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日経記事;『上場企業増益、製造業けん引 4~6月2%、海外で稼ぐ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月9日付の日経新聞に、『上場企業増益、製造業けん引 4~6月2%、海外で稼ぐ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『上場企業の収益が改善を続けている。2014年4~6月期は上場企業全体の経常利益が前年同期比2%増となり、7四半期連続で増益を確保した。

電機や自動車など大手の製造業が好調で全体を支えた。もっとも、増益ペースは1~3月期までの2ケタから鈍化。消費増税の影響もあって、非製造業では減益の決算になり、企業間の差が出ている。

8日は決算発表の後半の集中日。3月期企業の9割が発表を終えた。日本経済新聞社の集計では、全体の売上高が6%増、経常利益は2%増となった(金融など除く)。トヨタ自動車など6社に1社が4~6月期での最高益を更新した。半面、減益となった企業の数も全体の半数にのぼった。

けん引したのは製造業だ。中でも電機の改善が顕著で、経常利益の増加額は約2000億円になった。日立製作所は情報システムや中国の昇降機が伸び、5割近い増益率になった。出遅れ組も復調を見せ、事業改革が進むパナソニックは住宅関連や車載器で稼いだ。

機械メーカーは世界的な設備投資の需要を取り込めている。ファナックはスマートフォン関連の加工ロボットが好調だ。

自動車も増益基調を維持している。国際競争力が高く、大手7社のうち5社が最高益だ。トヨタの税引き前利益は7%増の7718億円。国内販売台数は4%減ったものの、北米が好調だった。


製造業は全体で9%増益。もっとも業績の改善と日本からの輸出の伸びは一致しない。海外での現地生産が進み、トヨタの場合も4~6月の輸出台数は14%減った。

一方で非製造業は7%減益となった。小売りやサービス業など内需企業が多く、消費増税が影を落としている。33%減益の三越伊勢丹ホールディングスは、宝飾品など高額品が落ちた。資生堂は消費者による化粧品の買いだめの反動が出た。

人手不足の問題が業績の足を引っ張る企業も出ている。ヤマトホールディングスは運転手不足で費用が膨らみ、4割減益。モスフードサービスなど外食でも人件費高で減益になる例がある。

通信はソフトバンクの減益額が大きかった。

15年3月期通期は上場企業全体の経常利益が前期比1%増えるとの予想だ。4~6月期が計画を上回る企業は少なくないが、国際情勢など不透明要因も多く、慎重な見方を崩していないようだ。


現在、多くの上場企業が決算発表しています。総じて、本日の記事にありますように、製造業を中心に収益改善が進んでいます。

製造事業者は、国内よりはASEANを中心とするアジア地域や米国市場で収益拡大を達成しています。

多くの製造事業者は、集中と選択を中心とする合理化と、新規事業の立上げ準備を入念に行ってきました。

その努力の結果が海外市場での売上拡大によって、収益改善につながっています。多くの製造事業者は、リーマンショック後の大不況と、異常な円高下での輸出事業不振や収益の大幅低下などの課題に対応してきました。

特に、中小企業の場合、資本や財務力などのぜい弱さから、生き残れなくて倒産や事業撤退に直面した会社も多数でました。

そのような厳しい事業環境下で、生き残った、あるいは勝ち残った中小の製造事業者は、基本的に強いコスト対応力と、徹底的に差別化・差異化可能な技術・部品・製品をもっています。

国内市場は、15歳から64歳までの生産年齢人口の大幅減少で、市場規模が縮小しています。これは、製造事業者が国内市場で勝ち組になっても、市場縮小に直面して、収益拡大を図れないことを意味します。

企業は、収益拡大を図ることが社会で事業活動する目的の一つになりますので、当然のごとく、国内以外の市場を探してその可能性を探ることになります。

この観点から言いますと、多くの中小を含む製造事業者は、ASEANを中心とするアジア市場に大変大きな関心をもっており、かつ、市場開拓・販路開拓の動きを強めています。

ASEANは、経済統合体に向かう動きを加速しています。今週、ミャンマーの首都ネピドーで、東南アジア諸国連合(ASEAN)を軸とする一連の閣僚級会議が始まりました。

今回の議長国であるミャンマーの大統領は、「われわれはこの地域を単一の市場、単一の生産拠点にすることを目指す」と宣言したと報じられています。

ASEANの経済統合は、域内10カ国の経済格差や政治情勢などから、なかなか計画通りに進まないとみています。

しかし、ASEANは経済活動が活性化していますので、経済統合の動きをみながら、事業展開するための施策立案と着実な実行が必要です。

少なくとも、ASEAN内では完全撤退か可能な限りゼロにすることが基本合意されていますので、販売拠点や製造拠点を現地に作る場合、その視点も含めて考えることが重要です。


私は、始めて海外進出を考える製造事業者からASEAN市場開拓の相談を受けた時に、必要な事前準備が終了したら、まずは国内からの輸出事業に専念するようアドバイスします。

現在の円に対する為替レートは、過去の異常な円高時に比べれば心地よい状態になっており、しかも安定しています。

もちろん、今後の政治的な不安定リスクや米国市場の景気などにより、為替レートの変動リスクはありますが、1US$/70円~80円台の状況には戻らないとみています。

国内からアジア市場に輸出するには、販路開拓・確立を行う必要があります。多くの製造事業者は、当該事業開始時に自前で販路をもてません。

そこで、現地で強固な販売ルートをもつ販売会社や商社などと連携・協業して、販路をつくるやり方が一般的です。

製造事業者は、ASEANなどの海外市場に製造拠点を作る前に、販売体制を確立しておく必要があります。

国内市場からの輸出事業を立上げ・安定させてから、既存の販売体制を利用して、海外製造工場で作った製品を販売するやり方が合理的であり、失敗リスクの低下につながります。

中心企業庁が発行する「中小企業白書」をみますと、海外に工場を作った中小の製造事業者の半数以上が、数年以内に撤退しています。撤退する最大の理由の一つは、売上不振です。集客できないことによります。

国内からの輸出事業でしっかりとした販路開拓を行っておけば、ASEAN内に工場を作っても、既存の販路を活用して集客できます。

海外市場で販売会社をみつけるやり方には、海外展示会に出店する、代理店を活用するなどの方法があります。

そのためには、初めて海外進出を行う中小企業は、インターネットをフル活用して、自社のWebサイトから情報発信を行って、潜在顧客、販売会社、代理店などに知ってもらう努力も必要になります。

なお、この海外市場向けWebサイトは、最低限英語版で作る必要があります。さらに、可能であれば、対象市場向けの現地語(タイ語やインドネシア語など)版も作ると効果的です。

私は、昨年(2013年)6月に、高岡商工会議所、ジェトロ富山、高岡市主催の「海外販路開拓のための代理店マネジメントセミナー」を行いました。さらに、12月に同じく富山市や高岡市で「海外販路開拓セミナー:海外営業力を強化する「Webサイト・代理店の活用法」などのセミナーを行いました。

今年も、9月に鯖江市、11月に富山市で、「海外販路開拓セミナー」を行う予定です。詳細内容が決まりましたら、本ブログ・コラムに記載します。

これらのセミナーの基本骨子は、国内からの輸出事業を立上げるための販路開拓のやり方になります。上記記事で書きました視点から、具体的なやり方や実行ポイントなどについて説明します。

今年行うセミナーは、昨年同様に無料です。近隣地域で事業している中小企業で、海外市場・販路開拓を計画されている場合、ご関心があればご出席願います。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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