日経記事;『研究開発「海外で拡充」2割 今年度投資4%増 本社調査 東芝・日立、アジア強化』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『研究開発「海外で拡充」2割 今年度投資4%増 本社調査 東芝・日立、アジア強化』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月13日付の日経新聞に、『研究開発「海外で拡充」2割 今年度投資4%増 本社調査 東芝・日立、アジア強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本経済新聞社が実施した2014年度の「研究開発活動に関する調査」によると、主要264社の研究開発費は13年度から4%伸び、5年連続の増加となる。

海外で研究開発体制を拡充する動きも鮮明で、研究所や開発センターを新設・増強する企業が全体の2割にのぼった。東芝や日立製作所は東南アジアやインドなどで研究開発を強化する。

264社の14年度研究開発投資額は11兆6256億円の見込み。増加率は前回調査の5.4%を下回るが、引き続き堅調さを維持している。1~3位は前回と同様、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の自動車3社だった。

首位のトヨタはリーマン・ショック前の08年3月期を上回る過去最高の9600億円を投じる。今年度内に「究極のエコカー」とされる燃料電池車を市販する。

今後、製造コストを引き下げるため、燃料の水素を貯蔵するタンクや関連部品を改良する技術開発に取り組む。15年の販売を予定するホンダも燃料電池車に研究開発の投資を振り向ける。

研究開発費総額の約3割を占める自動車・自動車部品は、業種別でみると海外拠点の拡大に最も前向きだった。今年度以降に「新設、増強または拡充する」と回答した企業は48.1%に達した。素材や電機・IT(情報技術)も20%を超えた。

地域としては東南アジアが米国とともに52.5%と多かった。製品開発の現地化を進めるとともに、優秀な人材の獲得にも乗り出す。各国のトップ級の大学と組むことで、技術開発のスピードアップにつなげる。

例えば、東芝はベトナムやインドにある拠点を拡充し、クラウドコンピューティング技術を開発する。両国はIT技術者の育成に力を入れているという。日立製作所はエネルギー・環境やインフラの分野を中心に、東南アジアや中国、インドなどのアジアで拠点を強化する。

海外拠点の新設・拡充とともに海外の大学と連携する動きも盛んだ。三菱電機は中国の地域統括会社で産学連携を担当する社員を増やす。今後、現地の大学や研究機関との共同研究を拡大する。

三菱重工業は昨年10月、シンガポールに現地の大学や研究機関との共同研究を推進する専門の社員を駐在させた。中国では火力発電所のガスタービンやパワー半導体など電力機器に必要な技術開発を清華大学に委託する。

先進国での産学研究にも意欲的だ。富士通は米マサチューセッツ工科大学とオンライン学習の基盤技術を共同研究する。NECはネットワーク機器をソフトウエアで制御する「SDN」と呼ぶ技術やビッグデータ関連の研究を欧米の大学と進める。』


本日の記事は、製造業を中心とする国内企業の新規事業に関する開発投資に関して書いています。
概ね、どの中堅・大手企業は、開発投資に積極的になっています。新規開発拠点を海外に置く動きになっています。

理由は、二つあります。

一つは、海外企業との競争激化です。従来の競合他社は、国内や欧米が中心でしたが、今は、それに加えて、韓国、台湾、中国企業が実力をつけるようになっています。

ITの進化と共に、技術革新のスピードが速くなり、技術や商品のライフサイクルも短くなっています。

競合他社に徹底的な差別化・差異化可能な技術・商品で勝負しないと、直ぐに追いつかれる、あるいはオンリーワンの事業環境を作れないことになります。

二つ目の理由は、国内市場が生産年齢人口の減少共に、縮小の一途をたどっており、収益拡大には、海外市場開拓が必要不可欠になっていることによります。

海外市場開拓には、現地顧客が要求する仕様・機能・性能・価格などを満足する商品やサービスを提供する必要があります。

このような現地顧客の声;VOC(Voice Of Customers)を理解して、商品の開発・実用化を行うには、対象市場内に開発拠点をもって、計画・実行することがもっとも効果的な方法であることを、過去の事業経験から、国内企業は学びました。

上記に述べた理由にもとづいて、多くの国内企業が集中して新規に開発投資拡大している地域が、ASEANです。

日本とASEANは、ここ30年くらい安定した関係を維持強化しており、基本的にASEAN域内の10カ国は、親日的です。

国内企業、特に電気・電子機器や自動車関連は、1960年代からタイのバンコク周辺に集中して製造業投資を行ってきました。

その結果、タイには、日本と同じような産業集積が生まれました。現在のタイは、製造事業の新規投資が、低い失業率により現地従業員の確保が難しいなどの課題が生まれるほどになっています。

タイの生産年齢人口の拡大もピークを迎えており、タイは今後単純労働、あるいは労働集約的な製造事業の展開に不向きになっています。

代わりに、タイでは所得水準が上昇した生産年齢人口層が厚みのある中間所得層を形成しており、大きな消費者市場が生まれつつあります。

現在、インドネシア、ベトナム、フィリピンが第二のタイを目指して、日本を中心とする海外から製造業やITの投資を積極的に受け入れています。

ASEAN域内での新規投資の中心は、国内企業です。ASEANは人口6億人の巨大市場であり、製造拠点および消費者市場として大きな魅力をもっています。

国内企業がASEANの巨大需要に合わせて、差別化・差異化可能な技術・商品を開発・実用化・製造するには、域内に開発や製造拠点をもつことは、合理的です。

ASEANは、政治的に安定した国が増えていることも追い風になります。

上記の視点から、多くの国内企業がASEAN域内に開発拠点拡充や、新規開発案件を増加させることが、今後ASEAN域内でさらに強固な事業基盤を作るために必要不可欠になります。

新規開発分野は、ASEANや世界市場で大きな需要が見込める、環境、エネルギー、社会インフラ、医療、バイオなどを中心に、それらを支える素材、部品、技術、製品など多様にあります。

本日の記事にあります企業の動きは、ASEANや欧米を中心に展開するようになっており、今後の成果に期待をもてます。

また、ITはこれらの事業分野を支えるインフラであると共に、各分野の競争力を高める切り札の一つになります。

たとえば、今後製造される製品は、IoT化対応が差別化・差異化の源泉の一つになります。日本は、IoT化では米や独企業が先行してしますので、新規開発投資を行って競争力強化を早期に実現する必要があります。3Dプリンターも同じような状況です。やはり、ASEANと欧米での新規開発投資が重要になります。


ベンチャーや中小企業は、中堅・大手の動きを参考にしながら、周辺事業分野でニッチ市場を徹底的な差別化・差異化できる技術やノウハウで確立することが勝ち残るための施策の一つになります。

ニッチ市場を確立する分野は、世界市場で拡大する市場を対象とすることが基本になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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