日経記事;『大手へ売却 戦略的に 中小、「選択と集中」狙う 海外事業、引き合い強く』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『大手へ売却 戦略的に 中小、「選択と集中」狙う 海外事業、引き合い強く』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月25日付の日経新聞に、『大手へ売却 戦略的に 中小、「選択と集中」狙う 海外事業、引き合い強く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『中小企業による大手への事業売却に新たな動きが出ている。後継者難をきっかけにした例にとどまらず、最近では事業の集中と選択などのために戦略的に売却に踏み切るケースも目立つ。

グローバル展開を急ぐ大手にとって、M&A(合併・買収)の対象として海外事業などに強みを持つ中小の存在感が高まっている。

梅田工業は子会社譲渡によりプレスから板金にシフトする。

インドネシアの首都ジャカルタ近郊で、11月にも金属部品の中小メーカー、梅田工業(埼玉県行田市、梅田英鑑社長)の新工場が稼働する。産業機械や医療機器などの現地日系工場向けに板金加工部品を生産する計画だ。

実は梅田工業にとって、インドネシアでの工場操業は2度目だ。1995年に稼働した工場は昨年夏、工場運営子会社ごと、東証1部上場のリズム時計工業に譲渡した。売却で得た数十億円の資金を新工場建設にあてた。

売却した工場は現地に進出した日系自動車メーカーなどが主な顧客で、量産プレス部品を製造していた。納入先からも表彰を受ける優良工場に育ち、直近では日本の梅田工業本体の2倍強となる年間約20億円の売り上げを稼いでいた。だがプレス部品はコスト競争も厳しく、量産メリットを生かすには追加投資を続けなければならない。

「体力以上の投資を続けるのはリスクが大きすぎる」。長男に会社を継がせることを考えていた梅田工業の梅田燿敬会長は、工場売却を選んだ。

売却を機に、溶接や曲げなど熟練技術が生かせる板金加工事業へのシフトを強める。インドネシアの新工場では少量多品種型の板金部品事業を手掛け、新たな顧客開拓に挑む。「日本並みの技術ノウハウをインドネシアに根付かせる」考えだ。

「20人の従業員を安心させたかった」。国際海上貨物輸送のニュースターライン(名古屋市)は今春、東証2部上場の総合物流会社、カンダホールディングスの傘下に入った。ニュースターラインの鈴木敏郎会長は70歳。親族や社内幹部に会社を引き継ぐ希望者はいなかった。

業績は好調で「廃業は全く考えなかった」。買い手はあると思い鈴木会長はM&A仲介会社に会社の売却を相談し、条件として全従業員を引き継ぐことを提示した。昨年末にカンダの勝又一俊社長と面会、今年3月に全株式を譲渡する契約を結んだ。「上場企業のグループとして会社を残せた意義は大きい」と鈴木会長は語る。

ニュースターラインは中部圏の製品を中心に工作機械やタイル、陶器・織物などを中国・東南アジアや中南米などに船便で輸出するフォワーダー(混載物流事業者)だ。幅広い小口貨物に対応し、確保した船便のコンテナに効率的に混載するノウハウに定評があった。

国内の医薬品物流などを得意としてきたカンダは、成長分野として国際物流事業の強化を狙っており、ニュースターラインが目に留まった。「当社が手薄だった海上輸送に強い中小を探していた」とカンダの勝又社長は話す。後継問題がきっかけだったが、ニュースターも大手の傘下入りで成長の可能性が広がった。

単独より販路拡大ができるとみて、企業売却に踏み切る例もある。建築物の空調などの設備設計や省エネコンサルを手がける蒼設備設計(東京・品川)は、東証2部上場のマイスターエンジニアリングの傘下に入った。

東日本大震災以降、企業の節電意識が高まり、省エネコンサルなど蒼設備設計が持つノウハウはマイスターが手がけるビル・商業施設の管理業務と相乗効果があると評価された。営業連携などを今後進め、事業規模を拡大する考えだ。』


