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日経記事;『格安スマホ端末、世界席巻 中国勢、台湾と組み躍進 「薄利多売」が加速』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月5日付の日経新聞に、『格安スマホ端末、世界席巻 中国勢、台湾と組み躍進 「薄利多売」が加速』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本円換算で1万円台にとどまるような中国製のスマートフォンが世界を席巻している。中国メーカー大手6社の4~6月期の世界シェアは約3割に拡大し、最大手の韓国サムスン電子などの業績を圧迫している。

パソコンや薄型テレビのような「薄利多売」化がスマホ市場でも急速に進む。日本メーカーにとっても厳しい環境になる。

台湾の調査会社、トレンドフォースがこのほど発表した4~6月期の統計によると、中国スマホ大手の北京小米科技(シャオミ)のシェアは1~3月期比0.4ポイント上昇の4.5%で6位に浮上。4.4%で7位にとどまったソニーを初めて追い抜いた。小米の人気モデル「紅米(ホンミ)」は1台699元(約1万1600円)からという低価格だ。

シェア3位のレノボ・グループ(聯想集団)や同5位の華為技術(ファーウェイ)なども含め、シェア上位10社のうち6社が中国勢。合計シェアは約28%と、12年通年の約16%と比べて急上昇し、サムスンの31.4%に接近している。中国勢との価格競争のあおりを受け、サムスンの4~6月期の連結決算は9年ぶりの減収減益に沈んだ。

IT(情報技術)端末の研究開発力で日米韓メーカーに及ばない中国メーカーが急速にシェアを伸ばしたのはなぜか。背景には、台湾メーカーの存在がある。

スマホの頭脳となるシステムLSI(大規模集積回路)の大手メーカー、聯発科技(メディアテック)。他社の特許の活用や、半導体受託生産で世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)などとの連携でコストを大幅に引き下げ、同業最大手の米クアルコムよりも3~5割安いとされる製品を供給した。

メディアテックはスマホを簡単に作れる設計図もセットで配布している。中国では「靴屋でもスマホメーカーになれる」と言われており、関連技術のない異業種からでも簡単に市場に参入できるようになった。

組み立てでは世界最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)会社、鴻海精密工業が先行した。他の台湾EMSも続々とスマホの受託生産に参入。スマホ用の光学レンズで世界最大手の大立光電(ラーガン・プレシジョン)などの部品メーカーも育ってきた。

この「チャイワン(チャイナ+タイワン)」とも呼ばれる分業が大量の格安スマホを生み出した。米アップルやサムスンが作り上げた高収益ビジネスだったはずのスマホ産業のゲームのルールを一変させた。

台湾との分業の動きはインドなどにも拡大。米調査会社のNPDディスプレイサーチによると、格安スマホの普及で、14年のスマホの平均価格は13年比14%低下の259ドル(約2万6600円)と初の2万円台に急落する見通しだ。


中国勢の格安スマホは東南アジアや南米などの新興国にも続々と出荷されており、勢いが衰える兆しはない。NPDディスプレイサーチによると、14年の200ドル未満の格安スマホの出荷台数は前年比43%増の約4億4千万台に急増し、シェアは全体の37%に達する見通し。このあおりで、高価格帯とされる400ドル超のスマホは同6%減の3億9400万台と初の減少に転じる。

格安スマホの台頭で日本メーカーの戦いはさらに厳しくなっている。日本勢トップのソニーは7月末に15年3月期の販売台数目標を従来の5000万台から4300万台に下方修正したばかり。営業損益も260億円の黒字からトントンとなる見通し。「規模ではなく、収益を追う」(吉田憲一郎・最高財務責任者)方針に転換した。

一方で国内の電子部品大手は格安スマホに商機を見いだしている。格安スマホ大手に売り込んだうえで、メディアテックが中国勢に提供している設計図の選択肢に入ることも目指す。各社が「メディアテック詣で」を競う状況だ。』


何度か本ブログ・コラムで述べていますように、バンコクやジャカルタなどのASEAN主要都市を訪問するたびに感じることは、1万円以下の格安スマホの急速普及です。

格安スマホは、中国やインドメーカーから提供されています。

消費者は、ある程度安かろう悪かろうの精神でこれらの格安スマホを購入しています。壊れたら新商品と交換すればよいと割り切っています。

ASEANの消費者は、格安スマホをインターネットの出口端末として使っており、これに電話機能がつけば、しょうしょう極端に言いますと、何でもよくスマホ自体にこだわりはありません。

このような市場環境では、大多数の人たちは格安スマホを選びます。高級機能や性能をもつスマホは、必然的に一部のこだわりをもつ顧客層が主要市場になります。

所得がさらに上昇して、市場や文化が成熟すると、日・米・欧の市場のように、高級機能や性能をもつスマホが、一定規模の市場を確保できます。

しかし、このような先進国市場でも、高級スマホの販売価格は、下がると推測します。それは、テレビやパソコンの歴史が実証していることによります。

スマホもテレビやパソコンと同じように、先進国市場でも価格破壊が進み、遠くない将来に汎用化するとみます。

アップルは、スマホ、タブレット端末、パソコンに共通OSであるiOSを採用していることと、熱狂的な顧客層をもっていますので、どんなに格安スマホが普及しても、一定規模のシェアと収益確保ができます。

iPhoneを使っている顧客層は、熱狂的なアップルファンだけでなく、スムースな操作性やデザイン、搭載されているアプリケーションソフトなどに魅力を感じている人たちが含まれています。

従って、アップルは今の商品開発力や企画力を維持強化する限り、一定規模のシェア・収益確保が可能になります。

しかし、アンドロイドOSを採用しているサムスンやソニーは、中国やインドメーカーの格安スマホとの差別化・差異化が難しくなっていきます。

国内企業では、ソニーが唯一スマホの世界市場で戦っていますが、格安スマホの影響により売上が落ち始めています。

ソニーがテレビ事業のようにスマホ単体事業にこだわりをもっていると、価格競争に巻き込まれて、シェアだけでなく、収益確保も難しい状況に追い込まれる可能性があります。

ソニーを含む国内家電メーカーは、パソコンから始まったデジタル機器の水平分業体制下で急速に汎用化して価格競争におちいる市場では勝ち組になれません。これも歴史が証明しています。

ソニーがスマホ端末事業にこだわりをもって行うのであれば、ウエラブル機器・デバイスやロボットなどとの相互接続性や関連アプリケーションソフトの提供などで新機能や付加価値により、エンターテインメントや医療用途などの新事業開拓・確立を行う必要があります。

このときに重要なことは、ソニーは自社独自スマホだけをを対象にしないで、格安スマホやアップルのiPhone、サムスンのスマホなども、出口端末とする広大なプラットフォーム上で事業する施策で望むことです。

格安スマホが世界市場で急速普及すると、インターネットの出口が急拡大します。その急拡大するインターネット世界で、勝ち組になるビジネスモデルを開発・実用化することが重要になります。

ソニーが開発・実用化したゲーム機であるPS4は、圧倒的な商品力があり、世界市場で売れています。PS4は、他社が真似できない機能や性能をもっていることによります。いわば、アップル商品と同じようにコアとなる顧客層を囲い込めます。

PS4もインターネットの出口端末機器となります。

ソニーには、現在のスマホ単体の事業に固執しないで、より幅広い視点からインターネットを基盤とするソフトウエアを含めた新規ビジネスモデルの開発・実用化を期待します。

ベンチャーや中小企業にとっても、ソニーがどのような新機軸をインターネット上のビジネスで展開するか、新規事業の立上げを考えるときの参考事例なることをソニーに期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

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