICA(国際医療機器展)や同時開催のCOMPAMED(国際医療機器技術・部品展)などの有力な展示会に出展する。
・販路開拓を行うために、代理店を積極的に活用する。
・欧米の医療機器メーカーと連携・協業する。
・展示会に出展する前に、少なくとも、英語版のWebサイトを開設して、自社技術や製品などの優位性や新規性などをアピールする情報発信を行う。など


医療機器ビジネスは、大きな市場をもっていますが、後発参入組の国内中小企業が世界市場で事業するには、大きな課題がありますので、明確な意志と目的をもって、上記のような視点から一歩・一歩事業展開するやり方が重要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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