「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その59 - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター

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対象:人材育成

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「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その59

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第7章 エピローグ:PDCAをまわしてもっと仕事を楽しもう・・・・店舗ビジネスはPDCAをまわすとムチャクチャ面白い
③PDCAをまわすとスタッフだけで店が動いていく・・・スタッフが店長を信頼するための基本は「手本を見せること」、口で教えるだけではなく行動で教えることが信頼の基盤です


「N店長の率先垂範は本当に素晴らしいんですね。聴いていて私も嬉しくなってきました。」

M部長は、スタッフリーダーから、N店長が、自分自身のこだわりをスタッフに対して、ただ口で指示や指導をするだけではなく、「それはこういうふうにやるんだよ」と言わんばかりに日々手本を見せているという話を聴きながら、よくぞここまで成長したものだと感動していました。

半年前、自分では率先垂範しているつもりだったのに、スタッフからはそっぽを向けられていた「口だけの率先垂範」にどうして気がついたのか?その改善方法はどうやって学ぶことが出来たのか?M部長は、そこに興味を持って、今度は、N店長に尋ねました。

「はい、私のこだわりについては、具体的にこのようにして欲しいという行動をいつも身体で表現しています。それが一番心に響くんだと言うことを学んだからです。」

彼が、口だけの指示指導に違和感を持ったのは、PDCA期間中に、本社のある部長が店舗を訪問したとき、いきなり「ダメ出し」をされたことがキッカケでした。その部長の指摘はいつも正しく的を射ているので、誰も反論できません。しかし、必ず「ダメ出し」「指摘」からスタートするのです。また、その後のフォローアップもないため、彼が帰った後は、暗いどんよりとしたムードが店に漂うようになってしまうのです。ま、本人は帰った後ですからそのことには気がつきませんけどね。

N店長は、この部長から受けた「ダメ出し」が、実は以前自分がスタッフに対して行っていたのと同じなんだと言う事に気がついたと言うのです。つまり、自分が受けたショックは、自分もスタッフ達に与えてしまっていたと言うことに気がついたのです。その日から彼は、「自分ならばこうしてもらった方がやる気が出る」という方法を考えて、まず「感謝」や「承認」を切り口にした上で、課題については、本人に自分で気づかせるような指摘方法を採るように心がけているというのです。

「いまの、今日のおすすめの説明は、自分では何点くらいだと思う?」
「お!工夫したね。次はどうする?」
「今やった方法は、どう言うところがポイントだったかな?」

指摘の必要を感じたときは、このように考えさせる問いかけを心がけているそうです。
さらに、その問いかけの前に、まず、ねぎらいの言葉を入れるようにしたのです。

「お疲れ様。」「やるね。」「いつも、ありがとう。」


これにより、「店長は、自分をよく見ていてくれた上で『アドバイス』や『気づきを引き出す質問』をしているんだな」と、スタッフ達は感じるようになったのです。

エリアマネジャーや部長や経営者は、店舗を訪問すると「自分のこだわり」と「店舗の現状」にギャップがあると、すぐにそれを指摘しがちです。しかし、店長にも考えと事情があります。いつも言っていますが、「店長ってムチャクチャ忙しい」のです。それに対するねぎらいをすっ飛ばして「自分のこだわり」だけを押しつけても、たとえそれがいかに正しいことであっても、店長やスタッフの心には響きません。

きっと、エリアマネジャーも部長も経営者も、自分が現場にいたときは同じような思いで必死で仕事をしていたはずです。間違いなく自分も毎日が大変だったはずなのです。しかし、立場が変わると、なぜかそれは、「何でも完全に出来ていた自分」に自己評価が変わります。

たとえ目の前の状態が「こだわり以下」「基準以下」であっても、まず行うべきは「ねぎらい」と「感謝」です。その気持ちがあるから相手は心を開くのです。N店長は自分がされた経験からそのことに気がついたのです。

PDCAが上手く廻らない原因のほとんどは、現場ではなくその上司にあります。
上司が現場のやる気をなくさせているのです。自分ではフォローしているつもりでもね。
上司が、それに気づき、反省し、そして「相手軸」に立つことが出来れば、PDCAは必ず上手く廻るようになります。
そう、このN店長の店のように。

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