「褒めて育てよ」教育 の 落とし穴 - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:ダイエット

佐久間 健一
佐久間 健一
(ボディメイクトレーナー)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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「褒めて育てよ」教育 の 落とし穴

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 一頃、巷では「子供は褒めて育てよ!」というのが、やたらモテはやされておりましたが、近頃はどうなのでしょうか? (^^?

 

「褒めてもらわなければ、才能は伸びない」という説では、やれ「褒められた時の人間の脳の働きがどうの、こうの・・・」とか、その他色々、それを証明する為の様々な議論を、様々な方がされておられた様に記憶しますが、

 

私は「こうあるべき」「こうしなければ」というのが先に有りきというのが、そもそも違うのではないか?と思うのです。《゚Д゚》!?

 

人間は一人一人皆性格が違うのに、その様にその子の個性も見ないで一派ヒトカラゲに「教育はこうするべき!これが正しい教育!」などというのは、とても偏っていてナンセンスな事の様に思えます。(^^;

 

 

子供というものは、大人が感じている以上にデリケートで感じ易いものです。

 

 

そういう子供の為に教育で必要なものは、大人の頭で考えられた、或る意味心の無い、自分に取って都合の良い様に育てる為の「計算から褒められる事」ではなく、

 

☆ 事実を伝える事

☆ 嘘がない事

☆ 隠し事が無い事

☆ 正直である事

 

これが子供を教育する側の親や大人に、本当は一番求められる姿勢だと私は思っています。☆彡

親が日常、どなたに対しても「嘘をつかない・責任転嫁しない」という心がけと姿勢で生きていれば、それが「自動的に、子供への最高の教育になっている」と私は思います。 ☆_(_☆_)_☆

 

 

子供は、親や大人が思う以上に、大人の嘘や偽善・欺瞞には敏感です。

 

子供というのは親や大人の「言う事」より、その「行動」の方に真実がある事を、実は大人が思う以上にちゃんと敏感に察知しているものなのです。《゚Д゚》!! (※子供を侮るなかれ)

ただ子供というものは、大人の様に自分の感じている事を言葉で上手く説明できなかったり、伝える術を知らなかったりしますから、感じていても黙っている事も多く、大人が気づいていない場合がとても多いのです。

 

 

そういう大人の矛盾や嘘に、子供のデリケートな心がとても傷ついている事があるというのを、多くの親や大人達が気づいていないケースは、世の中ザラにあります。(;_;)

そして(これは私の眼ですが)、そういう事に気づいていない親や大人が、むやみやたらと「子供は褒めて育てましょう!」に賛同するケースが多いのです。

 

 

その裏には、偽善的に嘘をついている事から生まれる "罪悪感" が潜んでいる場合がとても多く、又それに無自覚な大人も大変多い様です。

つまり「過剰に褒める親や大人」の裏にあるのは、実はご自分の心の中に在る「自信の無さ」という事があるのです。《゚Д゚》!!

 

 

勿論、元々未熟で怠惰な人間は、褒めてもらうという導きがなければ、最初は「何かをする喜び」には繋がらないので、それが必要な時期はあります。(例えば幼児期などがそうですね?)

けれど、どの様な年齢・段階でも、その褒める事に対しては「真実」のものであるべきですし、そして私は、あくまでそれは、子供の意識が目覚めるまでの「取っ掛り」であるべきだとも思います。

 

 

何故なら、本当の意味で人が「生きる」というのは、「自分自身で何かをしたり、生み出す事に自ら喜びを感じる事」であり、それ以上に素晴らしい経験はないと私は考えるからです。《゚Д゚》☆彡

 

 

人間は家庭の中で必要以上にチヤホヤと褒められ過ぎると、どういう心理になって行くかという事を、長年数え切れない子供達を指導して来た私の実体験からお伝えしてみましょう。

