日経記事;『グーグルなど3Dプリンターで生産 オーダーメード携帯/宇宙船部品/住宅 米が先行』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『グーグルなど3Dプリンターで生産 オーダーメード携帯/宇宙船部品/住宅 米が先行』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

しょうしょう古くなりますが、本日は、9月2日に日経新聞に掲載されました記事について書きます。

9月2日付の日経新聞夕刊に、『グーグルなど3Dプリンターで生産 オーダーメード携帯/宇宙船部品/住宅 最終製品化 米が先行』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米グーグルなど米国のIT(情報技術)企業や航空宇宙産業などで3次元(3D)プリンターを使ったものづくりが本格化し始めた。

金属やセラミックス、コンクリートなどの素材に応用が広がり、携帯電話や航空機エンジン部品、住宅などの最終製品を生産する動きが出てきた。部品の試作などにとどまる日本より数歩先を行く動きで、米政府も次世代の中核技術として支援する。

グーグルと3Dプリンター大手の3Dシステムズは、顧客の好みに合わせた携帯電話をつくる3Dプリンターを開発した。複数の3Dプリンターで流れ作業のように部品をつくることで、従来の50倍の速度で量産できる。

機能や外観を自由に選んで部品を組み合わせるオーダーメード携帯電話を実現する。2015年にも実用化を目指す。

3Dプリンターは金型が不要で1品ずつオーダーメード加工ができるため、「究極の少量多品種生産」が可能となる。半面、加工スピードが遅いため大量生産には向かないとされてきたが、グーグルのように消費者向け製品の高速生産も取り組みが進む。

樹脂だけでなく、金属などに使用素材の幅が広がったことで、最終製品への応用の裾野が広がっている。コスト削減効果も大きい。

米宇宙ベンチャーのスペースXは国際宇宙ステーション(ISS)に向かう宇宙船ドラゴンのエンジン部品を、ニッケル合金を使って3Dプリンターで作製した。

「わずかなコストと期間で、頑丈で高性能なエンジンができる」とイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は説明する。

米ロケット機器大手のエアロジェット・ロケットダイン社は3Dプリンターで製造した部品を使ったロケットエンジンの実証試験に成功した。

通常は数十個の部品を組み合わせてつくる部材を、複雑な形に加工した3つの部品だけで作製した。1年以上かかる製造期間を数カ月に短縮、製造コストも65%減らした。

ボーイングは旅客機や戦闘機、人工衛星など10種類以上の製品に、3Dプリンター製の部品を採用した。ゼネラル・エレクトリック(GE)は欧エアバスの次期小型機向けに、3Dプリンターで燃料ノズルをつくる航空機エンジン工場をインディアナ州に建設する。

次世代製造業の起爆剤として、米政府も活用を後押しする。オバマ米大統領は「3Dプリンターは25~30年前のインターネットのように未成熟だが、大きなチャンスがある」と将来性に注目する。3Dプリンター技術の産官学研究拠点をオハイオ州に設立した。

建設への応用も広がりそうだ。南カリフォルニア大学は3Dプリンターでコンクリート住宅を建設する技術を開発した。

4人の作業員で230平方メートルの家を18~19時間で建てられる。建設コストは6割減りゴミも出ない。同大は米航空宇宙局(NASA)と協力し、月や火星での住宅建設計画も検討し始めた。』


3Dプリンターの活用は、国内中小製造業で確実に広がっています。最も3Dプリンターの恩恵を受けている事業分野の一つが、開発試作分野です。

新規部品を開発するときに使われてきたのが、金型です。しかし、金型を新規に作るには、安くても数百万円程度の新規投資が必要であり、ベンチャーや小規模な中小製造業には、手が出せないものになっていました。

従って、多くのベンチャーや零細製造事業者は、金型を使わないで、成形品などを代替使用してきました。

3Dプリンターの活用は、このような今までの開発試作品製作の常識を大きく変えつつあります。一つの理由は、3Dプリンターが扱える素材の範囲が、本日の記事にありますように、樹脂から金属素材に広がっていることによります。

