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日経記事;『東南アジア,高成長に陰り フィリピン,通年7%微妙に インドネシ4年半ぶり低水準』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月29日付の日経新聞に、『東南アジア,高成長に陰り フィリピン,通年7%微妙に インドネシ4年半ぶり低水準』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『【マニラ=佐竹実】全体で7%前後と成長率を保ってきた東南アジアの経済に減速感が出てきた。

フィリピンが28日発表した2014年4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は6.4%にとどまった。

4~6月期はインドネシアも4年半ぶりの低成長に沈んだ。欧州や中国など世界的な景気回復の鈍さに加え、物価高による消費の冷え込みが懸念材料だ。

フィリピン統計庁によると4~6月期の成長率は前年同期比6.4%、1~6月は6%だった。個人消費がけん引して13年通年は7.2%の成長に達したが、足元で減速感が強まっている。

輸出は4~6月期に10.3%増と前期(13.5%)よりも伸び悩んだ。建設や設備投資も鈍化した。2月からマニラ市でトラックの交通規制が敷かれてマニラ港で荷物が滞留し、企業活動に負の影響が出始めている。

足元では消費者物価指数の上昇率が4%台に高まり、年後半は物価高や利上げの悪影響も危ぶまれている。バリサカン国家経済開発庁長官は「内需は力強く、6.5~7.5%の14年の成長目標は達成可能だ」と話すが、7%程度を維持できるかどうかは微妙だ。

人口約2億5千万人のインドネシアも苦しい。4~6月期の成長率は5.12%と、4年半ぶりの低水準だった。

輸出が低迷し、昨年の利上げを受け企業の投資も振るわなかった。ASEAN主要6カ国のうち最大の経済規模はインドネシアで、全体の約4分の1を占める。

インドネシアに次ぐ経済大国で輸出がGDPの約7割に達するタイの4~6月期の成長率は前年同期比0.4%にとどまった。軍の統治下にあり戒厳令が解除されず、観光産業に爪痕を残す。

域内の先進国、シンガポールの4~6月期の成長率は前年同期比2.4%で、1~3月期(4.8%増)よりも鈍った。東南アジア経済の減速は内需の盛り上がりを期待する日本企業の進出戦略にも響きそうだ。』


本日の記事は、最近のASEAN域内の経済状況について書いています。タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピンの経済成長率が低下していることを取り上げています。

どの国や地域でも、短期間的には、経済のアップ・ダウンが起こるのは、当然のことです。
ASEANに対しては、短期的な時間軸でみるのではなく、もう少し長いレンジで今後の見通しをもって、情報収集・分析を行って、しっかりとした事業計画を作成して対応することが重要になります。

私がもっていますASEANに対するざっくりとした見方は、以下の通りです。

ASEANは、2015年に経済統合する計画になっています。今のところ、大きな問題がなければ、計画通りに経済統合が実行されます。

経済統合されると、最低限、ASEAN域内の関税がゼロか徹底的に低くなります。このことは、ASEAN域内で生産された商品は、物流コストを除けば、生産コストに必要な利益を上乗せした販売価格で域内どこでも売れることを意味します。

ここでは、ASEAN域内の生産拠点の視点を中心にして各国の状況について述べます。


・タイ

タイは自動車と電気電子機器を中心に産業集積が進み、現在のほぼ失業率ゼロに近い状態になっています。

タイは、現時点で日系製造事業者の投資を、タイ投資委員会(B01)のもとで制限を設けずに受け入れています。現在のBOIは製造業の投資を奨励しており、事業認可されると法人税・関税免税、ビザ(査証)取得優遇などの恩典を得られます。

しかし、最新の情報では、タイ政府は現行のBOI制度を見直して、今後はハイテク分野以外の製造業は優遇措置を受けられないことになる可能性があります。タイの新BOI制度は、2015年から適用される可能性があります。

このBOI制度の見直しは、タイが通常商品の生産拠点としての立場やインフラ構築を終了したことを意味します。

シンガポールは、タイより経済発展していますが、人口が少なく国土が狭いことから、製造業のハブにはなれません。

ASEAN域内では、現時点ではタイが製造業のハブになっています。タイを中心に、周辺のベトナム、ラオス、カンボジアなどの国と国境を超えた取引が始まっており、人の行き来も活発化しています。


・インドネシア

インドネシア、ベトナム、フィリピンは、第二のタイを目指して、タイのBOI制度と似たような優遇措置により、海外からの投資を受け入れています。

インドネシアは、ASEAN最大の人口を有しており、地域大国です。しかし、港湾、道路、電力などの社会インフラは、個人的私見ですが、タイより10年~20年ほど遅れています。

インドネシアがタイと同じような製造業の拠点になるには、社会インフラの整備を最優先で行う必要があります。

この社会インフラ整備には、多くの国内企業が貢献できます。ODAなどの助成施策を大いに活用しながら、社会インフラ整備を進めるとインドネシア国内に新たな雇用機会が生まれ、15歳から64歳までの生産年齢人口層が大きな中間所得層を構築するのを助けます。

インドネシアに対する懸念事項は、高騰する労働者賃金と、労働者の企業に対する各種要求の尖鋭化です。

インドネシア政府がこれらの要因をコントロールできないと、外国企業の離反が起こり経済発展する機会を逸するリスクがあります。


・ベトナム

ベトナムでは電気電子機器関連でも、国内企業の投資が活性化しており、産業集積が進み始めています。

その状況下、現在、多くの中小企業は、ベトナムに最も強い関心をもっており、情報収集・分析が積極的に行われています。

私が支援した中小製造事業者は、ハノイ近郊の工場団地に製造拠点を作り、ここからASEAN域内に輸出するビジネスモデルを構築しました。

ASEAN経済統合をにらんでの事業展開です。

ベトナムは、労働者賃金がインドネシアより低く、失業率も高いため、相対的に高い関心をもたれており、国内企業の動きも活発化しています。

ベトナムの場合、開発オフショア事業を中心にITベンダーの投資も活発化しています。これは、ソフトウエア技術者の獲得が他の国より容易に行えることによります。

また、ベトナム政府も、IT事業を国の経済の柱の一つにしたい思惑があって、優遇制度の対象事業になっていることも追い風になっています。

ベトナム人は勤勉で良く働きます。しっかりとした教育プログラムを実施するなどして、安定的に勤務する環境をつくることが、成功の要因の一つになります。

・フィリピン

IT分野では、開発オフショアの需要を取り込んで事業拡大しています。しかし、製造業の分野では、まだ投資が活性化していません。

一つの原因は、インドネシアと同じように、港湾、道路、電力などの社会インフラ整備が進んでいないことによります。

高い失業率と豊富な労働力人口をもっていますので、社会インフラ整備の進捗により、今後、製造業投資も進むとみています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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