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日経記事;『食と農大転換の予兆(2)青い光は「熟練者の目」 企業の得意技 生かす時』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

8月4日付の日経新聞に、『食と農大転換の予兆(2)青い光は「熟練者の目」 企業の得意技 生かす時』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『福島県いわき市。午後11時。トマトを栽培する「あかい菜園」の無人のハウスから青い光が漏れる。光を発していたのは2台のロボットだ。

井関農機が開発したこのロボットは栽培棚の間を自走し、4メートルごとに止まっては336個の青色発光ダイオード(LED)から光を照射。葉が返す特殊な光を読み取って生育状況を診断する。

発光ダイオード(LED)の光でトマトの生育状況を把握する計測装置(福島県いわき市のあかい菜園)

電機大手も参入

「病気になる前に対策が打て、収穫量を1割増やせる」と社長の船生典文(39)は話す。この菜園は自動車部品メーカー、北都オーディオ(いわき市)が運営する。「車の部品生産で培った無駄を省くノウハウとデータ解析を融合すれば経験のある農家に負けない」と船生は意気込む。

日本を代表する大手メーカーも続々と農業に参入する。富士通は元半導体工場のクリーンルームで養分や気温、日照などを制御、「低カリウムレタス」を製造。カリウムの摂取が制限されている腎臓病患者に好評だ。

パナソニックや東芝も今年、農業に参入。スーパーに並ぶパッケージには電機メーカーの社名。食品売り場が電機大手の新たな戦場となってきた。

企業が農地を借りて農業ができるようになった2009年以降、1392社が新規参入した。その前の7年と比べ5倍のペースだが、その全てが順調だった訳ではない。

新千歳空港近くにそびえる巨大な白い箱。国内屈指の広さ7ヘクタール、工業用ガスのエア・ウォーターのトマト工場だ。オムロンが得意のセンサー技術を駆使し「未来の農業」をうたったが、損失が膨らみ撤退。10年にエ社が継いだが赤字のままだ。

この農園の社長を一時務めた元大阪府知事で参院議員の太田房江(63)は「光熱費が高く、価格決定権もない。農業を甘く見ていた」と振り返る。日本政策金融公庫によると黒字化できた企業は3割にとどまるという。

ただ、最近のクラウドなどIT(情報技術)の進歩は企業を農業に向かわせる。気象の変化や、作物の生育状況などのビッグデータ解析は品種改良や最適な栽培方法を見つけ出す有効な手段だ。富士通社長の山本正已(60)は「経験や勘に頼っていた従来の農業のやり方を変えれば大きなビジネスになる」と話す。

伸びしろ大きい

米検索大手のグーグルはドローンと呼ばれる無人機のベンチャー企業をこのほど買収した。目的の一つは農業だ。無人機にカメラやセンサーを搭載、空から作物の生育状態や肥料の効き具合などのデータを採取する。「他産業に比べ農業の生産性は低い。その分、伸びしろも大きい」。同社で開発トップのアストロ・テラーは言う。

販路の確保も成功のカギを握る。15の直営農場をもつイオン傘下のイオンアグリ創造(千葉市)。自治体などから要請のある耕作放棄地を引き取るなどして今後1年間で東京ドーム50個分にあたる250ヘクタールの農地を取得する。売り先は全国のイオンの店舗だ。「自ら農業に乗り出すことで最適な価格や食の安全にもつなげられる」と、社長の福永庸明(44)は話す。

企業の最新技術を取り込めば、農はまだ強くなる。』


本日の記事は、ITやセンサーデバイスをフル活用して、食物工場の生産性を飛躍的に向上させる取組みについて書いています。

食物工場は、10年ほど前から多くの企業が取り組んでいます。しかし、最近まで多くの企業は、食物工場事業から採算を取れない状態が続いています。

話題性や将来性から、多くの企業が今も挑戦し続けていますが、採算が取れる企業は、少ないのが実状です。

それは、食物工場が高コスト体質になっていることによります。コストの中でもっとも大きいのが人口光などの電力使用料金になります。

植物工場で作った野菜は、通常露地ものと言われるものと同じ販売価格でスーパーなどで売られます。

多くの顧客は、野菜工場で栽培された野菜であっても、高ければ買いません。従って、野菜工場事業者は、通常の露地もの野菜と競合可能な販売価格帯まで下げないと売れませんし、収益確保ができない現実があります。