(これはジャンル問わず、教師という職業の者が集まると必ず出て来る話題にもなるので、今の多くの親子の関係というものに、同じ事を感じている教師が大変多いという事なのだと思います)

 

 

最近の多くの子供達の傾向として共通するのが、「まず褒めて欲しい」が先に来る事です。(-  -;)

これは裏を返せば、「まず褒めてもらわなければ、やる気が起こらない」という事なのですね。

(つまり、自発性が無いのです)

 

 

私は以前、生徒達にこういう質問をした事がありました。

「あなた達は、一体先生から何が欲しいの?」

そうしましたら、大半の子供がこう答えたのです。

 

 

「褒めて欲しい」

 

 

そこで、私はこう答えました。

「あなた達、順序が逆なのでは?」と。

 

そして、「もし褒めて欲しいというなら、最初にあなた達が褒められるだけの事をして下さい。先生は嘘では褒めません。ちゃんと本物の努力をした時に褒めます」と伝えたのです。

 

 

こういう姿勢は大人として、とても大事な事ではないかと私は思っています。

つまり「本当にできた時に褒める」という媚びの無い姿勢ですね。

 

 

でなければ、いつも褒められる事が "当たり前" になってしまっている子供は、逆に「何が本当に良いのか?」という判断できなくなります。

褒められ過ぎる事で「自分は本当にできたかどうか?理解したのかどうか?」が、自分で分からなくなり、実は不安にもなって行くのです。

 

 

その中には、褒められる事に慣れている為に勘違いする子供もいて、褒めてくれる相手に対し、感謝ができない傲慢な子供に育つケースもあります。

 

「褒められても、それは当たり前」

「褒めてもらわないと、ふてくされたり、イジケてしまう」

「嫉妬深くなり、相手の良い所を認めたり学んだりする事ができない = 他人に無関心になる」

 

「いつも褒められ過ぎる」という、バーゲンセールの様な安易な賞賛をもらい続けると、その様な感性に育ってしまう子供もいるのです。(-  -;)

 

又、日頃叱る事をせず、褒める事しかしない親に育てられると、指導されアドバイスをもらったり、ちょっと注意されただけで「叱られた」としか受け取れない、とても甘ったれた思い癖の強い、忍耐力と覇気の無い子供になってしまう弊害も生んでしまいます。

 

そういう子供は、人生の醍醐味である「学ぶ楽しさ」を知らない、自分から学ぶという好奇心の持てない子供に育ってしまう事にも繋がって行くのですね。(;_;)

 

 

最初に申し上げました通り、子供の教育に一番必要なものは「事実を伝える」というです。

 

 

褒める場合でも叱る場合でも、真実からの誠意あるものでないと、結局子供というのは真実を感じていますから、大人になるにつれ、安易に褒めまくるばかりで叱れない大人を甘く見て行きますし、最後には「尊敬できない大人」として目に映るという結果にも行くのです。

 

安上がりで安易なものが、すぐ飽きられて価値の無いものになってしまうのは、品物だけではないのですね~。

(; ̄O ̄)

 

 

 

私はやはり本当の最高の教育というのは、頭で考えられたものではなく、「大人が自ら、その生き様を見せる事」なのだと思います。☆彡

 

子供から「この人から褒められたら本物だ」「こういう人になりたい」と思われる様な、子供に取って "重みと深みと価値のある大人" である方が、私にはとても素敵に思えるのですが・・・。《゚Д゚》☆彡

 

でもそれには、まず大人が「子供に言うだけの事を、まず自分がしているか?」という、矛盾の無い本物でなければなりませんね?(・□・;)

 

 

 

さて皆様は、どうお感じになりますか? (^^?

 

 

 

 

  (ポストカードより♫)

 

象はとても賢い動物と言われます。

仲間・家族、そして彼等の "子育て" にも、キチンと秩序があるのでしょうね。

そういう知恵を授かった動物なのでしょう。 ☆_(_☆_)_☆

 

 

 

 

 

 

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(東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年