伝承と家相 - 建築家への相談 - 専門家プロファイル

株式会社ソキウス 代表取締役
東京都
建築家
03-5735-9700
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:住宅設計・構造

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。


また全国で大荒れの天気のようです。

先月、強烈な豪雨により甚大な被害を受けた広島市八木地区。
ここは本来『八木蛇落地悪谷』という地名であった、ということを知りました。
土砂災害が起こるよ。という戒めが地名に込められ、伝承されていたのでしょう。
その先人達からの伝承が、活かされていなかったことは明らかで、残念です。

伝承の意義ということで、私は『家相』のことを思い出しました。

我国に伝わる『家相』とは、住宅をつくるさいに頼りにされてきた伝承です。
間取りは “こうしてはいけないよ” という、いはば禁じ手集といえましょう。

たとえば
長方形や正方形などの四角形から、角の部分が『欠ける』平面構成になる間取りは
家族や財産も『欠ける』とされ、家相では忌み嫌われます。
角が欠けた平面構成では、横方向から受ける応力は均等に分散せず、四角形の間取り
よりも構造的に不利なります。
こういった間取りの住宅で、地震や台風の災害時に大きな被害が出てきたのでしょう。

あるいは
裏鬼門(南西)の方向にあたる部分に『火』を設けてはならない。とも聞きます。
『火』のひとつは炊事場、つまり台所です。
台所に置かれた食品(なまもの)が西日に当たり腐ることを避けることが目的です。
これは、冷蔵庫など食品保存の技術が発達した現代では、意味をなさなくなりました。

このように、家相には
根拠を突き詰めれば、統計や理論など客観的な裏付けがあるものが少なくありません。
きっと、家相に限らず、伝承されている事柄の多くに言えることです。
その客観的な裏付けを、現代の目で冷静に見つめ直すことができれば
言い伝えを無下に扱ったり、逆に、いたずらに恐れたりする必要もなくなるはずです。

先人の知恵や経験を活かす。とは、そうゆうことだと考えています。



 |  コラム一覧 | 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 建築家)
株式会社ソキウス 代表取締役

スマートに シンプルに 住う。 都市型住宅・集合住宅

都市の厳しい条件のもとでも、住宅や集合住宅を実現させてきました。住宅計画における制約は、生活空間に個性が生まれる、ひとつの契機として、ポジティブにとらえております。

03-5735-9700
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

このコラムに類似したコラム

【地震“とか”にメチャクチャ強い家って?】 須永 豪 - 建築家(2015/12/10 11:09)

木組の家・登梁の家 佐藤 宏尚 - 建築家(2011/10/26 16:02)

いよいよ着工します!シンプルに暮らす家 富樫 孝幸 - 建築家(2011/10/19 19:28)

シェル構造の家 上棟しました。 西島 正樹 - 建築家(2010/11/06 20:27)