オランダの野菜工場は、大成功した事例として引用されています。現時点で、オランダの食物工場から栽培される農産物輸出は、世界2位となっています。オランダの国土は、日本よりはるかに狭い(日本のほぼ1/10)にもかかわらずです。

これを可能にしているのが、大規模化、生産性向上、コストダウンの3つを絶えず行っているとのこと。つまり、製造業者の工場で行っていることを着実に実行しているのです。

キャノンやファナックは、日本国内で製造するのにあたり、大量生産できる製品をほとんど自動化された工場で作っています。

自動化工場は、製造の場所を選ばない究極のやり方の一つになります。労働者の雇用人員を少なくできることによります。

オランダの野菜工場も、製造業の工場運営と同じやり方で、高コスト化を避ける努力を継続して行っています。

オランダと日本では、気候条件が異なります。特に、日本の夏季での高温多湿は、オランダより厳しい自然環境下で食物工場を運営する必要があり、適した品種の選択、品種改良・育成、最適な人口光など検討すべき事項が山積しています。


大規模化を実現するには、大量生産された農産物を大量に販売できる販路開拓・確立を行う必要があります。

農産物を大量に販売するために、既存の流通の仕組みだけでなく、スーパーやコンビニエンスストアとの提携での直販、インターネット通販事業者の仕組みを利用した直販、ASEANを中心とするアジア市場への輸出などあらゆる手段で販路開拓・確立を行う必要があります。

生産性向上は、使用設備の投資額の抑制が重要になります。たとえば、最近多くの野菜工場に人口光としてLEDが使用されています。

LEDが使用されるのは、LEDのほうが蛍光灯に比べて長寿命と言われることによります。しかし、LEDの販売価格が下がったとはいえ、初期投資額は蛍光灯の方が安くなり、トータルコストで比較すると、蛍光灯の方が安いと判断している野菜工場事業者もいます。

野菜工場を自動化するために、ロボットが使用されています。生産性向上には、ロボット使用が有効ですが、どこまで自動化して作業効率を高めるか、設備投資の費用対効果を慎重に計算して判断することになります。

食物工場の維持運営の低減も重要になります。コストダウンは、食物工場の維持運営コスト削減を人の知恵と創意工夫で実現する継続的努力になります。この作業で培われたノウハウやソフトウエアが、各食物工場事業者の差別化・差異化になります。

食物工場の自動化には、ロボット共に多くのセンサーデバイスが使われます。センサーデバイスの販売価格は、下落していますので、各食物工場に最適なやり方で多くのセンサーデバイスを使用して、野菜の生育状況確認、養液供給や温度管理なども行えるようになります。

また、食物工場に適した品種の発見・改良、育て方の改良などについては、当該データや情報を蓄積して、さまざまな環境条件に最適な方法を検索・選択することが重要になります。

これらのデータや情報の蓄積や検索を低コストで行うやり方が、データセンターの活用にあります。また、公開されている農産品関連のデータベース(いわゆるビッグデータ)を活用して、比較検討することで多くのノウハウ蓄積が可能になります。

食物工場を実用化・事業化するには、多くの課題が山積しています。しかし、IT、ロボット、センサーデバイスなどをフル活用し、大量販売できる仕組みができれば事業化可能になります。

現在、食物工場関連事業には、多くのベンチャー・中小企業が取り組んでいますので、大きな市場が形成されれば、新規事業機会が生まれます。

この視点から今後の食物工場の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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