しかも、3Dプリンターの周辺事業分野は、扱い素材の拡大を含めて、日進月歩で充実していることも貢献しています。。

今までは、3Dプリンターの活用が金型の用途を駆逐するとは考えていませんでした。しかし、私が支援している中小製造事業者や関連メーカーの動きをみていますと、3Dプリンターは、将来、金型のほとんどの需要を奪い取る可能性を感じています。

理由は、上記しましたように、3Dプリンターの技術革新が迅速に進んでいることによります。

先日、ある金型メーカーの社長から将来の経営施策について、相談を受けました。当該経営者が、私に相談してきた理由は、本企業の存続の可能性と息子に事業承継するべきかどうか迷っていることによります。

現時点では、当面の間、国内市場で一定規模の金型需要は見込めます。将来的には、既存取引先が製造拠点を海外に移管することや、韓国、中国、台湾などのアジア勢が、コスト競争力をもった金型の供給を強化しており、当該経営者は、金型事業の継続が難しいと感じています。

また、息子は金型製作の経験はそれほどもっていません。現在、相談企業で働いている金型製作の職人は、そう遠くない時期にリタイアする年齢になります。

当該経営者は、金型製作事業の需要が今後も続くと判断できれば、金型職人の新規雇用を決断しますが、若手職人を新規雇用できるか不安をもっています。

また、最近は若い人たちがこの製造環境を敬遠して就職いたがらない状況もあります。

この相談を受けたあとに、金型と3Dプリンター事業の将来性について、検証しました。当該経営者の決断は、既存の金型事業が堅調な間に、新規事業分野として3Dプリンターによる開発試作品製作の受託業務の立上です。

幸い、息子はIT関連の基礎知識やノウハウはもっていますので、パソコンや3Dプリンターをある程度使いこなせます。

現在、社内にインターネット環境を整備して、3Dデータの製作ソフトウエア、専用パソコン、業務用途3Dプリンターを新規購入して、Webサイトでの開発試作品製作を受注する形で事業開始しました。

試行錯誤を繰り返しながら、取扱素材や扱い事業分野の拡大を図っています。3Dデータは、自前のサーバーはもたないで、クラウドサービスを活用することで、維持運営コストを抑えています。

最近、この会社にとって嬉しいニュースがありました。以前の金型製作の取引先で、タイに進出したメーカーからWebサイトを通じて、開発試作品製作の依頼がありました。

この受注は、日本にいてもインターネットを通じて、海外進出した日系企業からも開発試作品製作の業務を取り入れる可能性を示しました。

この金型製作企業は、現在、小ロットの完成品製作を3Dプリンターで受注するようになっています。顧客の要求は多様ですので、この顧客需要に細かく対応していくことで、3Dプリンターに対するノウハウ構築につながっています。

3Dプリンターを使いこなすことで、この金型製作企業は、より事業領域の広い開発試作品製作を取り入れて成長し始めました。

今まで若手職人を雇うことは、上記しましたように厳しい製造環境や低い給与体系などの悪条件が重なって難しい課題でした。

金型製作および全般的な開発試作品製作をITと3Dプリンター技術を活用することで、ITのスキルをもつ若手技術者の獲得もできるようになりました。Webサイトを通じで国内外から受注できるようになりつつあります。

また、3Dプリンター関連ソフトウエア専業ITベンダーとの協業で、当該プリンターの新規事業機会の可能性が増えています。

3Dプリンターは、まだまだ発展途上の技術です。この技術の適用範囲の拡大や取り扱える素材の増加は、間違いなく開発試作品製作の事業領域を拡大します。

国内企業は、3Dプリンターの開発・実用化では米国企業に負けています。今後、3Dプリンターをより徹底的に使いこなすして、国内企業が技術開発・実用化で主導権を取ることを期待します。

3Dプリンターは、ベンチャーや中小企業にとって潜在力・可能性を秘めたツールであることを実感しています。

今後、多くのベンチャーや中小企業が、ITと3Dプリンター活用で、新規事業立上や海外市場・販路開拓を積極的に行うことに大いに期待しています。

3Dプリンターの今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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