本物のおしゃれ(バレエ編) - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:ダイエット

佐久間 健一
佐久間 健一
(ボディメイクトレーナー)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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本物のおしゃれ(バレエ編)

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今回はこのテーマの締めくくりとして、私の専門分野である「バレエ」でまとめてみようかと思います。(^^♪

 

 

皆様はバレエ、或いはバレエダンサーというものに、どんなイメージをお持ちでしょうか?

特にダンサーは、生身の人間が表現者となる訳ですから、その個性は実に様々ですね。

又クラシックバレエは伝統を守りつつも、その時代と共に変化し、進化し続けています。☆彡

 

 

ではここからは、私がロシアやルーマニアなどの国に行かせて頂いた時に感じた、バレエやバレエダンサーに付いてお話しさせて頂こうと思います。_(_^_)_

 

 

ロシアやルーマニアといった国では、国の理解と援助があって、バレエはちゃんと職業として成り立っています。

ですのでバレエダンサー達も日本とは全然意識が違い、彼等の中には「色々ある職業の一つ」という意識が自然にあります。

 

 

日本はそういう環境には無いので、どうしてもバレエやオペラなどの芸術は「趣味の延長」というイメージが拭えません。

それだけに又、無意識にそういうものがバレエをする側にも反映されるせいでしょうか、どこか「バレエをやっている私は特別なのだ」「バレエ鑑賞が趣味の私は特別」的な意識が強い方も多くお見かけ致します。

 

それに伴うものをちゃんとお持ちの方は、違和感が無くて良いのですけれど、中にはそうでない方達までそういう特別意識をご自分に持たれて、バレエに関わっておられる方も多くいらっしゃる様にもお見受けするのです。(^^;)

 

 

 

この様なものを感じた時に「どちらがおしゃれに見えるか?」というと、やはり芸術が生活の中に浸透していて、淡々と「職業の一つ」とクールに捉えるヨーロッパの方達のバレエの方が、私には断然おしゃれに感じられました。

 ☆_(_☆_)_☆

 

私が何故そう感じるかと言えば、彼等は少なくとも日本人のバレエへの意識よりも "自然体" だったからなのだと思います。

 

  

 

まぁ、バレエは元々ヨーロッパの文化のものですので、日本はその後進国でありますから、それは仕方の無い事なのかもしれません。

今は本場のヨーロッパなどでも活躍される日本人の有名なバレエダンサーの方も増えたので、「日本のバレエは世界に追いついた!」と思われる方もいらっしゃいますが、

 

 

私は日本での観客層や、バレエ教育の稚拙な現状、又バレエに関わらず "文化・芸術" というものに対しての日本人の低い意識などを冷静に観ましても、やはり日本はまだまだバレエ芸術後進国であるという印象は否めません。

(※私が感じるその稚拙なバレエ教育の中には、近頃の完全にビジネス化された、芸術性への教育が全く感じられない、単に "大人のモノマネをさせる" 気違い沙汰の「コンクールビジネス」乱立があります)

(`Δ´)!

 

 

それに比べて、ロシア・フランスなどは特に文化・芸術全般に対して造詣の深さと歴史がありますから、それがバレエを踊る側と観客層にも反映されており、多くの一般市民にも芸術が日常の中に自然に浸透しています。

 

そして私はルーマニアへ行った時にも、それと同じものを感じた事がありました。

(ちなみにルーマニアのバレエ文化は、ロシアから伝授されたものですから、感覚はロシアに近いものがあります)

 

 

それは私がゲストダンサーとして招かれて、ルーマニアで「ジゼル」全幕に主演させて頂いた時のエピソードです。(^^✿ 

 

現地に着いて、早速「ジゼル」のリハーサルに入った私が目撃したのは、日本のバレエ団とは違うバレエダンサーの怠惰さでした。(^^;)

リハーサルに入った時は全体に、どこかダンサー達は何となく弛緩している様な印象が強く、日本人の真面目でキチンとしている誠実なリハーサルで育った私は「何か一体感に欠ける様に見えるけれど、大丈夫なのかしら?」と思ってしまったほどです。(笑)

 

勿論本番が近づくに連れて、彼等はそれなりに上がって来ましたが、やはりそれは日本の真面目なバレエの感覚とは全然違う印象でした。

 

 

所が本番はどうでしょう!?

結果はアンサンブルに至るまで、日本人が演じるよりもロマンティックで芸術的な「ジゼル」の舞台になっているのです!

(※私は本番は主役として舞台に立っておりましたから、この感想は、後日ビデオを観て感じたものです)

 

 

それは私に取っては、ルーマニアでのバレエ文化の "浸透力" というものを、改めて感じさせてもらう貴重な経験になりました。《゚Д゚》☆彡

 

 

ちなみにその時に、こんなエピソードも聞きました。(^^✿

ある大学の男子学生が、仲間達に「今日は暇だから、皆でバレエでも観に行こうか?」と話していたと言うのです。

それだけルーマニアでは「バレエはポピュラーなのだなぁ!」という事が、ここからも伝わって参りますね?

 

 

この様に彼等の中にも、バレエを含めた "文化・芸術" が呼吸する様にさりげなく、又自意識過剰になる事もなく、自然に生活の中に息づいて溶け込んでいるのです。☆彡

 

私には、バレエや芸術に対して特別意識を持つ日本人より、そちらの方がよっぽど精神的に優雅で粋で気負い無く、とってもオシャレに感じられたのでした。 ☆_(_☆_)_☆ 

 

 

 

 

昔の日本人の生活には、世界に誇れる高い美意識と文化・芸術も有ったはずなのですが・・・。(^^;)???

 

芸術は心を潤し、人間らしい心を取り戻させてくれる素晴らしいものですけれど、今の様な「簡単に早く手に入れたい」インスタント時代では、忍耐力の要る「本物は時間をかけてじっくり育てる」が基本の芸術は、多くの方に理解されなくなったり、又それを拾えるだけの感性が退化してしまったのかもしれません。

 

「今の日本には、なかなか本物が育つ土壌が無い」と仰られる芸術家の方も多くいらっしゃるのも又事実ですが、でもそんな中でも芸術を深く理解し、オシャレに生きておられる方はいつの時代にもいらっしゃいます。_(_^_)_

 

 

そして「私も、そんなおしゃれな人間でありたいな~♫」と思って、日々を生きている一人なのでございます。

☆_(_☆_)_☆

 

 

 

 

 

(この可憐な刺繍ワッペンは、私には懐かしい舞台の楽屋の化粧前を連想させます♫)

 

 

 

 

 

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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年