日本と外国の子供の違い (教育について) ② - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:ダイエット

佐久間 健一
佐久間 健一
(ボディメイクトレーナー)

閲覧数順 2024年04月18日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日本と外国の子供の違い (教育について) ②

- good

  1. 美容・ファッション
  2. ダイエット
  3. 心・メンタルとダイエット

前回では、日本の親達(大人達)の「自信の無さから来る自分を持てない優柔不断さ」が、子供達に反映されているというお話しをさせて頂きましたが、今回は「ではそれは、一体何から来ているのか?」という、その根本原因に深く切り込んでお話を進めて参りましょう。

 

 

私が今の日本の子供達から多々感じる事の一つに、本当の意味のコミュニケーション力の無さというものがあります。

つまり根本に自分を持っていないので、「誰かの助けが無いと、自ら挨拶やディスカッションができない」という子供達が本当に増えているという実感です。

 

 

そしてこれは、実は親御さんが一番気づいていなかったりするのです。

何故なら子供達は親の前では、ちゃんと挨拶ができている様に一見見えるからです。

 

 

子供が小さい頃に親御さん達は、「ほら、挨拶は?」とか「挨拶しましょうね」と子供に教えますね?

最初に親からそう教わって子供は挨拶を覚えて行く訳ですが、では大きくなった日本の子供達が、果たして親のいない所で "自主的に" 挨拶ができているかどうかというのは、又別という事なのです。

 

 

親御さん達は自分が一緒にいない時の子供の姿というものは見る事ができないものですから、なかなかそういう事に気づけないという盲点があるのです。

そして又、そういう視点をお持ちの親御さんというのも日本の場合、本当に少ない様にお見受け致します。

 

 

日本人の文化は、時に「甘えの構造」「お子ちゃま文化」と言われますが、それはこの様な子育てスタイルから来ているという事を私は強く感じます。

一言で言ってしまえば、それは「過干渉」という子育てです。

 

 

その影響は、例えば日本の子供達に、何か質問をしてみた時に顕著に表れます。

(まだ幼い幼児は別として) 日本の子供達に質問を投げかけた時に多いのは、自分から答える前に、まず親の方を見て反応を窺うという行動です。(これは海外では殆ど見られない異様な光景です)

 

そこで親達が子供の代わりに答えてしまったり、或いは親に促されて返事をしたりするので、子供の方も常に親に頼る様になってしまっているのですね。

 

つまり子供が「自分から能動的にする」行動ではなく、常に行動する時には「親の指示待ち」をする様になるのです。(それが家庭外での反応にも繋がっているのです)

 

 

 

大人・子供に関わらず、最近の日本人の傾向としてあるのが、

「言われた事や指示された事をこなすのは上手いが、絶えず受け身の姿勢なので、何事も面倒くさがり、自分が責任を負う様な事を避けたがる」

という姿勢ですが、これはこの様な根から来ているのではないかと私は感じているのです。

 

 

日本の子供達は、自分の慣れた環境の中ならば、その経験から反応として覚えた機械的な挨拶はできる様にはなりますが、新しいシチュエーションで誰かから質問を投げかけられる様な、真のコミュニケーション力が必要となる場面では、自分で考えるという事の前に、

 

① まず周り(他人)を気にする。

② 誰かが自分の代わりに答えてくれるのを待つ。

 

と言う姿勢になるのです。

 

 

こうして結果、依存心が強くなる様に育てられた子供は、日常の中で「自分から考える事」の必要性を感じなくなり、左脳しか働かないロボットの様な、型にハマった思考能力しか持てない様に育って行きます。

そうなると人間はどういう性格になって行くかというと「自分に責任を持つ事を嫌がる、面倒くさがりで無気力で怠惰な性格」という人格に育ってしまうのですね。

 

 

そういう傾向の子供かどうかというのは、私はその子に質問してみれば大体分かります。

特に「 "親に取って" 優等生に育てられている」頭の良い子に多いのが「オウム返しの答え」をするという反応です。

 

 

そういう子が答える時の反応は決まっています。

つまり誰かが話した内容を拾って、答える時は「自分で理解したつもり」になって(※ここ重要ポイントです!)、それを自分の答えにしてしまうという傾向です。

ですから人と違う意見にはならず、或る意味凄く楽な反面、その子は自分の中で「本当は自分はどう思うか?」という事を観ない・感じない体質になって行く訳ですが、本人にその自覚は無いのです。

 

 

(これは「頭(左脳)と心(右脳)は違う」という事を把握しないと理解できないと思いますが)、 この様にして、一見優等生に見えてしまう「自分の心に鈍感な "無感覚人間"」 が育ってしまうのですね。

 

 

つまり「言われた事しかしない」「言われないとやらない」という、他人の指示が自分の行動の根になる依存心の強い人間は、

 

「自分から創意工夫する楽しさ」や「努力する事の素晴らしさ」などを経験できないので、(表向きは優等生として扱われていても)、知らず知らずに生きる喜びを感じない、生命力の無い人間になってしまうのです。

 

そしてそういう風に育った大人達が親になり、子供達を育てているというのが、私の眼から視える "日本の現状" の一つです。

 

そしてこの社会の構図が、今の日本の大人達が自分に自信や信念を持てない事や、依存心ばかりが育つ子供達を生んでいる一つの原因であろうと私は感じます。(両者はお互いの鏡になっています)

 

 

 

(次回へ続きます)

 

 

 

 

  ( Kingcup )

 

 CICELY  MARY  BARKER   「Flower  Fairies  シリーズ」より

 

 

 

 

 |  コラム一覧 | 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

natural & elegance

長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年