本日の記事は、競争力をもつ中小企業が『集中と選択』をM&Aによって行って、得意分野に経営資源を集中する、相手先との相互補完で事業領域を拡大する、より大きな会社のグループ企業として資金繰りや設備投資を容易にする、事業承継を円滑に行うなどのメリットを得られることについて書いています。

M&Aは、最近、中小企業でも積極的に活用されるようになっています。しかし、中堅・大手企業と比べると、中小企業がM&Aを使う活用数や率は高くありません。

中堅・大手企業では、新規事業立上や海外市場・販路開拓を行うに際して、競合他社との競争に打ち勝つために、短期間での効果が期待できる方法として、M&Aが多用されるようになっています。

また、中堅・大手は、一般的に自社内にM&Aを実行するための人材も確保できていることも当該手法を積極的に活用する要因の一つになります。

これに比べると、中小企業は、中堅・大手に比べると、M&Aを自社内で実行できる人材をもっていません。

本日の記事に出ています中小企業は、M&Aを活用できた少数派ととらえています。もちろん、今後も中小企業がM&Aを活用するケースが増加していくことは確実です。

しかし、中小企業がM&Aを使うケースが単純に増加するとはみていません。理由は、上記人材不足に加えて、経営者のM&Aに対する意識が低い場合が多いこともあります。

私は、今まで何社かの中小企業のM&Aを支援しました。私が支援した中小企業の経営者は、集中と選択だけでなく、新規事業立上や海外市場・販路開拓を短期間に行う手法の一つとして、M&Aを活用しました。

どの経営者も事業拡大や収益基盤の強化に熱心で、海外企業との競争に打ち勝つには、最新の技術やノウハウを獲得するために他社を買収する、自社内の事業売却により投資資金を確保して新規事業に対する投資資金を確保する、海外に強力な販売ネットワークをもつ企業に売却してグループ企業として残り販路開拓を行うなどの目的で行いました。

上記中小企業は、本日の記事に出ています会社と似ています。

一方、多くの中小企業は、M&Aを使う状況にありませんし、その意識も低いものがあります。しかしながら、中小企業を取り巻く事業環境は、急速に変化しています。

国内市場は、生産年齢人口の減少で縮小しています。さらに、アジアを中心とする海外企業が国内市場に参入しています。

多くの中小企業は、国内市場の縮小と競合の激化から海外市場・販路開拓を積極的に行う必要があります。

また、インターネットやITの急速普及は、BtoCやBtoBタイプのビジネス共通に、市場や顧客のニーズに対する変化を加速させています。併せて、競合他社もより迅速にイノベーションを実行するようになっています。

海外市場・販路開拓を行うには、市場や顧客の変化や海外勢との競争に迅速に対応する必要があります。

このような時に、M&Aは自社の経営体制の強化や整備に有効な手法の一つです。短期間に実行できることによります。

私が支援する、あるいは相談を受けた中小企業には、M&Aを使う前に、他社との事業連携・協業を行うことを勧めています。

他社との事業連携・協業を行うには、「Win/Win」の関係が成り立つ必要があります。新規事業立上や海外市場・販路開拓を行うに際し、海外を含む適切な企業とお互いのメリットがでる「Win/Win」の関係構築ができれば大きな経営資源となります。

事業連携・協業を行うメリットは、お互いに「Win/Win」の関係が維持できなくなれば解消できることです。

これに対してM&Aの場合、失敗すると大きな痛手をこうむるリスクがあります。

私がみてきました中小企業では、他社との事業連携・協業を行う経験を豊富にもっているところがM&Aもうまく活用しています。

簡単に言いますと、私の経験則では、他社との事業連携・協業をできない中小企業はM&Aも活用できないことが多いです。

まだ他社との事業連携・協業を行った経験がない中小企業には、世界市場での自動車メーカーの連携・協業のやり方を参考するようアドバイスしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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